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映画「新聞記者」、松坂桃李は内閣情報調査室にガセをつかまされ飛び込み自殺? #新聞記者みた

2019-07-13 07:42:16 | 日記
(注)ここからはネタバレが含まれます。映画を観るのに200倍面白くするために書いているつもりです。悪意はありませんので、ご了承ください。

映画「新聞記者」を有楽町ビックカメラが入る読売(笑→笑いの意味はこちら)ホールの上の階で観ました。”ハナ金”(金曜日の夜、バブル時代は現代のプレミアムフライデーではなく、こう表現されていた)の夜にもかかわらず、カドカワシアターは超満員。この3連休も各地で満員御礼は間違いなさそうです。
 映画は東京新聞の記者、望月衣塑子さんが著した「新聞記者」が原題ですが、ストーリーは固有名詞と設定をいずれも微妙に変えていて、今の政権を批判するシリアスなテーマながら、エンターテイメント性とパロディー感も盛り込んだ内容となっていました。
加計学園の獣医学部は、映画では最終的に「政府が生物兵器を作る目的で設立に動いた」という設定になっています。学部新設を担当していた担当官が良心の呵責から東京新聞(映画では東都新聞、編集フロアの向こうに日比谷公園が見えるので、ロケは飯野ホール隣の東京新聞本社を実際に使ったとみられる)にFAX告発したところ、内閣情報調査室に情報漏えいの疑いなどで追い詰められて自殺。北京外交官時代の上司として慕っていた松坂桃李(内閣情報調査室に出向中)が、上司の自宅で上司が自殺した原因を突き止め、正義感から望月衣塑子記者役のシム・ウンギョンのネタ元として協力し、東都新聞が1面で「新設獣医学部計画、生物兵器の研究が目的」とトップのドデカイ横見出しで特報するという内容です。
 ところが、映画はそこでは終わらず、観た人にう~んと考えさせる“裏の裏”があったのです。

「獣医学部で生物兵器」は多くの新聞も報じ、世間的には「あったこと」になるのですが、意味深なのはその後です。松坂桃李はシム・ウンギョン(望月役)とその上司に「世間が信じてくれないのなら、私は実名で告発してもいいです」と約束していたので、その確認をすべく会社を飛び出すのですが、そこで、内閣情報調査室のボスがシム・ウンギョン(望月役)に「きみのお父さんの記事は誤報ではなかったんだよ」と匿名で電話(シム・ウンギョンのお父さんは新聞記者で米国駐在時に韓国人のお母さんと出会い、結婚。帰国後に日本の政府の疑獄を特報したが、西山事件のように“誤報”となり、自殺する設定=実際の望月記者とは異なる)。
一方、「獣医学部で生物兵器」と東京新聞が特報した後、松坂桃李は自宅の新聞受けでお産の妻が留守でしばらく取っていなかった郵便受けから、自殺した先輩が死ぬ直前に書いた手紙を受け取る。そこには告発して欲しい内容として、生物兵器の研究ではなく「計画する獣医学部新設は総理のお友達が運営する学校法人で、国民の莫大な税金が総理のお友達に流れている」ことが書かれていた。
 そしてクライマックスは最後の場面。
手紙を読んだ松坂桃李は呆然とした表情となる。そしてボスに「外務省に戻りたいか。ただし、知っていることをすべて忘れることが条件だ」と言われ、何も言わず部屋を出て、内閣情報調査室の建物からもふらふらと出る。
そしてついに、霞ヶ関近辺の交差点で横断歩道をはさみ、松坂桃李に何度も電話していたシム・ウンギョンと出会う。映画のスクリーンは2人の顔が交互にドアップに映し出される。
次の瞬間、松坂桃李は口元で何かをぼそぼそとつぶやき、シム・ウンギョンのあ~という顔がアップされ、映画は暗転、閉幕する。

1番知りたいのは、最後、松坂桃李が自動車に飛び込み自殺したのかどうかつまり、内閣情報調査室にウソのガセネタをつかまされ、東京新聞に誤報させたことに悟り、自ら死を選んだのか。シム・ウンギョンの父は新聞記者で政府の疑獄を報じたら、西山事件のように誤報とされ、自殺したが、内閣情報調査室のボスはかつておれが仕込んで「あったことをなかったことにした」と示唆する。
今度は逆に「獣医学部で生物兵器」というネタ自体が、内閣情報調査室が世間の関心を他に向けるためのガセのストーリーと報告書だった。ガセネタを1社に書かせ、多くの新聞にも報じさせることで世間的には「あったこと」にした。そして、内閣情報調査室のボスは、ガセネタを東都新聞の“ディープスロート”としてつかまされたことに松坂桃李に気がつかせ、またも自殺に追い込む。
つまり、真実は総理のお友達にカネを流す計画を、松坂桃李が慕う元上司がつかんだのに、いつのまにかにすり替えられ、松坂桃李もシム・ウンギョンも騙された…
内閣情報調査室が「あったことはなかったこと」にし、「なかったことをあったこと」に自在にできるとすれば大問題です。
映画を観た方、ご意見ください。

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