拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

砂山の調査報告

2024-04-11 10:27:21 | 音楽

某子さんがピアノを弾くというので中澤和駒さんのテノール・リサイタルを聴きに行ってきた。ゲストのヴァイオリニストはタイの人。テノール氏の舞台上のトークによると、テノール氏はオーストリアに20年住んでて、そこでヴァイオリニストさんと知り合って、タイに移住して、その間ヴァイオリニストさんと結婚されたんですね、今、ご夫婦だっていうから。

歌は、日本語やドイツ語やイタリア語の歌曲、オペラアリア等々盛り沢山。ゲストさんによるヴァイオリン・ソナタ(ベートーヴェンの「春」他)もあったし、某子さんのピアノのソロもあった。どれも、とても良かった。横野君は、ピアノのソロが良かったと言ってた。ヴァイオリンのソナタにも影響されたみたいで、ヴァイオリンを引っ張り出して「春」ばっかり練習したら5年後にはできるかな?とか言っている。大丈夫?5年後にって話が山ほどあるけど。

その日本語の歌の中に石川啄木の詩に越谷達之助が曲をつけた「初恋」って歌曲があるんだけど、この歌「砂山の」で始まる。最近、「DUNE砂の惑星」のPartⅡを見たり、昔のNHKの紅白でミーシャが砂漠から歌う様子が生中継された古い録画を見たりしてて「砂」に敏感になってる私だからこの「砂山」が気になった。どこの砂山のことなんだろう?国内の砂漠なら鳥取砂丘だろうか?帰って調べた。以下、それも含めた「砂山」「砂丘」「砂漠」についての調査報告です。

「初恋」の「砂山」は、函館の大森浜らしい(鳥取砂丘ではなかった)。昔は、それこそ「砂山」と呼ばれるほど高かったのだけれど、その後削られて、今でもきれいな砂浜はあるんだけど、「山」ではないらしい。

タイトル自体が「砂山」って歌もある。詩は北原白秋で、「向こうは佐渡よ」と言ってるから、鳥取砂丘の可能性は最初から消えていた。新潟の寄居浜なんだと。ここも、川からの砂の供給が減ったせいで、もはや「山」とは言えないらしい。歌は、中山晋平と山田耕筰がそれぞれ曲をつけたものが有名。

因みに鳥取砂丘は、その存在は学校で習ったけど、言っても国内だからたいしたことないんでしょ?と思ってたら、ブラタモリを見て、まっこと立派な砂漠であることを再認識した。

最近の私の脳内を砂漠だらけにした張本人(作)はヴィルヌーヴ監督の映画「DUNE砂の惑星」。そのロケ地の一つはヨルダンだって。

じゃあ、デイヴィッド・リンチ監督の旧作のロケ地は?分からない。だって、今「DUNE砂の惑星」でググると出てくるのがヴィルヌーヴ監督作ばかりだから。

「DUNE砂の惑星」の原作小説はスターウォーズにも相当に影響を与えている。その一つが砂漠。スターウォーズでルーク・スカイウォーカーの、ひいてはその父アナキン・スカイウォーカー(後のダースベイダー)の故郷である惑星タトゥイーンには広大の砂漠が広がっていた。そのロケ地はチュニジアのタタウィヌ(タターウィーン)ってとこだそう(サハラ砂漠の東端)。「タトゥイーン」はここからとった名前だったんだね。因みに、スターウォーズの惑星タトゥイーンには太陽が二つあるけれど、「DUNE砂の惑星」のアラキスには月が二つあります。

昔の紅白でミーシャが砂漠で歌う姿が生中継されたけど、その砂漠はナミビアのナミブ砂漠(アフリカの南西の海に面した地域)。あまりに砂の黄色が原色でまぶしくて、逆にセットの中のようだった。唯一、強風でミーシャの衣装がそよいでいたことで屋外だってことが分かった。

今、「DUNE砂の惑星」の続編を読み終わって、続続編を読んでるんだけど、ここでは、なんと砂の惑星であるアラキスの緑化が進んでいる。デイヴィッド・リンチ監督の旧作のエンディングで砂漠に雨が降ってたけど、これって、このあたりの話を先取りしてたんだなー。因みに、鳥取砂丘も、昔はもっと大きかったんだけど、灌漑が進んで今の大きさに縮小したそうな。ブラタモリで知りました。あと、和歌山城の西側の海に面したあたりも昔は砂丘だったそうな。これもブラタモリ情報。因みの因み、私の母は和歌山出身なんだけど、私、和歌山に行ったことがない。

「DUNE砂の惑星」で重要な役回りを果たすのがメランジ。砂漠でとれる架空の香料で、「不老」「予知能力」の効能がある。終演後のサイゼリヤで注文したアロスティチーニ(ラムの串焼き)に付いてたスパイスがこのメランジに思えた私はかなり病気です。



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