ムーミンパパの気まぐれ日記

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夏休み

2006-08-03 | column
 夏休みが始まると朝の新宿駅西口広場にはリュックサックを背負った子供たちが目立つようになる。林間学校なのか、それとも最近流行の自然体験キャンプなのか、詳しくは知らないけれど、多分そんな類の旅行の集合場所になっているのだろう。小さな体に不釣合いなほど大きなリュックがちょこちょこと歩いている様は見ているだけで、目を細めてしまうほど微笑ましい。お母さんの手をつないで歩く子、背広姿のお父さんと一緒に話ながら来る子、お姉さんぶって弟の手をひいている女の子。普段は殺伐とした駅前であるが、ちょっとだけ空気が柔らかくなっているような気もする。まだ人生の合計が10年くらいしかない子供たちにとって、1ヶ月の夏休みはとてつもなく長い休みだろうし、親と離れてのお泊りは大冒険なのに違いない。きっとどきどきわくわくしながら電車に乗って新宿まで来たことだろう。
 自分が小学校低学年の頃には、夏休みになると母親の実家に遊びに連れて行かれた。関西の山あいにある小さな町で、川沿いに作られた街道の両脇に民家が立ち並ぶところだった。母親は数日で家に戻ってしまい、子供たちだけで2週間くらいお泊りをして、裏山で昆虫採集をしたり、小川で水遊びをしたり、たわいもないことで楽しい日々を過ごしたものである。それにしても、まだまだ祖父母が健在だったといえ、他所の子を何日も預かる叔父夫婦にとっては迷惑なことだったろうなと、今になって恐縮している。ともあれ、田舎のことなので近所の人も東京から来た子供たちをそれなりに可愛がってくれたし、こっちはこっちで「かしわ」ってなんだろうとか、「みたらし」って食べられるものなんだろうかとか、見知らぬおばちゃんたちの会話が暗号みたいでずい分と楽しめたものであった。お陰で東京に帰ってくる頃にはすっかり関西弁にもなじんでおり、しばらくはへんてこなイントネーションが直らなかったものである。
 今となっては、あんなにのんびりと夏休みを過ごすことはもうできないだろう。それはたとえリタイアした後でも同じじゃないかと思う。そんなことを考えると、大きなリュックサックに向かって「しっかり楽しんでくるんだぞお。」なんて声をかけたくなってしまうのである。
 まさか中学受験の合宿とかじゃあないだろうな・・・・

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