ガラクタな部屋

音楽を古いガラクタ製品で聴いています

Technics SU-9070II(70AII)

2024-09-14 | プリアンプ

メンテナンスの依頼を受けました。この時代に流行ったDCアンプで新開発の低雑音トランジスタM47Lを使用したカレントミラー方式プリアンプでMC PRE.PHONE EQUALIZER, FLAT AMPという構成で新品のアンプの時は良いのですが古くなってバランスが崩れるとDCアンプはいろいろなところに問題が発生しやすく修理が厄介です。

フロントパネルに目立つ傷はありません。「左は音が出るが右はノイズだけ」という状態のようです。チェックしましたが左も周波数特性や歪も多くけっこう壊れているようです。特にR側は結構なDC電圧が出力に漏れていて完全に壊れています。アンプとスピーカーが壊れなくてよかったです。

リア側 RCA端子は磨いてあります。PHONO端子がMC含んで3つもあります。

上蓋を開けてみました。このアンプも以前に修理かメンテナンスを受けているようです。プリアンプにしては電源トランスが大きいです。なんとなくレイアウトがYAMAHA C-2に似ているような気がします。ちょっと見ると電解コンデンサーが膨らんでいます。液漏れが無ければよいのですが。すべてのトランジスタを取り外してチェックします。

以前にランプが切れたようで新しいランプに交換されていましたが接続部分の電線の銅線がむき出しになっていたのでショートを防ぐためにやり直しました。

イコライザ回路の出力トランジスタは真っ黒です。

ボリューム&バランスを取り外して洗浄します。これ1つで5KΩ,2KΩ,50KΩのボリュームです。こんなボリューム代替えないですよね。

入力切替SWを外します。

SWは真っ黒です。これでよく音が出ていたと感心します。洗浄して接点グリースを塗布します。

SUBSONIC SWも清掃します。

MODE切り替えSWも分解清掃します。こちらも真っ黒で溶けだしたグリースでベトベトです。

低雑音トランジスタM47L 自社開発なので代替品が無く壊れていたら大変でしたが大丈夫なようです。トランジスタを外しバランスが良い組み合わせを選んで組みなおしました。その他のトランジスタもべストなペアを選んで組み合わせました。

低雑音デュアルFET NECμPA63Hが壊れていましたのでバランスを考えて左右共交換します。

電解コンデンサーが液漏れをしています。コンデンサーについている白いのは基盤の塗装面です。

基板の裏側の液漏れ部分をアルコールで清掃し新しい電解コンデンサーを取り付けました。どうやら銅箔面は大丈夫だったようです。

あやしいリレー(HB2-DC24V)を取り出してチェックすると接点が汚れていて導通抵抗が高いので分解清掃しました。

特性のそろっているNECμPA63Hを購入

DCバランスが取れないので調べると調整用VRが黒くなっていたので交換

交換部品 電解コンデンサーは主電源以外を全部交換。

L,R=AUX 100Hz

L,R=AUX  10KHz

L,R=PHONO MM 1KHz

L,R=PHONO MC 1KHz

修理終了 発熱するところの電解コンデンサーは熱に強い105度タイプを使用しました。

完成 残留雑音 L= AUX 0.065mV R= AUX 0.05mV  周波数特性 L,R= AUX 5-120KHz -1db 

プリアンプですが終段のトランジスタは発熱しますので放熱用スリットを塞がないようにします。。使用にあたってはプリアンプ出力はDCではなくNORMALを使用するようにしてください。

Pri out/rec outプッシュスイッチはスライドスイッチまで長いケーブルで接続しており、スプリングの劣化かケーブルの中を動く部品の劣化なのか押すときは問題ないのですが戻るときに動きが鈍いです。(まあ普通押さないでしょうけど)

システムに入れて試聴中 PHONOはDL-103しかないのでMC入力で試聴。プリアンプの出力インピーダンスが低いのでパワーアンプへつなぐコードも長くて大丈夫です。

 

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Technics SU-9070(70A)6台目

2024-03-20 | プリアンプ

SE-9060とSU-9070のメンテナンスの依頼を受けました。

前面 全体的に錆があります。電源ランプは切れています。チェックすると動作がおかしいです。全体的に発振気味と左右でのバランスがおかしく周波数特性もおかしいです。

裏側 RCA端子は汚れているのできれいにします。

カバーを取ったところ。

基盤裏側

フロントパネルを取ったところ。つまみが錆で固着してなかなか取れなくて無理やり取りましたがその時パネルに少し傷がついてしまいました。m(_ _)m

プラスチックの部品が外れていたのでボンドで取り付けました。

入力切替スイッチ 真っ黒です

アルコールで洗浄して接点グリースを塗布しました。

ボリュームは洗浄しました。

つまみはヒビや欠けがあったので修正しました。

怪しいハンダはやり直します。

リレーは分解清掃

スイッチが曲がっていたので修正

スイッチは分解清掃 グリースが溶けてドロドロ状態です。

清掃中

清掃後 接点グリースを塗布

修理終わり トランジスタは全部チェックし差動回路のペアを組み直し電解コンデンサーは全て交換しました。(一部オーディオ用使用)

交換した部品

AUX 100Hz

AUX 10KHz

PHONO 1KHz

完成 残留雑音 L,R=0.025mV  周波数特性 6-80KHz -1db

SE-9060とSU-9070

Technics SL-1300+Technics EPC-270D+SE-9060+SU-9070+YAMAHA NS-451+JBL 4343で試聴中 回路がシンプルなので自然で滑らかな音という感じでパワーアンプは左右独立電源なので低域のセパレーションが優れています。雑音も少ないので安心して試聴できます。

 

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Kencraft GP-830 プリアンプ

2023-12-14 | プリアンプ

Kencraft GP-830の修理メンテナンスの依頼がありました。
Kencraft GP-830は1972年に発売されたプリアンプのキットモデルで価格は24,800円でした。他にはパワーアンプキット GM-820 34,800円と4chデコーダーアンプキット GF-802 24,800円があり通産省認定のグッドデザイン商品となっています。

当時のカタログ

前面は比較的きれいです。

裏面は錆によるものか白くなっていますので後で目立たないように磨いておきます。

ヒューズ(1A)は切れていませんでした

カバーを取ったところ。中々良い構造をしています。電源回路や切り替えスイッチ部分は高級プリアンプのようにちゃんとシールドがされています。内部のはんだ付けも私より上手です。

フロントパネルを取ったところ。

切り替えスイッチはスプラインが切ってあるのにこのつまみはねじ止めになっています。つまみを変えてあると思いきや純正のようです。

基盤は各部に分かれていてコネクタに差し込む方式になっています。

電源回路は変更してあるようで三端子レギュレーターLM317Tを使用してあります。このレギュレーターの放熱器とコンデンサーのバンドの金具が近くてショートしそうだったので取り付け位置をずらしました。出力電圧37Vですが正規の電圧なのかな?

このアンプは全て日立の2SC1345を使用しています。このトランジスタは日立のエピタキシャル・プレーナートランジスタでLTP法で作られた低雑音トランジスタでCobも小さく当時のアンプのほとんどに使われていた有名なトランジスタで今はありません。
トランジスタの足がみんな真っ黒ですが全てチェックすると特性がみんな揃っていてどうやら使用頻度は少なかったようなので汚れを取って使用します。(今販売している2SC1345は中身が全然違うようで使用するには注意が必要な気がします。)

切り替えスイッチは真っ黒でしたので清掃し、接点グリースを塗布しておきます。

こちらのスイッチも分解しましたが汚れていなかったのでそのまま使用します。

スライドボリュームは分解清掃します。

綿棒でこすると真っ黒です。きれいに清掃して接点復活液を塗布しておきます。

音量ボリュームは分解すると内部のプラスチックの一部が欠けていたので上下を反転して使用します。どうやらボリュームを一番絞ったときに力がかかるのでそれで壊れたのかもしれません。

基盤修理完了(一部オーディオ用使用)

ハンダの補正と接点の清掃

交換部品

組付け このアンプはプリアンプですがシールド線を使用していません。キット製品としてトラブルを防ぐためでしょうか?

AUX 100Hz

AUX 10KHz

PHONO 1KHz

完成 残留雑音 L,R=0.1mV  周波数特性 12-50KHz -1db

試聴中 2SC1345のカチッとした音質です。ボリュームは少し「ガリ」があります。この時代のアンプは感度が高くプリアンプの出力が大きくなりがちなのでメインアンプのボリュームで少し絞って使用するとプリアンプの雑音が目立ちません。

 

 

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YAMAHA C-6プリアンプ 3台目

2023-09-11 | プリアンプ

電源が入らないジャンク品を8,800円で購入しました。このC-6はピュアカレントサーボアンプを採用しているプリアンプで、MCヘッドアンプもDual FET 2SK146を使用していて個人的に好きなアンプです。

外見は傷、スレ、ほこりが多いです。倉庫に放っておかれたもののようです。つまみは全部ありますが所々小さな塗装の剥がれがあるのであとでマジックの黒で目立たないようにします。スイッチ類は全部動作するようです。YAMAHA C-6は外見にはお金をかけずに中身は手を抜かないで価格を抑えたプリアンプという感じでしょうか。

上面 汚れはタオルで拭きましたが傷が多めなので後で塗装しておきます。

後ろ こちらは特に問題はなさそうです。RCA端子は磨いておきます。

カバーは何回か開けたのかネジが少しなめています。

ヒューズは4本とも切れていませんでした。ヒューズ抵抗も切れていませんでした。

フロントパネルを外したところ けっこうほこりがたまっていました。

電源が入らないと思った原因はランプが切れていたのが原因のようです、

フロントパネルはクリーナーで拭いたのですがクスミまでは取れなかったのでコンパウンドで磨きました。

電源回路のTRを外します。 ヒートシンクに熱による変色が見られます。YAMAHA C-2,C-4の時も電源回路の温度が高かったような気がします。2SD476Aは少し消耗していましたがグリスを塗布しそのまま使います。

フロントのサブパネルを外します。

裏蓋を外します。

スライドVRを分解清掃します。

その他のVRも清掃します。

スイッチを外します。

分解清掃後接点グリースを塗布します。

プッシュスイッチは分解しましたがきれいでした。

MCアンプ用2SK146 中身は選別した2SK147が2個入っています。

電源スイッチのLEDは最初赤色LEDにしましたが赤く光る大きなボタンは違和感があったので電球色LEDに黄色のキャップを付けてました。

交換部品 電解コンデンサーは全部交換、調整用VRも全部交換、消耗しているTRを交換しました。電解コンデンサーは足の腐食が見られVRは黒くなっていました。TRは左右でバランスが合うように組み合わせ直しました。

組み立て後調整 電源電圧は25Vに調整、EQ,FLATアンプのバランス調整、ヘッドアンプの20KHz歪調整(アンプが低歪(0.02%以下)なので私のCR発信機と歪率計では調整できなかったのでVRは真ん中にしました。)

調整終了 電源ランプは黄色になっています。残留雑音L,R=0.01mV 周波数特性(AUX) 7-300KHz -1db

L,R=100Hz

L,R=10KHz

L,R=1KHz (PHONO-MM)

L,R=1KHz (PHONO-MC)

このヒートシンクが熱くなります。70℃ぐらいになります。

DL-103+C-6+P2050+NS-451で試聴中 FETヘッドアンプはバイポーラトランジスタと違って柔らかい感じの音がします。

 

 

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YAMAHA C-4プリアンプ2台目その3

2023-05-25 | プリアンプ

とりあえずヘッドアンプはダメなので2SB737,2SD786を取りはずします。このC-4アンプは方チャンネル4パラ接続してあります。皆さんご存じのように雑音はパラ接続すると減少していき、一般的に2パラにすると雑音レベルは1/√2になり、4パラにすると1/2になります。1976年発売のFIDELIX社のLN-1ヘッドアンプはこの2SB737,2SD786を方チャンネル10パラで-157dbV(等価雑音抵抗5Ω)という数値を出していました。

ガラクタ箱には2SA970BL.2SC2240BL(オーディオ用低雑音) 2SA872AE,2SC1775AE(オーディオ用低雑音) 2SA1015L-GR.2SC1815L-GR(汎用品低雑音)があるのですが今回は2SA1015L-GR.2SC1815L-GRを使用してみたいと思います。2SA1015L-GR.2SC1815L-GRは2SA1015.2SC1815のローノイズタイプで秋月電子から20個100円(1個5円安い!)で購入したもので本物は東芝製品なのですがどうもこれは違うようなきがしますが・・・。

拡大したらUTC A1015L-GRと書いてあります。どうやら台湾のユニソニック テクノロジー株式会社の製品のようです。この会社はICをメインに製造している電子部品の会社のようです。特性のそろっているTRを組み合わせましたがどれも特性がそろっていてペアを組むのが楽でした。

L,R=100Hz ふらつきも無くなりました。

完成 ヘッドフォンVRは分解清掃しましたのでだいぶ良くなりましたがバランスVRは分解できないので少しガリが残りましたが普段はセンターで動かしませんのでこれで良しとしました。

消費電力を計ってみました。規定値より少し減りました。

ヘッドフォンで試聴中 本格的な回路なのでなかなか良い音です。

DENON DL-103で試聴

試聴中 ノイズも少なく音も問題ないようです。2SA1015L-GR.2SC1815L-GR(汎用品低雑音)でも問題なく使えそうです。

 

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YAMAHA C-6 プリアンプ 2台目その2

2023-05-22 | プリアンプ

アナライザの調子が悪かったのでMCヘッドアンプの調整をし直します。

C-6はMCアンプをこのDual FET 2SK146だけで行っています。VRを調整して20KHzの歪を最小にします。

ついでにAC点火のランプをDCにしてランプをLEDにしました。

 

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YAMAHA C-4 プリアンプ 2台目その2

2023-05-21 | プリアンプ

ボリュームは取り外して洗浄しました。緑青が出ていたので完全には治らないかもしれません。

スイッチ類は取り外して清掃します。密閉型のプッシュスイッチは汚れが無いのでそのまま使用します。

分解すると緑青が出ていたりグリスの汚れ?がこびりついているのがありこれでは接触不良になりますね。

綿棒でこすると真っ黒です。

スイッチの延長用シャフト プラスチックが割れていたので針金で補強後ボンドで固定しました。

メインボリューム MATSUSHITA製こんなボリュームは手に入らないですね。

壊れていた2SD786 他の2SB737,2SD786も少しノイズがあってダメなようですが・・・とりあえず4パラを3パラにしておきます。このTRはベース広がり抵抗rbb'が4Ωという驚異的なローノイズTRで低雑音として使われている日立2SC1775Aがrbb'600Ωなので桁違いの性能です。

電源電圧30V、DCバランス、MCヘッドアンプ歪調整をして修理完了 
整備後 残留雑音(出力にもVRが入るので低雑音) L,R=0.002mV  周波数特性 L,R=5-200KHz -1db

交換部品

L,R=10Hz

L,R=100Hz

L,R=10KHz

L,R=100KHz

MC入力 1KHz

電源の赤いランプは目障りなので青色LEDにその他は緑色LEDに

システムに接続 

試聴中 DENON DL-103で試聴 DL-103は0.3mV(1KHz)なのでMCヘッドアンプの利得の減少による音量低下は問題ないようです。音は問題ないような感じですがアナライザで見ると低域が不安定なようです。バランスボリュームとヘッドフォンに「ガリ」がありMCアンプに問題ありという感じです。

 

 

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YAMAHA C-4 プリアンプ 2台目

2023-05-20 | プリアンプ

通電確認、動作未確認のジャンク品が出ていたので14,400円で購入しました。1978年発売で当時の価格は98,000円というものです。45年も前のアンプですがこのころは各社気合が入っていました。このC-4はカレントミラーカスコードブートストラップ回路を使用したイコライザとフラットアンプにMCヘッドアンプが入ったプリで150個以上のTR,FET,ICを使用しています。

前面 汚れ方が尋常ではないような気配が漂っていていかにもジャンク品という感じです。つまみは動きますがスイッチ関係は押しても戻ってこないのもあり動きが鈍いです。電源を入れてチェックするとPHONOからものすごい雑音がします。又、L,Rから音が出ないときがありジャンク品で間違いありません。

裏側 歪んでいるような感じがします。

アース端子がありません。それにへこんでいます。

下面 なんかおかしい感じ

筐体をよく見るとなんか歪んでいる感じがします。このアンプも捨ててあったような気がします。・・・以前メンテナンスしたONKYO Integra P-306Rと同じような感じがします。

アース端子はガラクタ箱にあった端子を付けますが歪んだ面を引っ張り出して何とか平になるようにしました。

下面を取ったところ。このアンプも上下逆さまです。このアンプもけっこう発熱するので何の意味があって熱のこもる構造にしたのか聞いてみたいです。

カバーを取ったところ

ヘッドフォン回路とターンオーバー回路。本格的なヘッドフォンアンプ回路が入っています。

定電圧回路  フラットアンプ けっこう発熱します。このプリは出力インピーダンス330Ωと低くて強力です。少しでも発熱を減らすためランプはLEDに変更します。ランプの電源は-12V(+電圧ではない)80mAですがLEDは8mAの消費なので1/10の消費電流になります。

ファンクション切り替え回路 フォノイコライザ回路。

MCヘッドアンプ用に開発された超低ノイズTR ROHM社エピタキシャルプレーナー型2SB737,2SD786 これ壊れていると代替えトランジスタがありません。これYAMAHA C-2aと同じ回路です。(YAMAHA C-2はYAMAHA独自のIC NE-06002を使用)

モードスイッチ 金具が錆て動きが悪かったのでシリコングリースを塗布しました。保管状態が悪かったようです。

整流回路とトーンコントロール

トランスは結構大きく小型のパワーアンプぐらい大きいです。

シャーシが歪んでいるので矯正しました。このアンプは放り投げられたのでしょう。

 

 

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ONKYO Integra P-306R

2023-03-29 | プリアンプ

ONKYO Integra P-306R
ONKYO Integra P-306Rの電源が入るジャンク品が15,000円で出ていてあまり購入する気がなかったのですが誰も入札しなかったので落札してしまいました。「スーパースタビライザの採用で、音の純度と分解能を飛躍的に高めたスーパーサーボインテグラル方式のプリアンプ。」という何を言っているのかよくわからない製品です。本来なら同じメインアンプとスーパーサーボコード?を使って繋がないと性能は発揮しないのかもしれません。この時代、コードによる音の変化というのが流行していたようですがRCAコードの抵抗やインダクタンスをサーボ技術により改善するという考え方がすごいです。
整備後 残留雑音 L,R=0.015mV   周波数特性 L,R=5-70KHz -1db

前面 目立つ傷は無いようですが電源SWは押すと戻ってこなくPHONO切り替えSWは押しても反応が無くファンクション切り替えSWは空回りして切り替えできず、足は傷んでいて水平にならずランプは切れているのがありボリュームは「キギー」と音がします。まあジャンク品ですからしょうがないですね。失敗したかなーこれなら5,000円ぐらいだろうなー。

私も出品の写真をよく見なかったのですがケースは錆だらけなので後で塗装しないといけません。これではだれも入札しませんね。

後ろ こちらはそれほど錆は目立ちません。

ケースに何かの管理シールが貼ってあります。

ケースを取ったところ 何か厚い黒い板があります。

裏蓋を取ったところ へこみや傷があるので叩いて平らにします。このアンプは危険物として捨ててあったのを拾ってきたのかな?。

厚くて重い板を外しました。「重量約3kgのスーパースタビライザは、シャーシ構造材として全体を強化すると共に、重量化で耐振性が向上しており、各プリント基板をこのスタビライザにがっちりと固定する事で、内部吸収効果で基板自体の振動を抑えています。また、スーパースタビライザは特殊なカーボン粒子による導電層から形成されており、空間電荷の均一化が測られ部分再結合を少なくしているため、純度の高い再生音が得られています。」と説明書には書いてありますが何を言っているのかさっぱりわかりません。

中身は以前使用していたIntegra P-306とそっくりというか同じのような気がします。使用してあるTRは若干新しいのを使用していますが回路的に同じような感じです。

フロントパネルを取ったところ。 電源SWが戻らないのはフロントサブパネル取付位置がずれていてフロントパネルと合っていなかったからでした。どうやらこのアンプを放り投げた時にずれたのかもしれません。それで裏蓋がボコボコだった理由がわかりました。

電源回路のコンデンサーが腐食しています。

裏側 半田の怪しいところはやり直します。基盤をよく見るとIntegra P-306の基盤そのものを使用しているようで回路もほぼ同じでどちらかというとコストダウンをした感じでその代わりに厚くて重い板を中に入れてアンプ全体を重くしたというような気がします 

メインボリュームは分解できないので洗浄します。各ボリュームは手抜きしていなく品質の良い製品を使用しています。

こちらのボリュームも洗浄します。

SWは分解清掃し接点グリースを塗布します。

PHONO切り替えSWは分解しましたが密閉型なので中はきれいでした。

電源回路のTRにグリースがついていなかったので塗布しておきます。

100Hz

10KHz

修理終了。

交換部品 DCアンプなのでコンデンサーは少な目です。

終了 ランプが切れているとことはLEDに交換しました。

DENON DL-103で試聴

アンプはノイズやガリも無く作動中 プリアンプにしては重さが9.5kgあり重い感じです

システムに入れて試聴中 YAMAHA C-6と比べて特に変わった所はありませんが強いて上げれば低音の出方が少し違う感じです。C-6とは年代も同じ価格も同じ回路も似ているところが多いので出てくる音は同じような感じになってしまいますよね。

 

 

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YAMAHA C-6 プリアンプ 2台目

2023-03-11 | プリアンプ

YAMAHA C-6 プリアンプ 2台目
「電源のみ入るのを確認」という製品が出ていたので10,585円で購入してみました。いわゆるジャンク品ですね。
YAMAHAはC-2,C-4と中の基盤が上下逆さまに取り付けてある特徴的なアンプでしたがようやくこのC-6で基盤が正常な取り付けになりました。このアンプはピュアカレントサーボアンプ方式のDCアンプ構成でこの時代の流行りの構成です。
整備後
残留雑音 L=0.007mV  R=0.012mV (測定器の限界近い値です。)
周波数特性 L,R=7-300KHz -1db   (発信機の限界近い値です。)高域が伸びすぎているので少しカットしたほうが良いかも・・・

フロント 汚れはありますが目立つ傷はありません。上面は何か落としたようでへこみや傷があります。筐体はYAMAHA C-2のような厚いアルミ板では無く全て鉄板でできていてコストダウンが図られています。状態はランプ類は切れていないようですがプッシュSWが押すと戻ってこない状態のものがあります。

リア 汚れはありますが目立つ傷はありません。RCA端子は全て金色です(金メッキ??)。

カバーをとったところ 基盤が3分割されていてそれぞれイコライザ(ヘッドアンプ)トーン、フラットとなっています。見た感じTRが多いようでまだICが少ないようです。

フロントパネルを外したところ 

サブパネルを外します。

プッシュSWを分解 戻ってこない原因は動作金具の錆でしたのでシリコングリースを塗布しました。汚れについてはこのSWは密閉構造なので汚れはありませんでした。

スライドSWは分解清掃しました。

こちらもきれいにして接点グリースを塗布しておきます。

ボリュームは分解できないので取り外して洗浄し、接点復活髄をごく少量塗布しておきます。

メインボリューム50K(A)も洗浄しますがガリがある場合は交換します。コストダウンでしょうがもう少し良いボリュームを使用してほしいものです。

スライドボリュームは分解清掃します。

半田の怪しいところはやり直します。

この時代の流行りでしょうか、銅板のアース板を使用しています。

RCA端子は磨いておきます。

部品交換終了

完成 調整は電源電圧を25±0.5V  イコライザとフラットアンプのDCバランス調整、MCアンプの20KHzの歪の調整(歪率計が無ければ触らないこと)

交換部品 電解コンデンサーは原則全部交換します。電源回路は105度タイプその他信号回路はミューズ、FGゴールド、ELNA AUDIOなどを使用、その他は標準タイプを使用。

電界コンデンサーは表から見ると問題ないのですが外すと足が腐食しています。プリアンプの場合これが原因でたまに雑音が出ることがあります。

トーン回路をONにするとスライドボリュームが光ります。Defeatポジションがあるので便利です。

10Hz

100Hz

10KHz

100KHz

DENON DL-103で試聴

システムに入れて試聴中 スイッチやボリュームにガリはありませんでした。性能的には素晴らしいのですが大人しい音に聞こえます。(昔OBに「アンプはいくらか発振気味のほうがきれいに聞こえる」??と言っていましたが・・)性能が悪い=派手な音 性能が良い=静かな音でしょうか。

 

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