ばばーん、これがググンタンガンの要になる楽器・ゴンプルgong puluです。
ほとんどすべてのガムランのアンサンブルで一番叩く数が少ないけど、一番存在感があって、一番重要な音だと考えられているのがゴングgong。本来はゴングというと、金属製の大きくて丸い、真ん中に突起があるいわゆる「ドラ」をさします。でもググンタンガンでは、このような鍵盤式の楽器を使います。二枚の鉄製の鍵盤を同時に叩くと、ぶーん、と深い音がします。二枚の鍵盤の音程をちょっとずらして調律してあるので、残響がうなるのです。鍵盤の下は箱状になっていて空洞です。そこに共鳴するようになってます。
楽器の形は違うけど、大編成のガムランで使うゴングと、ググンタンガンで使うゴン・プルは役割は一緒。ガムランの旋律は基本的に、何度も同じ旋律やリズムパターンをぐるぐると繰り返して何周もする、という構造になっています。ゴン・プルはその周期の一番大事な終始点で鳴る楽器。
ググンタンガンのほか、ジャンゲル(男女が歌いながら踊る合唱群舞っていうのかな・・)の伴奏なんかでも使います。金属ゴングより小編成にあう楽器です。
この写真はバリで撮影したのでうちの子ではないのですが、多分同じ職人がつくったんじゃないかな、裏側から見ると縁取りのデザインがそっくりです。このグループの人たちはジェゴガン(大編成ガムランで使う低音の鍵盤楽器)用のバチを2本で叩いていました。購入当初、師匠が用意してくれたのもジェゴガン用バチ2本。しかしわがチームでは、この楽器をタオという別の楽器と兼任することが多く、片手で2本は持てないので、2本を予めくっつけてもらって片手で演奏できるようにしてもらいました。
しかしそれでも結構重い。今回のググンタンガンチームのゴンプルは交代ですが、基本的に女性。しかし、パワフルにごーんごーんと鳴らし続けますのでご期待ください。