食して、排便し
空腹を満たし
一時の満足感も
排便して、満足感が消え
不満がつのり
欲望が騒ぐ
実体のない
満足感を追い
限りない欲望に
つきまとわれ
苦悩につきまとわれ
醜い己を忘れる
不満と欲望
この満たされない
繰り返し
苦悩を引き連れて
愚かに繰り返す
人間の業
幸せを求め
欲望を追い続け
背に負う苦悩を知らず
満たされぬ欲望に
身も心もすり減らす
人間の業
欲望は、無限だ
欲望を求め
求め続けるほどに
満たされた瞬間に
満たされぬ不満が
新たな欲望を作り出す
新たな欲望
この欲望を満たして
不満の種を作る
この不満を超える
もっと大きな欲望
求めて、際限なし
世俗の矛盾に腹くくり
あがきの自己嫌悪に
生きる望みを
失いかけながら
揺り戻され
終わりもなく
ひとつの願いに
運ばれていく
老年の目
目、その目
純粋さが
失われ
無垢に回帰せず
生彩に飢え
終わりなく
ひたすら追い求め
求め続ける
人、人、その人の目
時々目を凝らし
思い詰めながら
未知の不安を
考え始める
移り惑わされ
終わりもなく
大人の世界を
踏み分けていく
青年の目
夜の波に洗われ
揉み洗われながら
生きる淀みに
もがきながら
移り流され
終わりもなく
見る目が考える目に
塗り替えられていく
壮年の目