ことばと学びと学校図書館etc.をめぐる足立正治の気まぐれなブログ

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「大人のための絵本サロン・スペシャル」へのお誘い

2010年07月05日 | 知のアフォーダンス

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 この夏、清里で「読書へのアニマシオン」の手法を使って一緒に絵本を楽しむ「大人のための絵本サロン・スペシャル」を計画しました。

日時:811日(水)13001500

会場:ペンション「リッツイン清里」(山梨県北杜市清里)

アニマドール:青柳啓子さん

宿泊:810日「リッツイン清里」での宿泊を希望される方はお問い合わせください。詳しくは、こちらをご覧ください。http://www.kh.rim.or.jp/~masa-sem/forum/index.htm

 アニマシオンといえば、読書指導の方法だと思っている人が多いらしい。「読書へのアニマシオン」が普及し、その「作戦」を用いてみんなで本を読み合う姿が多くの学校で見られるようになったからかもしれない。結構なことだ。そう思う反面、どこか違和感もある。「教室」で「教師」が「授業」の一環として行う指導(teaching)や教育(education)とアニマシオンは相容れるのか。スキル(指導技術)としての作戦に目を奪われて、総合的なアートとしてアニマドールの技量を磨くことがおろそかにならないか。「アニマシオン」と「読書へのアニマシオンの作戦」を用いた読書指導を同一視することで、何か大切なことを見落としていないだろうか。

「アニマシオン」の意味を、増山均氏の「人間発達とアニマシオン」という文章で確認しておこう。私なりに要約すると、「遊びや余暇や文化活動を通して、面白さ、楽しさを追求していくことで私たちの精神を活性化し、エデュカシオンだけではじゅうぶんに果たしえない人間の成長と発達を助けるプログラム」ということになる。それに加えて、多様な背景をもつ人々を視野に入れた広い意味での異文化交流という側面も忘れてはならないだろう。このようなアニマシオンをベースにすれば、さまざまな場面で多様な読書活動を展開することができる。たとえば、休日の昼下がりに、公共図書館や公民館、書店やカフェ、レストランといった多様な人々の集まる場所を利用して、読書とおしゃべりを楽しむのもいい。そのようなアニマシオンの担い手として、甲府市のイタリアレストラン「ラ・ベッラ・ルーナ」を拠点にして「大人のための絵本サロン」を続けてこられた青柳啓子さんは、次のように語っておられる。「いいことを言わないと、というのではなく、ただ思ったことを発表する機会は、今の時代の大人にあまりないと思う。短い時間でも、発表の中でそれぞれの個性が見え、知らない人同士でもどこか通じ合っていく。別の人の考えを聞くと発見がある。」「絵本だけでなく、例えば星を見て話してみるなど、場を活性化させるためにいろんな場面で活用できると思う。」(「八ヶ岳ジャーナル2009315日)

では、学校という場で、読書を楽しみ人間的な成長を促すことに重きをおくアニマシオンは、どのように展開できるのだろう? たとえば、課外の活動として学校図書館でアニマシオンを呼びかけてみる。すると、その日に取り上げる本に関心をもっている生徒が、学年を越えて集まってくるだろう。何でもいいから、みんなと話し合いたいという子どもも来るかもしれない。子どもたちに交じって先生方にも参加してもらおう、AETや留学生を誘えれば、なおいい。父母や地域の大人に声をかけることも可能だろう。大切なのは、多声が響き合う場を設定し、そこに多様な人々が自らの意思で選びとって参加することだ。アニマドールをつとめるのは、司書でも教師でも、ベテランの経験者をゲストに招いてもいい。いろんな人が関われば、お互いのやり方を見て学び合うこともできる。そこに、教室の授業とはちがった、ダイナミックな学びの場が生まれる可能性がある。

子どもたちの情熱を掻き立てる。(それは、奇しくも、628日に米国教育長官のアーン・ダンカンがAASLの役員との対話の冒頭で述べたスクールライブラリアンにたいする認識ではないか。)その活動の一環として、「読書へのアニマシオン」を学校図書館活動に取り入れることを提唱したい。
 そんな思いを込めて、青柳さんのアニマシオンを体験し、共に学ぶプログラムを計画しました。どうぞ、ご参加ください。


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