絵日記

「世の中の役に立つ」ものではなくただ「絵でしかない」ものを描いてみたいな、と。

栓のベンチ

2022-09-19 13:56:50 | DIY

ある日妻が、「栓」という厚板に「粉が吹いているよ」と。

厚さ45mmほど、長さ900mm、巾30cmほどの材だったのですが、「両耳付き」と言って、皮とシラタの部分が付いたままの板でした。鉋を掛け平面を出して、木彫の台に仕立てたものです。

機能的には側面は直線の方が使い良いのですが、皮付きの方が面白いと、そのまま使用していました。使わないときは、本棚に立てかけていました。

妻に言われ、よく観察してみると床に粉が落ち、材の途中にも粉が付着しています。皮を爪で叩くとカサカサと脆い音。

これはただ事ではない、とネットで調べると、「ヒラタキクイムシ」という6mmほどの小さな甲虫の幼虫であると分かりました。広葉樹のシラタ(辺材とも言います。樹木の皮に近い白く柔らかな部分です)を食べて成長する害虫だそうです。

材木を立て掛けてあった床をよく見ると、ネットの画像そっくりのヒラタキクイムシの死骸が数個見つかりました。

材木の、小口から少し入ったあたりで切断し断面を見ると1mmほどの穴がたくさん開いていました。「これはやばい」と、シラタを全て削り落とすことに。やってみるとガサガサで粉のように崩れていきます。脆いところは手で潰しただけで崩れました。アトリエ中粉だらけです。(後の掃除が大変だった)

小口に「ヒラタキクイムシころり」という殺虫剤を吹き付け、(便利な世の中でwebで探すと、何でも見つかるものです)赤味の部分の一番狭い幅に揃えて、長方形の板に作り直しました。二回りも狭い板になりました。ネットによれば「ヒラタキクイムシの幼虫は広葉樹のシラタだけを食害し、針葉樹や赤味部分には穴を開けない」とありましたが、一か所だけ赤味にも穴が開いていました。どの世界にも常識破りは存在しますね。

で、この「栓」の板、木彫台として使用してみると「ちょっと柔らかすぎてどうかな」と考えていたところなので、方針を変えベンチにすることに。
作業台としても使えそうです。

楢の板を買い足して、粗どりが終わった状態が、この写真です。

巾の広い厚板が「栓」の天板。その上に重なっている手前の2枚が脚用、細長い2枚が桟になります。

板や道具が載っているのは、これも私が造った作業台。材は欅、天板は80mmくらいの厚みです。作ってからもう40年くらいになるのかな。最初はダイニングテーブルにしていましたが。

 

 

 


名前はまだない

2022-08-24 14:44:26 | DIY

我が家は戸建て3階家です。

一階の端の4畳ほどの部屋を「アトリエ」と呼んできましたが、現実にはほとんど納戸に近いものでした。

作業用の道具、絵具、筆、木材などの素材は、確かに(無駄なほど)揃っていて、厚みが8cmもある欅天板の立派な作業台もあります。

ただ、なにしろ狭く、大量の蔵書だけでなく、巨大な冷蔵庫まで置いてあり(二階リビングに置く予定だったが、階段の上り口を通らなかった)、そのほか、日用品のストックとかケース買いの缶ビール他もあります。で、今までは、作業する前にまず片付けをしなければならず、なんとなく「ものづくり」が億劫でした。

今年に入ってから、妻と相談し電動糸鋸とボール盤を導入。置くスペース作るため大量の本とか要らない材料とかを捨てました。棚などのレイアウトも変えて、だいぶ「アトリエ」らしくなりました。

電動ドリルドライバーとか刃物とかの「道具」は引き出しや棚に収めていますが、糸鋸盤やボール盤は大きくてしまう処が無いし、もし、あったとしても重く大きな機械を使う度に出し入れするのは大変です。しまったら仕舞いっぱなしになりそう。

そこで、この2台は台に据えて置きっぱなしにすることに。

すると、不思議なことに部屋に入った途端、やる気が出て、自然に「ものづくり」に入れるようになりました。ノートパソコンとスピーカーの置き場所も作って音楽を聴きながら作業出来る環境も作りました。

ようやく「アトリエ」っぽくなったかな。

写真は最近の作品。ひし形のタイル状に木の板を切り抜き接ぎ合わせたもの。

題名、作品ジャンルともに「名前はまだない」代物です。実用性もない、です。

 


ついに、完成!

2022-08-07 14:42:01 | DIY

糸鋸を使った「はめ絵パズル」第一号が、ようやく完成しました。

なんか黒々としていますが、モデルのキラちゃんがこんな毛色なので・・・

裏面も同じ形なのに色塗りしないのはもったいないと、裏にも着彩しました。

当然ですが、左右反転した形になります。表がリアリズムなので裏は思い切りシンプルに。

猫界の覆面レスラーみたいですが。

どちらからも鑑賞(笑)出来るように、両面に透明アクリルを貼りました。どうしても「はめ絵パズル」をやってみたい方は、どちらか一方のアクリル板を、はずしてから挑戦してくださいっ。

 


色塗り

2022-07-10 13:42:03 | DIY

切り抜き終わったはめ絵パズルに色塗りをしてみました。

材は桂。下地など施さず、木肌の色生かすことにしました。

ただ、下地を塗らない木地は、とても筆のノリが悪いのです。すっ、とした線は引けません。地道にゆっくり描くしかありません。

どこまで細かく描くか、難しいところですが、今回はこんな感じに。彩色した上からサンドペーパーで荒らしてみました。毛の柔らかい感触が表せたら、というつもり。

色塗りというものは、ずっと集中してやっていると「いいんだか悪いんだか」分からなくなってくるので、今日はとりあえず、ここまで。

この写真、実際よりかなり青いです。ほんとうは、かなり赤身がかった色です。


ペティナイフの鞘(さや)を作った

2022-07-06 13:59:25 | DIY

仕事場で包丁を何本か使っています。

その一本がこのペティナイフ。

だいぶ錆びていますが、良く切れます。新宿の安藤という店の包丁です。もともとは、妻が発泡スチロールを削るために購入したもの。なぜ、発泡スチロールを削る必要があるのか? と言う話は、長くなるので省略(笑)。

細かい仕事に使うことが多いので、切っ先が大事。切っ先を傷めないよう、鞘を作ることにしました。

材料は横浜の東急ハンズで買った桜の薄板。5mmほどの厚さです。平面がきっちり仕上げられているので便利。

包丁の輪郭を書き写し、彫刻刀・鑿などで掘り下げます。

桜材は緻密で硬いけれど、刃物の利きは良いです。

大した作業でもないのに、意外にたくさんの道具が必要ですね。雑然とした作業台の上。これでも私本人にとっては、とても使いやすいのです。

刃の収まる内側がくり抜けたら、糸鋸盤で外側の輪郭を切り抜きます。

もう一枚の板を木工ボンドで張り合わせ4時間ほど圧着したら、その外側を、先に切り抜いた板の輪郭に合わせて切り取ります。

あらら、合わせ目が合っていないし線もガタガタ。

「この段階では、大雑把で大丈夫」と思っていると、線は正直に表れるものですね。ほんとは私、もうちっと、曲線切りはうまい(はず?)なんですが。

まあ、あとは、豆鉋(左)と小刀(右)で仕上げて、出来上がり。