

今日は母の誕生日のはずだった
母が亡くなった今年は三回忌
桜が蕾になる前の4月7日が命日
親の偉大さは生前も死後も消えない
昨日は母の霊前に何の花を買うかな?
迷ったが、もう直ぐ月命日
今日買わずに月命日にと思いなおし心の中で手紙を書いた
【お母さん、元気ですか?(亡くなった母に元気ですか?って可笑しいね)
私も弟妹も、お父さんも元気でなんとかやってます
お母さんが居ない毎日は寂しい、それでも少しずつ笑いが出るようになった
お父さんとの晩酌は政治経済、今回の震災の話で返事に困るの
お母さんだったら何て答えるだろうな?
最近お父さんの独り言が増えたよ
ボケる歳でもないと思うけど、独り言が聞こえるとビビリます
そちらの世界はどうでしょうか?
楽しくやってますか?
いずれ皆は母の元に参ります
方向音痴の私だから、ちゃんと迎えにきてね】
そして
母の誕生日であるはずの今日、朝食中に父が倒れた
座ったまま後ろにドタッ
ティッシュの箱がクッションになって頭は大丈夫
顔面蒼白になって胸を押さえて苦しそう
救急車
が数秒後、意識が戻り、ふぅ~っ溜息を付いた
『お父さん病院に行くよ』
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
『車に乗って』
取り合えず近所の"名医"に車で連れて行き緊急事態を手取り足とり説明
血圧を何度も測りなおす看護士さん
『脈が弱い』
それを聞いた私は顔面蒼白
やっぱり救急車を呼ぶべきだったか
しかし最新式の血圧計で計ったら正常です
脈が弱いと言った言葉は何だったの?
心電図も検査します
正常です
お医者の診断
『どこかの血管が一瞬詰まったんでしょう、採血して調べます』
採血した血を新幹線並みの速さで受け取りにきた某機関
連繋プレイが凄い
血液配達中のケースに入れて猛ダッシュで出て行った
『点滴します』
父にとって点滴は初めて
ポチンポチン落ちる点滴を見ている内に爆睡
1時間後、目を覚まして
『トイレに行きたい』
『うんいいよ連れて行くよ』
『点滴を外すのか?』
『いやいや、このまま点滴をぶら下げて行くんだよ』
『どうやって?』
『こうやって』
点滴をぶら下げる器具をガラガラ押してトイレに連れて行った
人間ドックは豊富に経験ある父だが入院の経験はない
何も知らない父
ほどなくして点滴が終わり、ドクターの有りがたい神の声
『明日、検査の結果が出ます、それによって今後どうするか相談しましょう』
血液サラサラになる薬が出た
血管のどこかが一瞬詰まって、運良く今回は流れた
この次があっては大変だと名医の先生は言う
足の付け根からカテーテルを入れて検査する事になるでしょう
父は再び顔面蒼白になった
帰宅後
『今日はお母さんの誕生日だし迎えに来たかと思ったよ』
『何言ってるの、お父さんは死ぬまで生きるから大丈夫だって』
『うんうん死ぬまで生きるよ』
いつも登場するジッちゃんは私の父です
一緒に帰宅した私に
『みゆき有難うな』
父から有難うの言葉
何気ない言葉なのに何故か目から点滴がポトリ
【 お母さんへ 】
お父さんはまだそちらに逝きたくないと言ってます
ギネスに載って有名になるまで待っててね
そこんとこヨロシク

