みゆきな日々

チワワのチェリー女の子&私・年金暮らしのジッちゃんに絶賛親孝行活躍中

歳の差恋愛【 臆病 】

2011年12月16日 | インポート

  31        

            まるで中学生の作文のような置手紙

                  " 奈美は子供だ "

               そして俺も歳だけくった子供

                子供じみた別れの手紙

               絶対に奈美の本心じゃない

                  でも本心だったら?

               奈美の口から直接聞きたい

                    可愛い奈美

           この手紙にあるように、真顔で言われたら?

              いや、現実から逃げた俺が悪い

                     " 妊娠 "

                 この言葉から逃げた俺

                     最低の男

     職業柄、本能と知識が優先するが、惚れた女には頭も働かない

                こんな時はどうすれば良い

                   現実逃避した俺だ

             ウウム教団の仕事に没頭し忘れよう

                この手紙の中の奈美が現実

                歳若い奈美に相応しくない俺

         誰より熱心に教団信者の身元調査に没頭する日々

                奈美と同じ年頃の信者が多い

        この若さで " カルト教団 " に入信するのは何故か?

                       驚いた

                   同僚の信者も居る

                    医師・教員・警官

              何が彼らをカルトに向かわせたのか?

                  何が俺を臆病にした?

      奈美に良く似た女性を見る度に激しく動揺するのは何故だ?

                歳の差恋愛は叶わないのだろうか

                このままじゃ俺が俺じゃなくなる

                    沢山の恋愛経験

                  " しっかりするんだ俺 "

               既にアパートも別人が入居している

                   引越し業者をあたった

              『その方なら、札幌に引越ししましたよ』

                   職権乱用で聞き出す

                      気が引ける

                 引越し先を突き止め電話

               奈美は故郷の北海道か・・・遠い

             今の北海道は雪に埋もれてる頃だな

  23

                直ぐにでも飛んで行きたい

         それはとうてい無理、ならば声だけでも聞きたい

        『もしもし、堀と申します、奈美さん在宅でしょうか?』

  " 堀 "と言う人から電話があっても、訪ねてきても居ないと言って欲しい

              強い口調で両親に告げていた奈美

                   『娘は留守ですが』

                『何時頃に戻られますか?』

                『娘はここには住んでません』

          電話の向こうの男が、お腹の子の父親に違いない

        何があったか分からないが、腹立たしい気持ちで一杯だ

                  つい声のトーンが上がり

    『娘には、お付き合いしている人が居るの、もう電話しないで下さい』

                それだけ言って電話を切った

             母親として、精一杯の援護をしたつもり

       奈美は母と洋介のやりとりを溢れる涙を堪えながら聞いている

            興奮ぎみの母親に『ごめんね・・・お母さん』

                 『これで・・・良かったの?』

                    無言でうなずく娘

                   不憫だが仕方が無い

  28       

              受話器を持ったまま、立ち尽くす洋介

                  曖昧な態度をとった報い

         2度と奈美以上に愛せる女とは出会う事はないだろう

                      心が割れた

                 割れた心は元には戻らない

         歩きながら、ビルのウィンドーに映った自分を見て

            " 俺・・・いつから猫背だったんだろう? "

                     北風が冷たい

            コートのポケットに手を入れて思い出した

          奈美の手を俺のコートに入れた事があったっけ

                  『2人だと暖かいな』

                 笑顔でうなずいてた奈美

                  俺がもう少し若かったら

              他に男が居たって、奪いにいくのに 

              歳の差が俺を臆病にしているのか

  26

              奈美は降りしきる雪を眺めながら             

                 洋介は絶対に迎えにくる

             心のどこかで洋介を待っている自分

               これで終わりなんて悲しすぎる

               愛に歳の差なんて関係ないし

  30

                   あとは洋介次第

                 複雑な気持ちが交差する

                   意気地なしの洋介

                       もしも

            洋介が、こんなに簡単に私を諦めたならば

                 " シングルマザーか・・・。"  

                 そうなっても仕方ないよね

             いざとなれば、男より女の方が強いのよ

                 お腹の子に語りかける奈美 

 

 

             *:・'゜☆。.:*:・'゜★続く゜'・:*:.。.:*:・'゜:*