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楽器紹介シリーズ、今回はタオです、この楽器。
このお鍋のような楽器はタオtawakといいます(モデルは師匠の孫、ガムラン奏者への道をまい進中)。ポウッポウッというまるい、それでいて遠くまでよく響く音がします。
私がググンタンガンを勉強した中部バリのシンガパドゥでは「タオタオ」ではなく「タオ」と呼んでましたが、タオタオって呼ぶことも多い。タオは儀礼的な行進の時に演奏する音楽・ブレガンジュールの中で、拍を刻むのにも使われます。
ググンタンガンの中でのタオの使い方は、ビート係じゃなくて、ゴン・プルとセットで使う「周期を知らせる楽器」という扱いです。ガムランの音楽は反復が基本で、ぐるぐるトラックを回っているような感じなんですが、そのぐるぐるのなかで一番大事な開始点にゴン・プルが鳴るとすると、円の真ん中に来た時に鳴るのがタオです。演奏者の人数が足りない時はゴン・プルと同じ奏者が一人でふたつ演奏します。ゴン・・・ポウッ・・・ゴン・・・ポウッ・・・って繰り返すのが普通。
ところが何曲か、タオが「周期係」じゃなくなって、突然躍り出てきてビートを刻んだり、あるいはビートを刻みもせずに「お調子者」になって遊んだりすることもあります。ちょっとクレイジーっぽい、他と違う、ちょっとヘンな曲が多い感じ。地味な楽器だけど要注目です。