眼の前の
袋小路の先に
誰かが
明かりを灯して
手招きしている
その明かり
凍えた体を
凍えた手足を
凍えた心を
包んでくれた
絡めた手のひらの
指の結び目
凍えたまま
開かないまま
胸に抱いていた
思案に行き詰まると
いつのまにか
袋小路の隅で
知らず知らず
手を合わしていた
寒風に凍えながら
祈る気持ちなど
サラサラなかったのに
胸が痛くなるほど
手を合わしていた
結んだ手のひらに
不思議な温もり
ボーッと感じた
その温もりが…
胸一杯に広がった
元気な子の空の色
青い色に
大きな太陽
だいだい色が目一杯
空色が輝いていた
淋しい子の空の色
こんなに晴天なのに
夕焼け空を描いていた
みんなが側に寄ってきて
何だか、変なの
風に流されて
真っ白い雲が浮かんだ
太陽が一瞬隠れ
川面の空の色
あぁ…水色だ
空色は水色
水色は透明な色
空色は青色
見てご覧、あの空色
さっきの青とは違う
子ども達の絵
思い思いの色
空色がみんな違う
子供の絵が描く
空の色はみんな違う
空色は灰色
都会の子が言った
空色は澄んだ青色
田舎の子が言った
本当はどれなんだろう
子供達が
都会を離れた河原で
絵を描いていた
陽射しが暑く
川面が光っていた
眩しくて
空の色が見えない
誰かが叫んだ
空の色が
真っ白になった