最後に向かったのは、ずっと再訪したかったグラブゾンのムッシュ。
偶然(運命的な?)メールが渡仏前にあり、実は近く南仏に行くと連絡しても返事はなかったが、きっと信じられなかったのだろうと思う。
シャンブルドットのムッシュなので、「行く」と言ったら「泊まる」ということなのかもしれない。初シャンブルドット滞在であれだけ世話になったのに、ただ「行く、会いたい」だけなんて彼にしてみたら、理解できないのは無理もない。
私はその後たくさんのフランス人友人ができて、今では宿の必要性がほとんどない状態になっているからだ。
そのグラブゾンの宿とのつながりがあるアンリに頼んでみても、スルーされ、今回は無理なのかと諦めかかっていたが、クリスチーヌが願いをかなえてくれたのだ。
シャンブルドットの前に着いた時は、本当にうれしかった。
そして、ベルを鳴らし、出てきたのは少年。(15歳)
サプライズだったので、訳を説明すると、「今日はおじいちゃんはマルセイユに行っていていないんだ」
なんということ!!残念だ。
しかし次に奥から出てきたのはなんと、ムッシュの亡き妻クリスチーヌのお母さんだった。(90歳を超えている)
高齢ゆえ、会えるとは思ってもいなかった。顔を見ると年は重ねているとはいえ、間違いなくお母さんで、「シモーヌ!!」と不思議なことに名前もちゃんと出てきた。
ここで暖かい日は朝食を取り、アルザス3人組とも知り合った。
奥に見えるバーベキューもいただいたことが思い出される↓
彼女は驚いていたが、涙がうっすら目に浮かんでいるように見えた。
クリスチーヌに着物を着せた写真も見てもらった。あの時の幸せな時間がよみがえってくるようだった。
この少年はおじいちゃん譲りの利発な子で、状況を察しすぐに電話で連絡をしてくれた。
クリスチーヌに電話を代ってもらい、明日アヴィニョンを離れ、パリへ向かうと言うことを伝えてもらったところ、TGVアヴィニョン駅にマルセイユから直接会いに来てくれるというではないか。
おじいちゃんの伝言を受けて、この少年は新しくなった宿を案内してくれた。
今は庭にキッチン付きの貸し家を作り、もともとのシャンブルドットの建物は住居になっているようだ。
ここで朝食を取ったことも思い出される↓
この少年は「おじいちゃんはとても元気でエネルギッシュで若い!!」と自慢げだった。
興奮も冷めやらぬ中、翌日のムッシュとの再会を胸に懐かしいシャンブルドットを後にし、クリスチーヌの家に戻った。
戻る途中、アヴィニョンの城壁の外側に「この辺りは治安が良くない」というところもクリスチーヌが教えてくれた。
城壁が見えてからも渋滞で大変だったが、何とかたどり着いた。
それにしてもクリスチーヌには感謝してもしきれないくらいありがたいことだった。