評価4
第一巻は一介の牢人から美濃国守護・土岐氏の家臣となり下克上を成し遂げ、戦国大名となった斎藤道三の前編。妙覚寺の坊主だった道三は還俗し松波庄九郎と名乗り策謀をめぐらし、京の油商・奈良屋の莫大な財産を乗っ取り、綿密な調査の下、美濃の国を国盗りの地と定めたのであった。
もちろん「斎藤道三」の名は知っていたが、歴史上どのような地位を占める人物なのか詳細を知らなかったので興味津々で読み始める。名が妙覚寺の法蓮房、松波庄九郎、奈良屋庄九郎、山崎屋庄九郎、再び松波庄九郎、ついで西村勘九郎、さらには長井新九郎と変遷しその知略は凄まじい。ことにも女人をたぶらかす手練手管は「胸糞悪くなる」ほどである。
と、いうことで、読んでいて好きになるような人物ではないが、とりあえず先へ進もう(笑)。