釣り糸の
浮きの引き込む
川面かな
浮かぬ顔して
竿を手放す
朝霧に
木漏れ日光る
朝顔の
爽やかなりし
親子連れかな
秋の雲
千切れたなびき
薄れゆく
何処に行かん
果ての果てまで
揺れ流れ
木の葉の踊る
多摩川に
夜明け前から
釣り人の影
手揉みする
ハエを真似して
手揉みする
幼子の知恵
愛らしきかな
そわそわと
待つ間の時の
楽しみも
時が来たれば
うたかたの夢
足早に
日暮れて涼し
秋の風
風鈴の音
鈴虫の声
ニコニコと
ブイサインを出す
幼子に
尋ねてみれば
年の数なり
向かい合う
仏の顔の
安らぎに
心鎮める
無心合掌
手を合わせ
何を願うか
幼子の
無邪気な祈り
ほほえましかな