マメタンガン[Mame-tangan]

バリ島のガムラン・ググンタンガンのグループ「マメタンガンMame-tangan」の活動情報などを載せています。

楽器紹介、タオの巻(ライブ情報の下から本文です)。

2013-11-23 08:48:34 | 日記

 

 

 

ページトップにライヴ情報が来るように編集しました。ここからが本文です。

楽器紹介シリーズ、今回はタオです、この楽器。

 

 

 

このお鍋のような楽器はタオtawakといいます(モデルは師匠の孫、ガムラン奏者への道をまい進中)。ポウッポウッというまるい、それでいて遠くまでよく響く音がします。

 

私がググンタンガンを勉強した中部バリのシンガパドゥでは「タオタオ」ではなく「タオ」と呼んでましたが、タオタオって呼ぶことも多い。タオは儀礼的な行進の時に演奏する音楽・ブレガンジュールの中で、拍を刻むのにも使われます。

 

ググンタンガンの中でのタオの使い方は、ビート係じゃなくて、ゴン・プルとセットで使う「周期を知らせる楽器」という扱いです。ガムランの音楽は反復が基本で、ぐるぐるトラックを回っているような感じなんですが、そのぐるぐるのなかで一番大事な開始点にゴン・プルが鳴るとすると、円の真ん中に来た時に鳴るのがタオです。演奏者の人数が足りない時はゴン・プルと同じ奏者が一人でふたつ演奏します。ゴン・・・ポウッ・・・ゴン・・・ポウッ・・・って繰り返すのが普通。

 

ところが何曲か、タオが「周期係」じゃなくなって、突然躍り出てきてビートを刻んだり、あるいはビートを刻みもせずに「お調子者」になって遊んだりすることもあります。ちょっとクレイジーっぽい、他と違う、ちょっとヘンな曲が多い感じ。地味な楽器だけど要注目です。

 

 


ゴングといってもゴングでないけどやっぱりゴングである。

2013-11-21 07:58:54 | 日記

 

ばばーん、これがググンタンガンの要になる楽器・ゴンプルgong puluです。

 

ほとんどすべてのガムランのアンサンブルで一番叩く数が少ないけど、一番存在感があって、一番重要な音だと考えられているのがゴングgong。本来はゴングというと、金属製の大きくて丸い、真ん中に突起があるいわゆる「ドラ」をさします。でもググンタンガンでは、このような鍵盤式の楽器を使います。二枚の鉄製の鍵盤を同時に叩くと、ぶーん、と深い音がします。二枚の鍵盤の音程をちょっとずらして調律してあるので、残響がうなるのです。鍵盤の下は箱状になっていて空洞です。そこに共鳴するようになってます。

 

楽器の形は違うけど、大編成のガムランで使うゴングと、ググンタンガンで使うゴン・プルは役割は一緒。ガムランの旋律は基本的に、何度も同じ旋律やリズムパターンをぐるぐると繰り返して何周もする、という構造になっています。ゴン・プルはその周期の一番大事な終始点で鳴る楽器。

 

ググンタンガンのほか、ジャンゲル(男女が歌いながら踊る合唱群舞っていうのかな・・)の伴奏なんかでも使います。金属ゴングより小編成にあう楽器です。

 

この写真はバリで撮影したのでうちの子ではないのですが、多分同じ職人がつくったんじゃないかな、裏側から見ると縁取りのデザインがそっくりです。このグループの人たちはジェゴガン(大編成ガムランで使う低音の鍵盤楽器)用のバチを2本で叩いていました。購入当初、師匠が用意してくれたのもジェゴガン用バチ2本。しかしわがチームでは、この楽器をタオという別の楽器と兼任することが多く、片手で2本は持てないので、2本を予めくっつけてもらって片手で演奏できるようにしてもらいました。

 

しかしそれでも結構重い。今回のググンタンガンチームのゴンプルは交代ですが、基本的に女性。しかし、パワフルにごーんごーんと鳴らし続けますのでご期待ください。

 


メロディー担当、スリンです

2013-11-20 08:16:27 | 日記

 

ググンタンガン編成ではメインの旋律を演奏するのはスリン(竹笛)です。

 

基本的に、ガムランは打楽器が主体なので、ほとんどの編成において金属の打楽器がメインで、スリンは本来は脇役。最近創作された新しい曲ではスリンを増員するのがここ数年流行ですが、伝統的なガムランの場合は金属楽器によりそって味わいを加える薬味のような楽器。もちろん薬味って味を決める上で大事ですが。

 

ググンタンガンではスリンは、薬味どころかメインのおかずです。ばばーん。通常3-4人のスリン奏者が一緒に旋律を演奏します。

 

息の音は、叩いて出す音とは全く違った響きがします。とくに竹笛の音は柔らかくて、演奏者の呼吸がそのまま音になったような感じで自由に流れていきます。金属の楽器の音が、垂直にカーンと立ち上がるとしたら、スリンの音は横へ横へと流れていく感じかな。

 

スリンはバリの楽器の中で多分一番、声に近い楽器だと思います。どっちも息で音を出しているし、カーヴを描きながら流れるような音の響きは、基本的に「流れる」というより「刻む」感じが強い打楽器とは違います。スリンも歌も、基本の旋律線に沿いながらも、演奏者のセンスでちょっとずつ音の揺れや呼吸感を変えて、自由に演奏されるところも似てる。

 

我がググンタンガン・チームは今回はスリン女子界(?)のツートップを中心に、3-4人でスリンを演奏します。ちなみにバリでも女性の上手なスリン奏者はすごく珍しいです。元々ガムランは全般的に男性社会ですが、最近はグンデルとか太鼓とか結構上手な女性が出てきました。でもスリンはまだ本当に上手な人を、私は見たことありません。豆手笛女子、頑張ってます!!(写真は修行中の豆手笛女子番長と出羽師匠)


ググンタンガンは難しい!

2013-11-18 09:02:15 | 日記

12月1日の初ライヴにむけて、昨日もマメタンガンチームで練習。またしても練習が忙しくて写真を撮るのを忘れた・・カメラを持って行ったのに。なので写真はバリの師匠たちのググンタンガン演奏風景。

 

ググンタンガンは難しい。

 

人数が少ないし、リラックスした雰囲気で演奏されることが多いし、派手なことはあんまりやらないので、ググンタンガンはバリの人にも簡単だと思われているふしがあるのだけど、本当は小編成で、小粋な演奏をするのはとても大変なことなのだ。大編成のゴング・クビャールのうまいチームを探す方が、ググンタンガンの上手なチームを探すよりもはるかに簡単だし、クビャールができるからググンタンガン楽勝だと思っているような音楽大学の卒業生が、ググンタンガン的にはまったくダメ、というのもたくさん見てきた。

 

大編成のガムランはある意味では大企業のようなもので、指示系統がはっきりしている。クンダン(太鼓)→ウガール(旋律鍵盤楽器)・カジャール(ビート)→そのほかのみなさん。合図の出し方や指示の仕方も、かなりかっちりとコード化されているし、かなり前もって、分かりやすく、決められた合図をだす。

 

ググンタンガンも太鼓がリズムパートの指示を出してはいるんだけど、その指示はクビャールよりも急だし、気合あわせも多い。少人数だからこそシステム化された合図によって全体が動くというより、呼吸感で動いている感じ。

 

それに合奏の中で、メロディーを担当するスリンが複数いる以外は、自分と同じ役割を果たしている人はほとんどいない。一つ一つのパートがそれぞれ一人しかいないので、「みなさん」の一人になれないので、責任が重大なのだ。(ググンタンガンはだからメンバーの多くが掛け持ちしているもう一つの演奏形態、バテルによく似ている。バテルもやっぱり小編成だけど、鍵盤楽器グンデルを使う)

 

そのかわりみんなの呼吸感が共有できると、すごく小回りが利く。「前もって」合図を用意せず、がっちりといかにもなリーダーシップを発揮せずとも、ふわっと合奏が動くようなそんな演奏が目標。まだまだ努力しないと。

 

 


本日はぱー練なり

2013-11-16 20:30:37 | 日記

本日は太鼓演奏者二人とチェンチェン(シンバル)奏者一人でミニ・パート練習をしました。

普段私たちは、オケやブラバンとは違ってパートだけで集まるってことはあんまりないんですが、いよいよライヴが近づいてきたし、ということで3人練習。ちょっとさびしい。しかも旋律パートがいないので自分たちで歌いながらやろうとするんだけど、意外と歌いながらって叩けないのね。

しかし、アンサンブル全体の音が鳴っている時には気にならなかった、細かいところに気づいたりと、収穫はありました。ガムランってあんまりパート練習しないし、やっぱりみんながいた方が楽しいけど

明日は合同練習。気合入れてがんばるぞー。