アラブ世界研究所は、植物園の近くで、ミッシェルさんの奥さんのJ・クロードはこの近くで公務員として働いていたので、とても詳しかった。
オステルリッツ駅↓
植物園↓
彼女はこの研究所の前で行われていたオリエント急行特別展の予約を入れてくれていた。
私は大のポワロ好き、そしてマニアとまではいかないが、クラシカルな列車が好きなので、興味深かった。
時間の予約もあったが、これはガイドと一緒に見て回るようになっていたので、少し並んで待ったあと、見学が始まった。
オリエント急行殺人事件や青列車など、有名な作品にちなんだ物が展示されていた。
そして撮影は自由なのだ。ここがフランス的でうれしい。
「走る貴婦人」と言われた素晴らしい内装に調度品、また置いてある乗客の持ち物も一流だ。その時代に思いをはせ、優雅なひと時を楽しんだ。
そしてせっかく来たので、アラブ世界研究所に上ってみる。建物の外装は光の多少によりカメラのレンズのように絞ったり開いたりするようになっていた。
眺望がいいことは聞いていた。上に上ると、パリが一望できた。
カフェと言うかレストランもあった。
このレストランの名前を見て、本店(多分)でスカフへの最初の訪問の時にごちそうしてもらったことを思い出した。そこはレバノン料理の店だったのだが、そのころは知る由もなく、豪華なレストランで楽しく食していたことが思い出された。あの時パンだと思ってちぎって食べていたものは、実はそこにおかずを入れて、ほおばる食べ方が正しかったと後でわかったことが思い出される。スカフはその時、その間違った食べ方について何も言わなかった。私の好きなようにして食べるのが良いと思っていたのだろう。
そのカフェでコーヒーでもと思ったが、ミッシェル夫妻もマルチーヌもそう言う気持ちはなかったようで、このまま帰路に向かうことになった。
私はまだ用があった。
パリのアパート暮らしをさせてもらったマリーアンジュ家族に鍵を返しに行かなければならないのだ。「鍵を渡す間アパートの前で待っているよ」とミッシェルさんたちは言ってくれたが、ただ鍵だけ返して「サヨナラ」とはならないだろうと思っていたので、先に帰ってもらうことにして、メトロの途中の駅で私は降りた。
マリーアンジュの家族に、鍵を返し、子供たちにも会い、少しお茶をよばれて、彼らの旅行話を聞き、私のパリ滞在の話などもし、よくお礼を言って、ミッシェルさんの家に急いだ。
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