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涼風やさしく

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御嶽山にひとつの想い

2014年10月16日 | 日記

概ね想定の範囲でしたが、標高の高い山々の初冠雪が報じられる中、とうとう御嶽山での年内の捜索活動が打ち切られることが決定したようです。

 

 

 

映像を通して見ていると雪くらいで根性がないと思われそうですが、標高差が高いところでの作業がストレスと相まって高山病発症の確立が異常に高いことも報じられ、精神的にも、肉体的にも既に限界状態であったことがわかります。

 

 

以前、自分の足が泥にめり込んだ状態でどうなるかを説明しましたが、それよりも過酷なのは温度差なのです。

 

自分の体温の急激な低下を無意識にコントロールしなければならないのです。

 

 

作業によって流れた汗も体温を奪います。

 

 

 

油断していると鼻の中は凍り、耳は避けるほど痛くなります。

 

 

対処動員数もこの先の気象変化を想定し、休日返上で緊急的にかき集めた作業だったのでしょうが、ここでも行く手を阻んだものは「自然」という脅威でした。

 

 

 

 

くれぐれも積雪が1cmくらいと考えないでください。

 

標高3000mの山頂付近で一般の我々がどの程度、この時期に居られるものか。

 

居ること自体が本来危険なのです。

 

使命感だけで彼らは身体を動かしていたに違いありません。

 

 

結果として56名が死亡し、行方不明者が7名とのことですが、来年の雪解けを待つしかないという苦渋の決断を強いられ、そこに派遣され捜索に当たった彼らは何を思ったのでしょうか。

 

 

3067mの壁に継続して立ち向かうことが出来なかった彼らの挫折感。

 

 

 

そして不明者7人のご家族方のお気持ち。

 

彼らに私は「よく頑張った」なんて褒め称える言葉は今の時点では言えません。

 

言うことは彼らの存在を否定してしまいそうだからです。

 

来年の雪解け後、不明者のご家族、自分たちのそこにやむなく残してきた“大切な想いを拾いに行く”使命感を決して忘れていないのに、「お疲れ様」と彼らに終わったかのようなことは言えません。

 

 

自分たちが信じてこれまで培ってきたこと、自分の身を挺して国民の命を守るという使命。

 

 

 

それが今回のミッションの結末がどうであったのか。

 

 

彼らにその言葉は一番残酷過ぎるように思えてなりません。

 

 

不明者のご家族と毎日のように約束した言葉が、そこに携わった隊員たちの心の中に絶対に溶けない氷のように、来年の雪解けまで残っているはずです。

 

その言葉の心からの期待に添うよう、来年の春以降、雪解けとともに1日も早く再チャレンジして欲しいと思います。

 

 

それが出来るのは誰か。

 

 

国民の安全を守れるのは誰なのか。

 

 

今の我々に期待できるのは彼らしかいないのです。

 

 

だから今は「お疲れ様」ではなく、「何も言わず黙って頑張れ」という“心のエール”だけを私は彼らに送ってあげたいのです。

 

達成したことで彼らの心の氷は雪解けを迎えることになるのですから。



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