解放の神学の後退 エドワード・A・リンチ著

解放の神学の後退

エドワード・A・リンチ著


解説
ヴァージニア州ロアノークにあるホリンズ大学のエドワード・リンチ教授が、バチカンが信仰に対する世俗的な大きな挑戦の一部として、解放の神学をどのように扱ったかを説明する。


大きな著作
ホミレティック＆パストラルレビュー


ページ
12-21


出版社
カトリック世論調査社、1994年2月


1960年代から1970年代にかけてラテンアメリカの学者たちによって展開された解放の神学ほど、即座に好意的な注目を浴びて始まった知的運動はほとんどない。この「新しい神学のあり方」に対する注目は、北米やヨーロッパの学者たち、そして多くのラテンアメリカの司教たちから寄せられた。1968年にメデジンで開催されたラテンアメリカ司教協議会（CELAM）の第2回総会において、解放の神学は、グスターボ・グティエレスの1973年の『解放の神学』が英語で出版される前にもかかわらず、その本領を発揮するように思われた。




しかし、それから25年後、解放の神学は知的好奇心の域を出なくなった。北米やヨーロッパの多くの学者にとっては依然として魅力的ではあるが、解放主義者たちが常に言っていた、ラテンアメリカのカトリックを完全に刷新するという主要な使命は果たせなかった。


その代わりに、教皇ヨハネ・パウロ二世に始まる正統派のカトリック指導者たちは、「貧しい人々への優先的選択」や「解放」そのものなど、解放主義者たちが自分たちのために主張していた考えや立場を取り戻した。そうすることで、解放の神学に反対する者たちは、解放の神学を否定することに成功したのである。

Library : The Retreat of Liberation Theology