
評価4
再読(前回2019年7月12日)。
流人である加賀さまのお屋敷で下働きを始めた「ほう」はある出来事をきっかけに加賀さまとお近づきとなり、書道や算盤の手ほどきをうけることとなる。巷で「悪鬼」と噂されている人物の意外な優しさに「ほう」は心を許し始めるのだが、丸海藩の思惑から自身の先の短いことを知った加賀さまは「この先落雷などで騒動が持ち上がった時には屋敷から逃げ出すこと」と「ほう」の身を案じて命を下すのであった。最大級の落雷にあった「ほう」は屋敷を逃げ出し井上家に辿りついたのだが、かつて世話になった宇佐の死、渡部一馬の死、加賀さまの死をも知ってしまう。
流人である幕府の高官を預かったばかりに町人や役人を巻き込んだ騒乱を引き起こす丸海藩だったが、なんとか策略をようして事を納めてしまうしたたかさには舌を巻く。ま~、雷獣騒動とか、流行病騒動とか、いろいろあったけど、結局は全てこの策略の一環だったわけで、「ほう」はもちろんのこと、井上家の人々や宇佐や一馬など藩の思惑に翻弄された人々があまりにも可哀そう・・・というのが感想。
食中毒事件と茂三郎の死とのつながり・・・は最後までわからなかったので、その辺もモヤモヤ(苦笑)。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます