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評価3
「点と線」と並ぶ松本清張の代表作。
昭和30年代初頭の金沢を含む北陸路が舞台。
広告代理店の金沢出張所に勤める鵜原憲一は板根禎子と結婚し、本社への転勤にともなう事務引き継ぎのために金沢へ舞い戻ったところで行方不明となってしまうが間もなく断崖絶壁から投身自殺をしていたことが判明。この間、憲一の行方を追っていた兄の宗太郎が毒殺されてしまい、真相究明に乗り出した憲一の勤務先後輩の本多良男も毒殺されて、事件の鍵を握ると思われた女性・田沼久子も自殺してしまう。
新婚早々に夫を失った禎子が地道な調査を重ねて事件の真相に迫る物語。
まだまだ太平洋戦争の跡を引きずっている世相と冬季の北陸の風情が相まって独特の雰囲気を持った作品である。時代背景が古いのと文章の言い回しが硬いのでなかなか話に入り込めない。自殺の場所が断崖絶壁で殺害方法が毒殺ということで「サスペンスドラマの原点」と言えそうだ。
しかし、自分の過去を知られたくない一心で4人の殺害に及ぶとは?
どうも腑に落ちないんだよなぁ~
と、いうことで、モヤモヤ感が残ってしまった。
次は「点と線」を読んでみよう!