この作品、すっごい!
やっぱり有川さんの下調べの綿密さは大好きだ。
今回のテーマはなんて言うのかな、今のだっめだめな若者が何か掴んでいくって言うか……うーん。
とにかく、今回は主人公誠治のお母さんが精神病にかかってしまったことから始まる、フリーター誠治の一念発起のお話であるのだっ!
お姉さんが重度の鬱病になって苦しんでいる理由を知っているからこそ、激怒する姉。
頑なな調子を崩さない父。
母の病気を『心が弱いせいだ』と一喝。
土木工事現場の粋なおっさんたち。
なんか全てが良すぎて仕方ない作品だった。
お姉さんの悲しみが一番ぐっときた。お母さんが幸せだったなら、『自分たちなんて生まれてこなくてよかった』とそう言い切って泣きわめいたお姉さん。
父親は自分のせいで町内の人からお母さんがいじめを受けてたことも知らず、忠告も無視した。
お母さんは自殺未遂をした。
『自分が悪い』そう言って。
ようやく父が自覚した。
『危ない状況』だと。
ここまで来るのに凄くやきもきした。読者の私が悔しかった。
……思い出したら泣けてきた。
この作品は是が非でも一読くださいっ!
2010/01/03読了。