みなさん、明けまして、おめでとうございます。
わたしは今年、6回目の巳年を迎えました。
遙かなる次の巳年や初み空
老いの加速を切実に感じているいまのわたしにとって、身に染みる句です。歌人の伊藤幸子さんによると(盛岡タイムスWeb News 2012年12月19日)、この句は、昭和4年巳年生まれの小沢昭一さんが72歳を迎えた2001年のタウン誌『うえの』に寄せられた句なのだそうです。「おそらく次の巳年には永の眠りに入っているだろう。それでよい」と。そのことばのとおり昨年の暮れに人生を全うされた小沢昭一さんの足元にも及びませんが、その見事な生きっぷりに触発されて、わたしも周りに元気を振りまきながら悔いのない日々を生きてゆこう!と思っているところです。
ところで、「巳年」は「蛇年」とも呼ばれているので、わたしは子どもの頃から、てっきり「巳」は「蛇」をあらわすと思い込んでいて、この二つが結びつけられた根拠は定かでないと知ったのは、ごく最近のことでした。文字の成り立ちから言えば、「巳」は「包」の内側の部分と同じです。「包」は、子宮が胎児をつつむさまを表しているので「巳」はその胎児を表すということになります。そして十二支でいう「巳年」は、植物が成長して種子ができはじめる時期のことを言うのだそうです。(語源由来辞典)
巳年は、五行思想では木・火・土・金・水のうちの火、陰陽思想では陽がきわまって転じた陰とされています。また、仏教では、巳年生まれの守護仏は、普賢菩薩。知恵の文殊菩薩とともに釈迦をささえ(釈迦三尊)、大いなる慈悲をあたえてくれるとされています。
年の始めに、大いなる慈悲に包まれて生かされている自分をあらためて見つめ直しているところです。
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