恵那山 標高2056.9m 日本100名山 花の100名山 ぎふ100山 信州100名山 一等三角点
恵那神社➾恵那山(前宮コース:ピストン)
水平距離 15.8㎞
累計標高差 上り1820m 下り1820m
歩行時間 10時間50分
『木曽路はすべて山の中にある』島崎藤村の「夜明け前」の書き出しは木曽路を通るたびに、よく聞かされたが、今は谷の中だと思う。読んだことはないが、日本酒の「夜明け前」は飲んだことがある。登山道は、神坂ルート、広河原ルート、黒井沢ルート、前宮ルートの4本がある。連休中だし、足慣らしもしたいし、という事で、健脚向けコースである前宮ルートを選択。ウォルター・ウェストンが登ったコースというのも魅かれる。恵那神社に前泊準備を整え出発。
2017年5月4日(木)
中央道中津川ICを降りて国道19号線を木曽方面に向かい、信号機『中村』を右折し国道363号線を進み恵那神社の看板が見えたら左へ橋を渡ります。暫く進めば右側にウェストン公園があります。銅像のウェストンはどちらを見ているのでしょうか?
公園を散策します。
シャガ。こんなところに…嬉しいです。
シャクナゲ。花の塊が大きいです。
キュウリグサかな?
オオミズアオ(蛾)。。。強く美しく・・・
恵那神社。ウェストン公園を右に過ぎたら左に曲がり急な細い道を登ります。地元の方の生活道路となっているのでゆっくり進みます。林道入り口ゲートのところで一泊します。神社の駐車場の方が平らで寝やすいと思います。
5月5日(金)
朝4時過ぎに起き、朝食を食べて6:00出発です。
林道ゲートの横には案内が出ています。
登山口までは舗装された道を歩きます。道標が現れたら右方向です。道がありません。
違う意味で本日の最難関個所となりました。川を渡ります。右足が滑りバランスを取ろうと着地したところは川の中・・・靴の中は水に満たされました。ガックリしていると今度は上流からペットボトルが流れてきます。相方が落としたようです。貴重な飲料です。拾わないと私の分が減ります。必死で追いかけ拾い上げます。
対岸に渡り登山口です。気を取り直して先に進みます。ここから対東沢(神明霊神)までは穏やかな森林を登って行きます。健脚向けコースとの事ですが、もしかして楽勝かと思わせるほど、ゆったりと登っていきます。
赤いテープを見て、川を渡ります。先ほどの事を思えば難なく渡れます。
川を渡ると石碑が横たわっています。伊勢湾台風の影響でしょうか。ここからが恵那山の本領。先ほどまでの道とは様相が一変します。
5合目に到着です。この先暫くは左手の斜面が大きく崩れさっています。ここから急登が始まります。
木の間からは御嶽山が見えます。
枯大桧が聳えていました。これは太い。高い。
不動明王が鎮座しています。まだまだ登ります。
一輪草でしょうか。辺りには、いたるところで咲いています。思わず視線を向けてしまいます。夏に向かって様々な花が咲くことでしょう。ここからは木の根が岩を掴んだり覆いかぶさったりと自然の荒々しさを感じながら、果てしなく続くような急な坂を上ります。
気が付くと視界が開けます。
空が広がります。
そして空峠。
恵那山山頂は、まだまだのようです。
物見の松。看板の裏手からの眺望があります。
開けた尾根歩きは気持ちいいです。
行者越。優しそうな顔立ちに癒されます。ここで登山道がなくなっていると周辺に足跡を探します。名前の通りでした。
十四合目 近くには石碑もあります。
空峠の次は空八丁。
まだまだ爽快な景色が続きます。
この辺りからは穏やかな登りになります。
十六合目。
斜面は緩くなってきたのですが、腐った雪との格闘が始まります。深いところは膝まであり、これはもうアイゼンを履いていても意味をなしません。ズボズボとハマりながら進みます。
山頂まであと1.5㎞ 緩やかな登りなのだが、ここからが本当にキツイ。腐った雪を踏み抜かないよう人の踏んだところを選んで足を置くのだが、大丈夫と思い重心を移動するとズボッ。ブブーはずれ~!!何かの罰ゲームのようです。
見上げるのは一乃宮。ソリがあったら下りたい斜面です。
山頂まであと1㎞。500mを20分・・・。
林を抜ければ雪は浅く、景色は爽快です。
お昼少し前ですが、三乃宮社で休憩です。緊急時にとリュックに入れたレーズン入りロールパンを食べます。シャリバテだったようです。出発の時間から考えれば当然です。途中ナッツ類を食べながら登りましたが炭水化物が切れてはダメなようです。休んでいると枯大桧の辺りで先に行かれた方が山頂から戻ってきました。へたばっている私に、あともう少しだよと声を掛けてくださいました。ありがとうございます。
避難小屋は通過し山頂に向かいます。小屋は整備されていました。
五乃宮。
恵那神社本社。
やっとついた頂上。そして楽しみにしていた展望台。
期待通りの展望。展望台には男性の方がいて、ここからは白山まで見えるはずだとおっしゃっていました。避難小屋裏の岩からの眺望はいいよと教えてくださいました。ありがとうございます。
止まった時計で記念撮影。
避難小屋に戻り昼食です。靴を脱いで靴下を乾かします。お昼は棒ラーメンの豚骨味。
準備を整えて出発。避難小屋裏の岩によじ登ります。南アルプスが見渡せます。この眺望があってこそ山頂に着いた事を実感します。
そしてまた、腐った雪道を進みますが下りなので全然気になりません。ブブーはずれ~!!も楽しいくらいです。前宮神坂分岐の注意書きには、安全の確認がとれていなので前宮ルートの通行はご遠慮くださいと書かれていました。今更、別ルートを下る訳にも行かず、気を付けて下山です。家に帰り登山口の写真を拡大したところ同じ内容が書かれていました。確かに五合目付近から部分的には登山道は荒れていたし、なによりえぐり取られてしまった斜面の横は早々に立ち去りたい気分でした。
下る方面が見渡せます。
空峠。刈られた笹に足を滑らせ尻もちをつきます。
不動明王像を過ぎます。さようなら。。
そして、どれくらいの人を見守ってきたのでしょうか枯大桧。まだまだ先は長いです。日が暮れる前にはと別れを告げます。
分岐があります。登りの時は右に進みましたが、その先で合流します。右にそれた登山道は木の伐採などをしていている作業道路のようです。赤いテープが真横に張られていたので折り返すように登りました。道に迷わぬよう配慮して下さったのでしょう。ありがとうございます。
五合目。
対東沢。あともう少し。がんばれー
そして最後の難関の川渡り。落ちてもすぐだからいいかなぁ~
着水せずに川を渡り、ゲートはまだかまだかと舗装された道を下ります。
疲れているせいでしょうか。ピントが合いません。ゴール目前です。
到着。真っ先に登山靴と靴下を脱ぎ新鮮な空気で足を乾かします。この解放感を実感した事で無事に下山できたことに感謝します。コーヒーを落とし、柏餅で一息いれてから帰路につきます。
所々、危険かなと思う個所はあるが、笹は刈られているし道標はある。手を入れているのだろうと思う。途中、大きな石が土から角を出していた。間違いなく人工的に四角く加工されものだ。石碑か何かの台座だと思う。そして少し下ったところには、頭の先端を尖らせたような石が埋もれていたが、形状からして自然石ではない。何かの石像だと思う。今回、この登山道ですれ違ったのは二人なので合計で4名。早く安全が確認され多くの人が足を運ぶことを願う。山頂付近の雪がなければ、もう少しは楽だったかな~。
空峠に空八丁。どういった由来があるのでしょうか。ここからの眺望はここでしか無い絶景です。
行者様のお顔に癒された山行でした。宣教師ウェストンはどのように感じたのでしょうか空想に耽ります。
※ 以下は今回の山行の計画と行動時間および服装についての記録です。あくまで私個人の体力と、よそ見好きな性格によるもので、参考にしてはいけません。計画については、『山と渓谷社』20岐阜県の山(改訂版)を参照しました。
山行工程
【読み方】 場所 着時間 【所要時間 計画時間差:-は短縮、+は遅れ】 (計画時間)
恵那神社6:00 ➾ 登山口6:19【19分 -1分】(0:20) ➾ 神明霊神6:45 ➾ 五合目7:26 ➾ 枯大桧8:26【2:07 +47分】(1:20) ➾ 中の小屋跡の不道明王像8:40 ➾ 空峠9:42【1:02 -8分】(1:10)
➾ 物見の松9:45【0:03 -12分】(0:15) ➾ 行者越9:47【0:02 -8分】(0:10) ➾ 十四合目9:52 ➾空八丁10:07【0:20 ±0】(0:20) ➾ 十六合目10:29 ➾ 一乃宮11:18【1:11 -4分】(1:15) ➾ 前宮神坂分岐11:25【0:07 +2分】(0:05) ➾ 恵那山避難小屋12:05【0:40 +45分】(0:05) ➾ 山頂(一等三角点)12:15【0:10 ±0】(0:10) ➾ 恵那山避難小屋12:30【0:15 +5分】(0:10) ≪≪昼食60分≫≫ 恵那山避難小屋13:30 ➾ 前宮神坂分岐14:08 ➾ 空峠15:26 ➾ 中の小屋跡不動明王像15:50 ➾ 枯大桧15:58 ➾ 五合名16:31 ➾ 神明霊神17:21 ➾ 登山口17:28【3:58 -22分】(4:20)➾ 恵那神社17:50【0:22 +2分】(0:20)
TOTAL(途中休憩含む。ただし昼食時間は含めない)
10時間50分 30分遅れ 計画比 1.03 (計画時間10時間20分)
服装
上アンダーウエア:ナイロン薄手長袖
下パンツ:レインパンツ サポータ
靴3シーズン用
装備 水2ℓ+スポーツ飲料500ml、コッヘル、バーナー、食料、他6㎏.
※ 気温不計測のため記録なし。終始快適 ヤブ漕ぎを想定しレインパンツを履いたが笹は刈られ必要なかったが、結果的に雪対策になった。
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