ことばと学びと学校図書館etc.をめぐる足立正治の気まぐれなブログ

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ザイラー・デュオ・コンサート、2010秋

2010年10月03日 | マミム・メモ

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 秋晴れの10月2日、京都の日吉町(京都府中部の南丹市)の山里で行なわれた、かやぶきコンサートに出かけた。国際的に活躍するピアニストであるザイラーさん夫妻(カズコさんとエルンストさん)が自らの住まいの隣に作っておられるかやぶき(萱葺)音楽堂で毎年、春と秋に開いておられる手作りの演奏会である。夫妻は、アメリカの議会図書館やベルリン国立図書館など世界中の図書館やコレクターを訪れて、世界各地で未出版や廃版になったピアノデュオ曲の発掘にも精力的に取り組んでおられる。今秋の曲目は、シューマン生誕200年を記念して、「小さな子供と大きな子供のための連弾曲集より」とブラームスによる「シューマンの主題による変奏曲」、そして「愛の歌」、「ハンガリー舞曲」だった。

 かやぶき音楽堂とは、ザイラー夫妻が井県の禅寺(善応寺)から譲り受けて作った迦陵頻窟(からびんくつ)のことで、独特の雰囲気をもつ空間だ。正面には、ガラス戸の向こうに広がる竹林を背景として2台のグランドピアノ、演奏者の後ろにあたる部屋の一角に十一面観音像が置いてある。今回は、その3階席、屋根に沿って張り巡らされた、いわば天井桟敷に陣取った。おかげで、足を伸ばし、ふんわりとした萱のクッションにもたれかかって、ゆったりとした姿勢で、堂内に響く珠玉の音色を楽しむことができた。

 休憩時間には焼菓子とお酒(花泡香)とハーブティーが、コンサートが終わったあとには、ザイラーさんの田んぼで収穫した新米(仏原宝米と名づけられている)のおにぎりが振舞われた。お米は、小粒ながら適度の粘り気があり、歯ごたえもしっかりしていて、ほんのりとした塩味と海苔がお米の美味しさを引き立てている。今年はこの地でも猪による被害があって、例年の半分しか収穫できなかったという。そう聞くと、味わいもひとしおだった。

 午後5時を過ぎた帰り道は、日中は暑かった日差しもかげって、さわやかだった。空一面に広がったうろこ雲のはしっこに傾いた夕日が映えて、ほのかな茜色になっている。彼岸花とコスモスが咲き誇るのどかなあぜ道を駅まで約20分、キチキチという百舌鳥のさえずりを聞きながら。途中の農家で買った黒豆の枝豆とザイラーさんの田んぼで収穫した新米をぶらさげて帰り道は、すがすがしい。

 今日のお昼は、豆ご飯をいただきます。

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