73歳になり、身体のあちこちに不具合が生じて、仕事を辞め隠遁生活(笑)に。
今どき、良くあるはなしです。
で、「絵を描こう」と。
これまでも仕事では美術に関連するものが多かったのですが、
「絵らしきもの」は描いても「何の役にも立たないただの絵」は、
中学以来、ずっと描いたことがなかった。
つまり、説明のための絵解きであったり、設計図代わりのデザインであったり、
完成予想のイメージ図だったりは、ずいぶん描いてきたのですが。あと、舞台の大道具
とか背景画も描いたりしました。
仕事から解放されたのをイイことに、これからは「社会に何の役にも立たないただの絵」
を描いてみたいな、と・・・
幼稚園に上がる前から、絵は描いていたように記憶しています。
クレヨンで新聞の折り込み広告の裏かなんかに、描いていたかな。
技術的な問題なのか紙の質によるものなのか分からないけれど、当時は(1950年代前半)
広告の裏はたいてい白紙でした。
幼稚園でも主な画材はクレヨンでした。鉛筆はすぐに芯が折れてしまって
使いづらいものでした。同様に色鉛筆も折れやすかった。
こどもが力加減を調整できなかったのももちろんですが、当時の鉛筆は今よりずっと
折れやすかったのです。
それに畳に座卓式の当時の生活では、こどもは畳の上に紙を置いて描くことが多く、
鉛筆で描こうとすると紙に穴が開いたりしました。
回転ハンドル式の鉛筆削り器も無く、鉛筆に被せて回す式の簡易な削り器もまだ普及して
いませんでした。使い捨て剃刀の刃を使ったナイフで削るのがふつうでした。
当然、幼児には削らせて貰えず、親か先生に削ってもらうしかありません。
そんなわけで、クレヨンに画用紙というのが、幼稚園でもっとも使われた画材になります。
幼稚園では、こんな絵を描く子が多かったと思います。
こうした絵について、次回で考えてみます。
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