有名なメトロポリタン美術館の分館、中世美術部門がここです。Manhattanの最北の小高い丘に、ひっそりと建っています。
中世の修道院の回廊（cloister）を再現した建物に中に、中世の彫刻、織物などの貴重なコレクションが展示されています。建築彫刻も見ごたえがあります。新しい国の巨大な都会の隅に、こういう美術館がひっそりと存在していること自体に興味を持って、初めて足を運んでみたときは、とにかくセントラルパーク以北になると、地下鉄に客はいなくなってしまって戸惑ったものでした。
そして、かつて砦があったという丘の道を進むと美術館の建物が。
一番最初に来たときは、とにかく、美術館のコレクションを鑑賞するよりも、なにか別世界に来てしまったような不思議な感覚に、頭がぼんやりしてしまったものでした。更に、展示品の中で最も有名なユニコーンのタペストリーが修復のために展示から外されていて、それも残念なことでした。しかし、この美術館の持つ不思議な魅力に囚われてしまいました。
とにかく、最初はそんな印象でした。
そして月日がたって、知り合いになった地元の学校の英語指導助手、アメリカ人出身のA先生はバリバリのNew Yorkerで、なんと…かつてクロイスター美術館で働いていたと言うではありませんか。私がクロイスターズの話をすると、とても嬉しそうに聞いてくれ、またいろいろな「裏話」も教えてもくれました。近くの小道には遺体が捨てられていることが何度かあったとか…（？）
「私が行ったときはユニコーンが観られなかった。」と言うと「それを壁から外して修復のために本館へ運んだのは僕だったんだ。」なんて…。不思議な縁ですね（笑）。A氏自身も「日本へ来て『私もニューヨークに行ったことがありますよ』という人にはたくさん出会うけど、クロイスターズに来たというのはあなたが初めてだ。実際、僕がいた時も日本人はあまり来なかったけどね…」などなど話は弾みました。そのうちに、最寄の地下鉄駅でエレベーターの係りをしていたヒップホップズなお兄さんの話とか、美術館のガードマンさんの話とか…私も覚えている人たちのちょっとした面白い話でも盛り上がりました。このA氏は現在、アメリカで別の仕事で活躍しているはずです。
そんなわけで、私には特別な思い入れのあるクロイスターズ。
今回は5年ぶりに足を運びました。
まずGrand StからWest 4へ行き、そこで（有名な）Aラインに乗り換えます。これは「A列車で行こう」でも知られているハーレムへ向かう急行列車なのですが、休日は各駅停車で運行しているようです。昔のように、100丁目あたりで客がいなくなるどころか、家族連れや若者たちの話し声でいっぱい、全く普通の地下鉄の光景でした。
190丁目駅は少しきれいになっているよう。
最初に来た時は、むき出しの鉄骨の階段を上り下りしなければならなかった。エレベーターも改装されて自動になっていました。
駅を出るとFort Tryon Parkの表示があります。
ここからはマンハッタンの町並みは下方に見えます。
見えるのはInwoodと呼ばれる地区だと思います。
原生林とかもまだ残っている地区らしいです。
足を踏み入れたことはありませんが。
ここから美術館までしばらく歩くことになります。
休日なので、子どもたちのイベントが行われたりしていました。
ハドソン川の対岸がNew Jerseyです。
ここも静かなところです。
肌寒い日が多いからか、花はまだ多くはありません。
やがて、クロイスターズ美術館が見えてきます。
クロイスターズの展示品については、また別記事にします。
特に、ユニコーンのタペストリーは様々なシンボリズムが隠されており、興味をかき立てられます。
帰りは、美術館の前から運行しているバスに乗りました。
地下鉄のチケットが使えます。バスであれば、自分の足では歩きにくい地区の佇まいを観ることができます。ただ、市の中心部に入ると、ラッシュに巻き込まれるのは必至なので、適当な場所で降りて、地下鉄に乗り換えるのが賢明な選択です。
今回もコロンビア大学近く（Broadway 115丁目あたり）で下車。
そこからは地下鉄に乗り換えます。
とにかく日曜なのでここも人出は多いみたい。
しばらく行くと…このレストランに出くわします（キターー！…笑）
しかし、今日はかなり混んでいそうなので、平日に行きますよ～
