ものつくりにん(ma-mac)の生活

ma-mac偉大な爺さん


 一緒に住んでいた爺さんが先月に亡くなりました。同居していた身内が亡くなるとこんなに悲しいものかと。17年前に心筋梗塞を患い、その2年後に脳梗塞を併発。以後、半身不随で10数年も不自由な生活であった彼ですが、そんなことは微塵もみせず、最近までとても元気な様子でした。
 若いころから頑固一徹で、頑張り屋で、しっかりとした意思を持って、ゼロからのスタートから、周辺の田畑を買い取り、汗水流して働いていたようです。自宅に和牛を30頭程飼い、育てた和牛は、高級牛として競りに出されていたようです。その育て方に定評があり、大型バスで遠方から見学者が定期的に訪れていました。自分にも他人にも厳しい性格。私も小さいころはよく叱られていた記憶が残っています。
 自宅で療養している祖父の姿が日常生活の一部となったここ15年程。立って歩いて杖付いて、デイサービスや定期検診に行っていたんですが・・・。もうすぐ1年が経つ、今年1月中旬。ご飯が喉を通らなくなったことで精密検査をすると、食道にガンが発見されました。それも末期。脊髄にも転移がみられ、治療のしようがない状況でした。
 結婚式を控えた私は、どうにか自宅での結婚式をと考えましたが、参加者の問題でそれはできず、爺さんの列席は不可能となりました。日々変化する爺さんの状況を見守るしか有りませんでした。取りあえず、放射線治療を行ったところ、少し回復傾向に向かいました。結婚式前に病院に移った祖父の見舞いに行った時、「おいも行きたかった」と言いました。「後で撮ったビデオ見せるけん」それだけしか言えませんでした。
 季節は暖かくなり、祖父の容態もガン発見の時よりもよくなり普通に会話できるほどに回復してきました。出来るだけ会う時間をとろうとほぼ週末ごとに見舞いに行きました。そんなときのある日、爺さんが、「おいの葬式は自宅でするとやけん、わいは庭ばようはわいとけよ(自分の葬式は自宅でするから、お前は庭をよく掃いておけよ)」と言いました。「なんば言いよっとね、そがんこといわんで良か」と言い、帰るとき、涙が止まりませんでした。
 それから数ヶ月が経ち、先月の20日、数日前から呼吸が苦しくなったようで親族の者が寄り合いました。普段と変わらない様子だったので12時過ぎに病院に泊まる数人を残して帰った明け方、誰にも迷惑をかけず、苦しむこと無く息を引き取ったようです。私が連絡を受けて駆け寄った時はもう安らかに眠ってました(享年83才)。
 祖父の希望で、葬儀は自宅葬でした。父にもずいぶん前から言っていたようです。祖父を見送った明け方の病院から着替えをとり自宅へ。それから自分の数珠を持っていなかったので近くの仏具店に朝から立寄り数珠を購入しました。そして、まずは祖父との約束を守るために庭の掃除を行いました。そのあとは窓ふきなど家の掃除。自宅葬は大変ですが、田舎の土地柄か、地域の皆様のお手伝いで滞り無く行われました。400名程の列席者もなんとかこなせたようです。近隣の班の皆様に本当に感謝です。
 もう2週間が経ったんですが、やっと最近、仕事にも本格的に復帰できそうな心境です。日常でもやっとブログで報告ができたかなっと。それまではぼーっとしてたような・・・。毎週、一七日(ひとなのか)、二七日(ふたなのか)などと法要があります。49日過ぎるまではまだまだ自宅での法要等も大変です。いまだに祖父のことを考えると涙が込み上げてきます。しかし親を亡くした両親はもっと辛いのだろうなとも考えることもあり、歳をとることは辛いけど受け入れなければ行けない現実もあるのだなと感じる今日このごろ。

 
 延々と書きつづって、最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。
最近、ブログの投稿をさぼってましたけど、いまからもボチボチと更新していきますのでこれからもよろしくっと。
 写真は、20年程前のバリバリ頑固一徹時代の祖父の姿です。

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コメント一覧

ma-mac
元気そうです
ともさん。
どもです。婆さんは元気そうです。こちらも近くの病院に入院はしていますが・・・。胃腸の調子がよくないようで。でも特定の病気という訳ではないようで。少しあったかくなるまで入院するような。
お見舞いにいっても元気に病室(6人部屋)の仲間と話しているようだし。まあまあ、元気でなによりです。
とも
思い出しました。
ご冥福をお祈りいたします。
 同居ではないですが、実家の近くにじいちゃんばあちゃんが住んでいました。もう、8年前になりますが、じいちゃんが亡くなりました。厳しくて、まじめで、でも優しいじいちゃんでした。 最後は危篤状態3日続き、死ぬのをただ、待つだけでした。長い時間でした。もう、体はほとんど機能していなくて、足も手も冷たくなっているのに、心臓が動いている。その状況をみて、ふと人間の命とは肉体ではないのかな?と思いました。体がほとんど機能しないのに、生きている。これが生命力なのかな?と。
死ぬ時に、苦しんでもがいて死ぬ人もいます。きっとお爺さんは死ぬ前に、多くの人がお見舞いにきてくれたことと思います。それはとても、幸せなことですよね。
私もすごく泣いて、悲しかったけども、今ではその悲しみも忘れてしまっています。人間の忘れる、という本能は助かります。いいのか悪いのか、、。
うちはおばあちゃんがまだ、健在で1月で91歳です。でも、もうしゃべれないくらいなので、心配だなー。
お婆さんは健在ですか?
ma-mac
そうそう
私も気掛けてお見舞いにいきましたが、数ヶ月経つと慣れてしまいました。ほんとに末期がんなのかなっと。
自分の都合でお見舞いに行かなかったこともしばしば。
そんな時も自分の親は毎日様子見に行ってたんですけど。
出来る限りのことをしてあげられるということは、自己満足のなのかも知れませんが、行って良かったなあ~っていうことにはなったと思います。
たかちん
ご冥福をお祈りいたします
ハガキで知り、本日この日記を読みまして
遅くなりましたが、ご冥福をお祈りいたします。
私も3ヶ月ほど前に、祖父がもう90過ぎてるのだけど
同じような病気であることがわかり、
接する時間を大事にしていましたが、
人間なんでか、なれちゃうもので・・・
今日、ma-macさんの日記読んではっとさせらました。

落ち着いたら、飲みましょう。
私にはそれぐらいしか言えませんが・・・




ma-mac
そうですね
衛藤快さん。死を乗り越えるということは辛い部分も有りますが、多くのことを学ぶことでもあるような気がします。
良い想いでがたくさんあり、一つずつ、みんなが集まったときに話すことができれば良いと思います。そこに笑みがあればなお良しといったところでしょうか。
衛藤快
ご冥福をお祈りいたします
私も今年よくお世話になってる方が亡くなられてとても沈んだ時期がありました。毎日一人で泣いて、不眠症になって。だけど、最後には「貴方と出会えて良かった、たくさんの思い出と楽しい時間をありがとうございました」って思えて来て今ではそのおじさんに会えた事をとても大切にしています。

自分の身の回りの大切な人のために出来る限りしてあげれる事をできるといいですね。たくさんたくさん笑って幸せに生きて欲しいですね。お爺さまはきっと幸せだったとおもいます。先生が元気で居てくれるだけでも喜ばれますよ。きっと
ma-mac
ありがとうございまする
kero-keroさん
お心遣い、ありがとうございます~。
身内の死というもの。ものすごく考えさせられることが多いですね。
そのために、毎週法要があるのでしょうか。
法要があるからこそ、自らを問い直し、自分の考えを見つめ直す、そんな時間がとれるのだとおもいます。
結構元気になってきましたよ。
ご心配ありがと~ですたい!
おかげで元気湧いてきたばい!

たけきよ。さん。
身内が亡くなるのは辛いですね。とくに両親のことを考えると辛いですね。できるだけ、長生きしてもらい、叶えられることが有れば
少しでも実現させてあげたい、そんな気分になりますね。
たけきよ。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。
その日ちょうどma-mac氏の自宅前を通りかかった時、黒服の方々がたくさんいらっしゃったのでまさかとは思いましたがお爺さんが亡くなられたとの事。お気持ちお察しします。
私の祖母も9月の末になくなりましたが、ずっと老人ホーム暮らしだった為、近年あまり接する事も無く、葬儀の時にはほとんど実感が湧きませんでした。
やはり同居することで家族の絆というのはより一層深まるのでしょうね。
ma-macさん同様、両親の時にはどんな悲しみが待っているか分かりません。その時に悔いのないようになるべく親孝行しておきたいものですね・・・。
kero-kero
ご冥福をお祈りいたします
実家にいる私の祖母は、80歳を過ぎても病気知らずで、まだまだ元気そうにはしていますが、先日帰省した時に近所の同い年のお爺さんが亡くなり、私の祖母にもいつかこんな日が来るのかと思うと、とても寂しい気持ちになりました。長年一緒に暮らしてきた家族との別れほど、悲しいものはないと思います。でも、亡くなる直前までご家族と一緒に過ごすことができたma-macさんのお祖父様は、とても幸せだったと思います。しばらくは寂しさがこみ上げてくる日々が続くかもしれませんが、いつかお祖父様との数々の思い出を笑って話せる日が来ると思います。どうか元気を出してくださいね!ma-macさんの偉大なお祖父様のご冥福を心よりお祈りいたします。
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