イカサマな約束を信じ込み、カナダに大きな期待を持ち送られる留学生たち。
実は「話が違いすぎる留学生活」に放り出され、迷い、先行きも見えず、潰れていく留学生。
現地学生の3〜5倍という高額な授業料を払う留学生は金の卵。
それに群がる何の権威もない、まともな教育もしない私立カレッジの乱立、語学学校の出没。
べらぼうに高い授業料の20%程度をリベートとして受け取るエージェントの暗躍。
これらについては、随分前からカナダでは声が上がっており、いつ政府が乗り出すのか、いつ悪を成敗するのかと思っていた矢先に起こったパンデミック。まるで隠れ蓑のようにエージェントが今度はコソコソ汚い手を使い始めています。
何もしない政府、教育関係者に変わり、カナダ国営メディアのCBCがこんな記事を公開しました。
特にうなぎのぼりに増えているインド留学生をめぐる記事で、場所はオンタリオ州を取り上げていますが、カナダ中どこも同じです。
カナダに夢をかけるインドの若者を踏みにじるような酷いエージェント、私立カレッジの現状が報道されています。
カナダ留学を希望する日本のみなさん、日本のエージェントも同じです。
そしてあなた達が「ここがいいですよ。」と送られるインチキな私立カレッジや語学学校も全く同じ。
この記事をよ〜く読み、それでも嘘を鵜呑みにしたいかどうか考えて下さい。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Dilpreet Kaurの親は娘のDilpreetが故郷のパンジャビ(インド)では仕事を見つけるのが難しいのではと心配していました。親は長い辛い労働を続ける小麦農家。Dilpreet自身もここにいたのでは未来はないと思っていました。
そして昨年、2台のトラックを28,000ドルで売り、家族が持つ土地を担保にお金を借り、Dilpreetをカナダに留学させることにしました。トロントにある2年のカレッジの学費の初年度16,000ドルと、トロント東部にあるアパートの共用部屋を借りる費用を賄うためです。
Kaurは、カレッジのリクルーターに相談しました。リクルーターとは留学希望者に大群のように群がり、抑えの効かない無法地帯とも言えるインドの留学勧誘市場で暗躍し、カナダのカレッジに送り込むことでコミッションを稼ぐ存在です。カナダでの楽な教育、楽しい生活という歪んだイメージを売りつけるのが仕事です。
(日本のエージェントも、大群のように留学希望者に群がり、嘘だらけの夢物語カナダを売り込み、留学先からのコミッション目当てが仕事)
Kaurは「なぜこのカレッジを勧められたのかはよくわからない。」としか覚えていませんが、その後娘のDilpreetは、リクルーターの言うまま、Alphaカレッジという誰も知らないようなカレッジのcomputer systems technician course に申し込みました。
Dilpreet「カナダに来る前は、カナダは本当に美しい国で、私はそこで高い給料をもらい、良い生活をし、週末には楽しいことをたくさんして、例えば映画を見たりとか。そんな思いでいっぱいでした。」
「来てみたら違いました。全く違いました。」
特にオンタリオ州のカレッジはインドからの留学生を必死で勧誘しています。(BC州も同じです。何しろ絶対数が多いですからね。)
子供をカナダに留学させるには、家族が土地や家を売ったり担保に入れたりし、すべてを子供の留学にかける傾向があります。カナダの教育さえ受ければ豊かな生活が約束され、そして借金などすぐに返せる、と。そんな嘘っぱちの夢を叩き込むのがリクルーターの仕事です。
(日本のエージェントも同じです。)
カナダに惹かれ毎年やって来る何万人もの留学生は、将来の永住権・市民権を目指し、カレッジや大学に入学します。しかし、暗躍するリクルーターに送られる留学生は、私立の職業訓練的なカレッジに行きます。しかし、昨年では約25,000人ほどの留学生は、公立のカレッジではなく、いかがわしい私立カレッジに送られています。留学生の払う高額な授業料を糧に生存するカレッジです。現地学生の3〜5倍の授業料を取り、狭い教室にぎっしり生徒を詰め込み、カナダ政府の規制も無視し、学生へのケアなど全くありません。
パンデミック以来、このDilpreetが入学したAlphaカレッジは生徒数が2倍になりました。狭い2階建てのビルにある教室は420名入れてせいぜいなのですが、そこになんと4900人の生徒を詰め込んでいます。(420人というはカナダ消防規定での数字ですが、生徒の安全など完全無視です。)
Kaur「リクルーターとカレッジは、もっともっと金を払えと迫り、自分たちのポケットを膨らませますが、留学生のケアなど知らぬ存ぜぬ。」(日本のエージェントへの不満で一番多いです、これ。)
とにかくこのような私立の職業訓練カレッジはは現地学生から見放され、生徒数が減少し、それを穴埋めするために必死で留学生をかき集めています。なりふり構わずとはことのこと。(日本のみなさんも、こんなカレッジをエージェントに勧められませんでしたか?)
誰でもいい、たくさん留学生を!教室にすし詰めでも、生徒の面倒など見なくても、とにかく数字、数字、数字。たくさんの留学生が必要だ! が、リクルーターとカレッジの目的です。
リクルーターはこのようないかがわしいカレッジに一人生徒を送ると2000ドル懐に入ります。Alphaカレッジの留学生は100%このようなリクルーターに送られた生徒です。(日本人もエージェントにAlphaに送られた方いませんか?)オンタリオだけでも、昨年このようなカレッジがリクルーター(エージェント)に払ったコミッション総額はなんと114万ドルにもなるそうです。
CBCは隠しカメラとマイクを使い、インドのリクルーターの嘘のシーンを手に入れました。
「19歳の息子がカナダに留学したいんですが。」
「1年時の授業料は17,000ドルです。」
「2年目には仕事がみつかりますか?」
「留学生が仕事をして2年目の授業料を払っていくのはとても簡単ですよ。」
ー実際のカナダでは、留学生が仕事を見つけるのも難しく、見つけたとしてもとても授業料額に見合うことは不可能。生活費にも足りません。ー
「トロントの公立カレッジに行かせたいんですが。」
「いやいや小さな私立カレッジの方がいいですよ。Hanson Collegeがお勧めです。」
ーHanson Collegeとは、オンタリオ州ブランプトン、小さな商店が集まったStrip Mallと呼ばれる一角に隠れるようにあります。ー
「卒業し永住権を取るのは難しいんでしょう?」
「とんでもない、とても簡単です。」
ー実際は、カナダのカレッジ・大学を卒業した留学生のうち卒業後10年以内に永住権を取得出来ているのは30%に留まっています。ー
何の規制もなく、嘘の付き放題、お咎めなしのリクルーター(エージェント)の数は増え続けています。
留学希望者の奪い合いですね。
実際に送り込む先のカレッジとは何の面識もなく、ただ単にコミッションをもらうだけの関係というリクルーターが増えています。
従って、少々良心のあるカレッジも、リクルーターが一体どんな嘘をついて留学生を呼び込んでいるのなどは全く手出し出来ないそうです。
カナダのImmigration Ministerの言葉です。
“Federal Immigration Minister Sean Fraser said it troubles him greatly that "certain private career colleges, I'm convinced, have come to exist just to make a buck on the back of the international student program."
「私立の職業カレッジは、留学生の高い授業料目当てに出来たものが多い。これは問題です。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
日本は妙な国ですね。
カナダに何が待っているかなど疑問にも思わず「英語が出来るようになるから」と闇雲に留学します。
親も同じ。
学校も信じられないほど間抜けな「1年高校体験プログラム」を生徒呼び込みに使い、何も得ることもない、英語力など全然つかない、ひどいケースでは一生生徒にトラウムが残るような体験を強制しています。
高校留学の実態は無視ですね。 犠牲になるのは高校生。
留学し、よい教育を受け、よい仕事につき、よい生活がしたい!とやって来る他国からの留学生の必死度からは遠くかけ離れていますが、エージェントにまんまと騙されるのは同じです。
さて、みなさん、少しは現実が見えましたか?
カナダにいらっしゃい!は今日は言いたくない気分です。
_________________________
「カナダ大学正式留学」eBook
カナダ大学留学準備講座 Canada Club
「カナダ高校留学実態総集編」eBook
カナダ発日本人のための本格的英語学習サイト UX English
わかりやすいクリティカルシンキング講座
Podcast [カナダにいらっしゃい!]