時々情けなく思う
この一定の距離
親に犯されるとき
親と言えど煩わしい
やがて己も歩む道なのに
人間の寿命は分からない
しかし、五十を過ぎると
親子とも高齢の世界で
寿命の争いがある
そんな気がして仕方がない
人間、大人になるにつれて
親子であっても
一定の距離が欲しくなる
それが自然といえば
自然なのかもしれない
年老いてくると
全てに気弱になり
親子の一定の距離も
不安になって
寄りすがろうとする
手のひらも顔につけては
指の顔が見えない
少し離してこそ
指の顔が見える
何事も
正視に見ておきたい
一定の距離を置いて
冷静に見たいもの
近くにありて
強くなり
遠くにありて
ほつれてくる
それでも時には
離れて見るほうがいい
それぞれの感情の行き違い
絆の歪みが見えてくる
親子の絆
夫婦の絆
いずれも一定の距離
あったほうがいい
1条の糸が
もう1条の糸と
織り重ねられて
一本の絆になっていく
この1条の糸に
主張も感情あり
思いのままに行き過ぎて
粗い絆になる
この糸の織り
夫婦愛の歩調次第で
強い絆にもなり
弱い絆にもなる