連鎖

　６月当初にネームカード用のネックストラップを製作したのだが、これが思いもよらぬ反響を呼んでいて、若い子からも作ってほしいというお願いがあった。「まあ、そのうちにね。」と言いつつも、週末にもう一本作ってたのが冒頭の写真である。しかし、このあと私はいかに女性というものを甘く見ていたのかを思い知ることになる。彼女たちのネットワークというのは実に迅速かつ広範囲に情報を伝達する。そのお陰で、あちこちの女性から「あれ可愛いですよねえ。」とか「ああいうの売ってないですよねえ。」などというプレッシャーがかかってくる。みんなに気に入ってもらえるのは、それはそれでうれしいのだが、ここで沈黙を守っていると「なんであの子にだけ。」なんてあらぬ疑いをかけられかねない。というのは、既に疑われるような年齢ではない私の見栄でしかないが、ともかく無用な敵を作るのだけは避けた方がいい。そこでまあ、うれしさ半分義務感半分で次々とストラップを作ることになったのである。チェーンを使っているだけに、まさに連鎖反応などと洒落ている場合ではない。そんなこんなで作ったのが、こちらの写真↓である。
　　　
　　
　ご覧になっていただければ分かると思うが、どれも似たような感じに仕上がっている。なにしろたくさん作らなくちゃいけないので、デザインなんか考えている時間はないし、なまじデザインを変えたりしたら「あっちの方が可愛いですね。」なんて言われて、出口のない迷路に入り込みかねない。こうなると単純作業に近くなり、作っていてあまり面白いとは言えなくなる。ネット姉妹にプレゼントしたリングのように試作品まで作って考えている方が、実は時間はかかっても、疲れは少ないのである。　ともあれ、このストラップを都合７本作ることによって、とりあえず事態は収拾できたのである。
　だが、今度は男性の同僚から一言。
　「いやあ、マメですなあ。
　うちの会社でこのストラップをしている女の子たちが○○さん（私）の「喜び組」ってことですね(笑)」
　う～、中年男の嫉妬というのも侮れないものである。