評価3
再読(2020年1月25日)。
市野中学の陸上部は秋の駅伝大会で6位以内に入り、連続の県大会出場を狙っていた。しかし、駅伝を走れる選手は部長の桝井、設楽、俊介の3人だけ。あと3人足りない。しかも、春の教員異動でこれまでの顧問の満田先生が他校へ異動してしまったので、駅伝素人の美術が専門の上原先生が新しい顧問に・・・
この惨状を打破するために部長の桝田は精力的に動きだして、不良だけど走ることだけは好きな大田、吹奏楽部でサックス奏者の渡部をなんとか口説き落とし、お調子者のジローまでも仲間に引き入れてなんとか6人を確保。顧問の上原も徐々にではあるが、駅伝のことがわかり始め大会当日をむかえる。
アンカーとなった部長の桝田には実は貧血の症状が残っていたのだが、7位で襷を引き継いで前のランナーを猛追するのだった。
中学生のスポーツ物らしくなかなか清々しい物語。
特に大きな出来事が起きるわけではないが、部活やレースの様子がそれぞれ6人の語りで綴られていて物語に奥行を与えているし、それぞれがそれぞれを思いやる気持ちが伝わって来て「仲間」の関係性の大切さをしみじみと感じさせてくれる良書。
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