エドルネ日記

散策、写真、サイクリング、バードウォッチング、神社、地形、料理、手芸、etc

「銀座のツバメ」

2013-09-06 | バードウォッチング

在庫切れでなかなか入手できなかった

「銀座のツバメ」金子凱彦(著)、 佐藤信敏(写真) 学芸みらい社

をやっとゲット。

銀座のツバメ30年間の記録をまとめた本だが

ツバメのみならず大都市に生息する都市鳥の

30年のデータや分析もあり興味深い。

 

ツバメの生態は謎が多い。

幸運にもツバメの大家3年めを迎えた今も

わからないことがいっぱいだ。

この本のおかげで、3年前の疑問が解決した。

2011年7月、荒川でのツバメのねぐら探しのとき

見かけたツバメたちの運動会さながらのスタートダッシュは、

ツバメたちの協同採餌シーンだったのだ。

http://20110513.at.webry.info/201107/article_12.html

  

ツバメのことを端的に表現している文章があったので、

本文から引用させてもらおう。 

「ツバメは、都市を生きる野鳥の中では特異な存在である。
多くの都市鳥が幅広い食性を持っているのに対して、
ツバメは飛ぶ虫だけが餌である。留鳥が多い中で
ツバメは長距離の渡りをする唯一の夏鳥である。
さらに、人目に付く所に泥で巣を作るなど、他の
都市鳥と異なっている。そして都市の環境変化に
敏感な鳥といえる。
 かつて都市化で消えていった多くの夏鳥のように
ならないか、心配になる。」
※p142からの引用
 

ツバメは昔から人のそばで子育てをし、もちつもたれつで

繁殖してきた特異な鳥なのだ。農業離れや農薬の普及で

益鳥としての役割が薄まってきている昨今、ツバメたちの

運命は苛酷だ。

 

p120~121から以下、青字引用。

ツバメをまもるのは地方出身者? 

「子どもの頃ツバメに親しんだ地方出身者によって、

都会のツバメは守られている。この人たちには
”ツバメ=益鳥だから大事にする”という考えがあるが、
今の若い人たちはどうなんだろう」
 
・・・中略・・・
 
「もっと若い人や子どもたちにツバメを
知ってほしい。」
 

本書のこの部分だけは、ちょっと違うと言いたい。

我が家の近隣のケースでは、若い人や子どものほうが

ツバメにやさしい。

春、ツバメの飛来を待ちわびて、「まだツバメさん来ない?」

と聞いてくる小学生がいたり、ヒナの成長を楽しみにしてくれてる

若い母がいたり・・去年聞いた話だが小学校でツバメの授業があるそうだ。

それに比べ、ツバメが益鳥であったことを身を以て知っているだろう

世代の人たちのなかにツバメにひどく冷たい人もいて

今年はとうとう信じられないようなことを言われ、

悩まされた。

ツバメは人の庇護がないと生きていけない。

人を信じ、家先に巣を作り子育てをする。

そうしたツバメと人の今までの歴史や生態、

そして今まさに消えようとしているツバメの現状を

多くの人に知ってもらいたい。

 

この本はツバメのほかに、カラス、キジバト、カルガモといった

よく見かける都市鳥のことも書かれており、

ちょっとした野鳥豆知識が得られる。

巻頭の躍動感あふれるツバメの写真も必見!

サクッと読め、ツバメのみならず、都市部で

これからバードウォッチングをはじめようという人に

おススメ本です♪

 

銀座のツバメ
クリエーター情報なし
学芸みらい社

 


最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは (if)
2013-09-06 13:25:07
こんにちは。if です。
「銀座のツバメ」のご紹介ありがとうございます。
「田んぼの生き物」や「つばめのくるまち」の佐藤さんが共著なのですね。
さっそく購入しました。
それにしてもすばらしい書評ですね。
ゼヒ amazon にもレビューしてください!!
返信する