あれはまだ自分達がまだ高校生だった頃。。。
勉強なんかよりも遊びに夢中で、遊んで遊んで、
余った時間に部活(応援団ですが・・・)でしごかれて、
大切な仲間と充実した時間が永遠に続くような
そんな気がしていた頃のお話です
その日も私はいつものように?お蔵の横にあるなぜか煙る彼の部屋で
誰にも邪魔されることなく、ゆっくりとした時の流れと
挽きたてのコーヒーの香りを満喫していました。
すると突然部屋の黒電話(もちろんダイヤル式)が鳴り
彼は受話器を取りました。
『あ、あぁ。Kは今出かけておりますが。。。』
なんだ?居留守??
彼には彼を慕ってくる1コ下の女の子がおりまして、
名前はA子ちゃん。
電話はそのA子ちゃんからでした。
でも彼には他に思いを寄せる同級生の女の子が。。。
おそらく受話器を取るまでにどれだけの時間を浪費したでしょう。
ダイヤルを回すのにどれほどの勇気をふりしぼった事でしょうか。。。
でもA子ちゃんの淡い恋は実る事はありませんでした。
今思えばきっぱりとした態度は彼の優しさだったのだと思います。
ちなみにクラスのマドンナ的存在に思いを寄せる彼の恋も
儚く散ったのは言うまでもありません
彼は魅力も知性も性格も人一倍併せ持っているはずなのに、
残念ながらそれを伝える事が人一倍下手。。。
そして人一倍寂しがりなくせに、人一倍格好つける・・・致命的
そんなある日彼女(A子ちゃん)から一通の手紙が。。。
~中略~
色々ありがとうございました、先輩の声くらい解りますよ~
的な事が書かれていたそうです(読んだ訳ではありませんので)
素敵な彼女です。。。
その夜彼は海へ行こうと言い出し、二人で南へ向かいました。
もちろん自転車で
どれほど時間が経った事か、海を目前にして彼の自転車がパンク
途中から自転車を引きながら何とかたどり着いた時にはもう真夜中。
まぁ出発したのも真夜中でしたケド
海に着いて何を話したのかは覚えていませんが
帰る頃には何だか気分がすっきりしていたのを覚えています。
ママチャリだったので足はヘロヘロでしたけどね。
帰りは大東町の友達に自転車を借りて何とか掛川まで帰り、
その頃にはもう夜は明け始めていました。。。
なんだか甘酸っぱい高校時代のひと夏の思い出のお話。
今日は彼の5回目の命日です。
昨日までの雨がうそのように晴れた一日、
彼が眠っている丘から富士山がくっきり見えていました
見える?