伝説のみぃーちゃん VOl.1
「伝説の幕開け」
みぃーちゃんは、東北の小さな町の小さな家で長男坊として生まれた。
みぃーちゃんの伝説は、ここからはじまった・・・。
兄弟も伝説シリーズがあるので、どこかで紹介することにしよう。
みぃーちゃんが凄いのは、その精神力と腕力であった。
1歳の時にすでに、距離にして2キロもあるバス停から自宅まで母親と一緒に普通に歩き、暑さと寒さには決して屈しない精神力だったらしい。
足が短いのは、この時に歩きすぎたからだと我々はよく愚痴を聞かされたものである。
3歳の時には、彼のお婆ちゃんと一緒に山梨県の身延山に登頂したことを自慢していた。
とにかく小さいときの話題は、脚力の自慢が多かった。
彼は脚力を自慢していたが、私が驚かされたのは彼の腕力であった。
60kgの米袋を小学校4年生の時には普通に担ぎ、親の手伝いをしていた。
そのせいか、握力と背筋力は半端ではなかった。
大きな木の上にいた、カブトムシを網で採れずに途方にくれていたら、彼が来て素手と足だけでスルスルと上まで昇り、衣服にカブトムシをくっつけて、こんどは下に、すぅーと歩くように普通に降りたのである。
「みぃーちゃん、ありがとう!」・・・。
みぃーちゃんは、そんな腕力でひと夏で数百匹のカブトムシとクワガタを採っていた。
「それ売れば、お金になるんじゃない?」と話しかけても、全くお金には興味を示さなかった。
彼にとっては虫達が、ひと夏の勲章のようであった。
こんな話もある。
小学校1年の頃、こんな光景をみんなが目撃している。
いつもの駄菓子屋の前でそれは突然起きた。
駄菓子屋の大きな秋田犬が、みぃーちゃんの左腿に噛み付いたのである。
左腿が犬に噛み付かれ、血が流れていた。
私は、その光景を目の当たりにし、心臓が飛びでるかと思うほどの衝撃だった。
ところが、みぃーちゃんは、飴を舐めながら、声ひとつあげずに犬をだまって睨んでいた。
犬はすぐに噛んだ腿から口を離し、みぃーちゃんと睨みあいになった。
犬は暫くして、尻尾を振り、みぃーちゃんに近づいて行った。
みぃーちゃんは、飴を犬にあげて頭を撫でている。
犬は、噛んだ腿の辺りを舐めていた・・・。
「みぃーちゃん、痛くないの?」とみんなが心配して聞いたら・・・。
彼は「痛い」と普通に言った・・・。
後でわかったことであるが、その犬の子孫がみぃーちゃの愛犬である黒い秋田犬であった。
住んでいたところでは、犬はみんな放し飼いで、犬が集団になると恐怖を覚えたものである。
今はもちろん、そんなことはないですが。
それ以来、みぃーちゃんはその犬と仲良しになり、彼だけが飼い主以外に手なずけられたのである。
ワンピースというアニメがあり、覇気という技があるが、後にも先にもリアルに見たのは、あの時だけである。
なにせ、集団で犬が駆けてきても、みぃーちゃんを見ると尻尾を振って近寄るか、一目散に逃げるんです。
犬が興奮して吼え、みぃーちゃんに何匹か襲いかかっても、彼が一括すると立ち止まったり、、真ん中を歩いていた犬が視線を逸らして、端を歩き出すのも目撃している・・・。
犬の王様・・・みぃーちゃん・・・。
ところが、その時は、まだまだ彼の伝説には奥があることを知りせんでした・・・。
続く・・・
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