鮫島浩×宮台真司×神保哲生:なぜ朝日新聞はこうまで叩かれるのか【ダイジェスト】
4,897 回視聴 2022/09/03 https://www.videonews.com/ マル激トーク・オン・ディマンド 第1117回(2022年9月3日) ゲスト:鮫島浩氏(政治ジャーナリスト・元朝日新聞記者) 司会:神保哲生 宮台真司 長らく日本のリベラル言論をリードしてきた朝日新聞が、危機的な状況に陥っているという。1990年のピークから20年にわたり誇ってきた800万の発行部数も、ここ10年はつるべ落としのように急落を続け、2022年には約半分の400万部あまりまで激減し、2021年度にはついに400億円を超える大赤字に転落してしまった。ほぼ同時期に他の新聞社も軒並み発行部数を落としているが、その中でも朝日の凋落ぶりは群を抜いている。 朝日新聞の発行部数が激減するようになった直接のきっかけとしては、2014年に相次いで発覚した「2つの吉田問題」が挙げられることが多い。これは2011年の東日本大震災に起因する原発事故をめぐり、当時福島第一原発の所長だった吉田昌郎氏が政府事故調に対して語った調書をめぐる「吉田調書」報道と、文筆家吉田清治氏の従軍慰安婦に関する証言をめぐる「吉田証言」報道がいずれも不適切なものだったことが指摘され、最終的には朝日側も自らの非を認め記事を撤回したというもの。2つの吉田報道は問題の性格こそ異なるが、いずれの場合も原発や従軍慰安婦問題に対する朝日新聞のイデオロギー的な偏向が誤報や不正確な報道を招いたとして、特に安倍政権を筆頭に保守派からの厳しい指弾に晒された。 確かに朝日新聞が伝統的に持つリベラル色の強い思い入れが、2つの吉田報道に多少なりとも影響を与えた面はあったかもしれない。しかし、吉田調書がスクープされた当時、記事を担当した特別報道部のデスクという当事者の立場にあり、問題の責任を取らされる形でデスク職を解任されたばかりか報道とは無縁の部署に飛ばされた、元朝日新聞記者の鮫島浩氏は、一連の問題は朝日のリベラリズムに起因するものなどではなかったと言い切る。リベラルだから叩かれると思われている朝日新聞という組織の実態は、実際には権威主義の塊であり、社内には報道部門であってもサラリーマン根性丸出しの官僚主義と出世至上主義や事なかれ主義が隅々まで蔓延している。それが朝日では多くの問題を生んでいると鮫島氏は言う。 朝日新聞は当初機密扱いされていた吉田昌郎氏の調書を独自に入手した結果、吉田所長が原発の所員たちに原発内に留まるよう待機命令を出していたにもかかわらず、ほとんどの隊員が約10キロ離れた福島第二原発まで撤退していたことを突き止め、これを「命令違反し撤退」と報じた。しかし、事故発生直後の混乱の中で、福島第二原発まで撤退した所員たちの中には所長の命令を知らなかった人もいたかもしれないなどの指摘があり、それを一律に「命令違反」と切り捨ててしまうのはやや乱暴ではないかという声が朝日の社内からもあがっていた。 確かにこの報道は、原発事故に直面し困難な決断を迫られている東京電力の職員への配慮に欠けた表現があったかもしれない。しかし、記事の中に明確な誤報といえるような間違いがあったわけではなく、あくまで記事のニュアンスが東電職員への配慮に欠けているのではないかという点が問題となった。ところがこのニュアンス問題が、権威主義がはびこる社風の中で、社長にノーと言えないヒラメサラリーマンの事なかれ主義などによって、組織の屋台骨を揺るがすほどの大問題に拡大してしまったのだと鮫島氏は言う。 事の顛末の詳細は番組本編に譲るが、吉田調書報道については、記事のニュアンスに対して社内からも懸念する声があがったため、担当デスクだった鮫島氏は直ちにニュアンスを修正するための補足記事の配信を上司に提案した。しかし、当時の朝日新聞の社長がこの吉田調書のスクープ記事を新聞協会賞に応募することを決め、非常に前のめりになっていたため、社長周辺の幹部たちが、補足記事などを配信すれば記事の権威に傷がつき、それが結果的に社長の顔に泥を塗ることになるのを恐れたため、鮫島氏の提案は却下されたそうだ。 直後に補足記事を出していれば、この問題で朝日がここまで叩かれることはなかったかもしれない。しかし、その時の朝日新聞はジャーナリズムとはまったく別次元の理由で、たった1本の補足記事を出すことができなかった。 鮫島氏の話を聞く限り、今や朝日新聞という組織はとてもではないが、リベラル言論の雄を引き受けられるだけの矜持は持ち合わせていないように見える。しかし、問題は朝日がいい加減なことをやれば、これまでリベラル派からやり込められ、リベラルに対して怨念を抱く保守派は嵩に懸かって攻勢に出る。そして、朝日がむしろ社内的な理由から記事の訂正や撤回に追い込まれることにより、リベラルな主張や考え方自体が間違っていたかのようにされてしまう。日本では今もって朝日新聞は、少なくとも一部の人たちにとってはリベラル言論の象徴的な存在なのだ。それは逆の見方をすれば、朝日はもはや組織内ではリベラルメディアの体をなしていないにもかかわらず、表面的にはリベラルの旗を上げ続けることによって、日本のリベラリズムの弱体化を招いているということにもなる。 今後、朝日新聞が復活する可能性について、27年間朝日に在籍した鮫島氏はいたって悲観的だ。これだけ部数を減らし危機的な状況に追い込まれた今も、組織としての朝日は根本的には変わっていないと鮫島氏は言う。しかし、朝日を含む既存のメディアが凋落していく中、日本では彼らに取って代わることができる新しいディアは必ずしも育っていない。記者クラブ、再販制度などで既存のメディアの権益が政府によって手厚く護られている日本では、新しいメディアが既存のメディアと公正な土壌で競争できるような環境には置かれていない。 政府から数々の特権をもらっている限り、政府に大きな借りを作っている状態が続く。政府と対等な立場での報道などできないし、自ずと自由な報道が縛られることになる。鮫島氏は朝日社内で記者クラブ依存をやめ、欧米型の特報部方式の導入に尽力したが、吉田調書報道で鮫島氏の特報部が不祥事を起こしたことにされたため、今朝日では再び記者クラブ依存体質に戻っているそうだ。 今となっては、朝日はリベラルだから叩かれるのではなく、実際にはリベラルとは真逆なことを数多くやっていながら、表面的にリベラルを気取るから叩かれるというのが、事の真相と言えるかもしれない。だとすれば、今朝日がすべきことは、言行を一致させるか、リベラルの旗を降ろすかの二択しかない。 朝日の古い体質にほとほと嫌気がさし、50歳を前に朝日を退職して自分ひとりで新しいメディアを立ち上げた鮫島氏と、なぜ朝日新聞や既存メディアは生き残れないのか、政府から数々の特権を得ながらジャーナリズムを標ぼうすることがいかに欺瞞に満ちているかなどについて、ジャーナリストの神保哲生、社会学者の宮台真司が議論した。 【プロフィール】 鮫島 浩(さめじま ひろし) 政治ジャーナリスト 1971年兵庫県生まれ。94年京都大学法学部卒業。同年朝日新聞社入社。つくば、浦和支局を経て、99年より政治部。政治部次長(デスク)、特別報道部デスクなどを歴任。2014年吉田調書報道を巡る一連の懲罰人事で特別報道部デスクを解任される。21年退職しフリーに。現在、個人ニュースサイト「Samejima Times」を主宰。13年「手抜き除染」報道で新聞協会賞受賞。著書に『朝日新聞政治部』。 宮台 真司 (みやだい しんじ) 東京都立大学教授/社会学者 1959年仙台生まれ。東京大学大学院博士課程修了。社会学博士。東京都立大学助教授、首都大学東京准教授を経て現職。専門は社会システム論。(博士論文は『権力の予期理論』。)著書に『日本の難点』、『14歳からの社会学』、『正義から享楽へ-映画は近代の幻を暴く-』、『私たちはどこから来て、どこへ行くのか』、共著に『民主主義が一度もなかった国・日本』など。 神保 哲生 (じんぼう てつお) ジャーナリスト/ビデオニュース・ドットコム代表 ・編集主幹 1961年東京生まれ。87年コロンビア大学ジャーナリズム大学院修士課程修了。クリスチャン・サイエンス・モニター、AP通信など米国報道機関の記者を経て99年ニュース専門インターネット放送局『ビデオニュース・ドットコム』を開局し代表に就任。著書に『地雷リポート』、『ツバル 地球温暖化に沈む国』、『PC遠隔操作事件』、訳書に『食の終焉』、『DOPESICK アメリカを蝕むオピオイド危機』など。 【ビデオニュース・ドットコムについて】 ビデオニュース・ドットコムは真に公共的な報道のためには広告に依存しない経営基盤が不可欠との考えから、会員の皆様よりいただく視聴料(月額500円+消費税)によって運営されているニュース専門インターネット放送局です。(www.videonews.com) (本記事はインターネット放送局『ビデオニュース・ドットコム』の番組紹介です。詳しくは当該番組をご覧ください。) #マル激 #朝日新聞 #鮫島浩 氏 #神保哲生 #宮台真司
危うし日本!統一教会だけじゃない 大転換が始まる原発・軍拡 WeN20220903
6,259 回視聴 2 時間前にライブ配信 【今週のテーマ】 ・統一教会と自民党の関係 ・それでも強行「安倍国葬」 ・軍事費倍増・原発復権 岸田暴政が始まる 【出演】 五野井 郁夫さん (政治学者、高千穂大学教授) 山田 道子さん (元サンデー毎日編集長) 布施 祐仁さん (ジャーナリスト) 望月 衣塑子さん (東京新聞記者) 司会は 山田 厚史 2022年9月3日ライブ配信 .............................. ◆デモクラシータイムスへの寄付のお願い◆ ・三菱UFJ銀行 【支店】神楽坂支店 (店番号052) 【番号】普通 0462813 【口座名義】一般社団法人 デモクラシータイムス ・ゆうちょ口座/郵便局から 【記号】10130 【番号】94188041 【口座名義】シヤ) デモクラシータイムス なお、恐縮ですが、ご支援いただいた皆様に領収書をお送りしておりません。 お手元の振込控え等でご確認いただきたくお願い致します。 ★クレジットカードでの寄付はこちらから https://democracytimes17.jp/?page_id=67 .............................. 【YouTubeチャンネルと併せて、こちらもぜひ登録/フォローお願いします】 ホームページ:https://democracytimes17.jp twitter: https://twitter.com/dtimes17 Facebook: https://www.facebook.com/dtimes17 メルマガ:https://www.mag2.com/m/0001687521
【国葬問題】1社のみ入札、「桜を見る会」でも5年連続落札/立民・泉代表、国葬出席の可能性の考え - 2022.09.02
6,382 回視聴 2022/09/03 【国葬問題】1社のみ入札、「桜を見る会」でも5年連続落札/立民・泉代表、国葬出席の可能性の考え - 2022.09.02 https://blog.goo.ne.jp/sithux7/e/0e33... 【説明】国葬の企画演出について、入札が1社しかなかったことが報道されました。しかも、この会社は「桜を見る会」で5年連続落札、内閣府とも打ち合わせしていたことが野党に指摘されていました。ほか、立民・泉代表が国葬出席の可能性を示唆。これらをどう考えるか?ぽぽんぷぐにゃんが考えます。 【参考資料】「国葬」業務、「桜を見る会」と同じ会社が落札 応札も1社のみか、1億7600万円(東京新聞) 国葬演出の会社「桜を見る会」設営5度落札(共同通信) 国葬出席の可能性「あると思う」 泉立民代表(時事通信) 立民 泉代表 ”国葬出席は閉会中審査での首相説明見極め判断”(NHKニュース) ※試験的にコメントも反映されるようにしました。ルールを守って楽しく お願いできればと思います。 チャンネル登録してぽぽんぷぐにゃんを応援してね~! ■ツイッターもフォローしてね~! https://twitter.com/poponpgunyan ■ぽぽんぷぐにゃんのnote(ノート)|note https://note.com/poponpgunyan
設楽ダムの建設中止を求める会 - 投稿 | Facebook
「設楽ダム建設の中止を求める会」の運動にご理解とご支援をいただいています市民団体「みなと塾」さんがこの度
設楽ダムは問題あり/
『設楽ダムの建設中止を求める第2次訴訟ー『設楽ダム公金支出差止等請求事件」の裁判について
の冊子を刊行されました(写真).
第2次訴訟での意見陳述全てなどが掲載されています。
国道23号名豊道路【全線開通が見えてきた】
232 回視聴 2022/08/07 今回は、国道23号名豊道路について国土交通省関中部地方整備局名四国道事務所HP資料およびWikipediaの情報を基に検討します。 国道23号名豊道路は、名古屋市と豊橋市を結び沿線の8市1町を通過する延長72.7kmの大規模バイパス道路で、地域高規格道路として整備しています。名豊道路は、豊橋東、豊橋、蒲郡、岡崎、知立バイパスの5つのバイパスによって構成されており、地域の交通需要やネットワークの連続性などを考慮して、効率的かつ重点的に整備が進められています。1972年から事業に着手し、現在までに、暫定2車線を基本として総延長の約87%にあたる約63.6kmが開通し、このうち31.3kmの区間が4車線で開通しています。 地域高規格道路としての名豊道路は範囲が一部異なり、名四バイパスの名古屋南IC - 豊明IC間延長5.8 kmを含み、豊橋バイパスの前芝IC以東は含まれません。豊橋バイパスの前芝IC以東と豊橋東バイパスは地域高規格道路としては国道1号バイパスの潮見バイパス・浜名バイパスと共に豊橋浜松道路を構成します。 <結論> ・2024年度には未開通区間が開通し、豊橋浜松道路区間と合わせ、約100kmに及ぶ地域高規格道路が全線開通する見通し。
自民党の旧統一教会”調査”の実効性/国葬なぜ?”閣議決定政治”が映すもの【9月2日(金)報道1930】
10,960 回視聴 115 分 前に公開済み 9月2日(金)に放送されたBS-TBS「報道1930」の番組内容を配信します。 『自民党の旧統一教会”調査”の実効性/国葬なぜ?”閣議決定政治”が映すもの』 ▽国葬と国葬儀は違う?“ゴハン論法”で乗り切れるか ▽調査でなく点検…旧統一教会と「関係絶つ」のは可能か ▽税金なのに使途自由…予備費増大の背景 ▽過去にはあった自民総務会の“K点越え”とは #野田毅#辻󠄀元清美#後藤謙次#旧統一教会#国葬#自民党#閣議決定 BS-TBS「報道1930」 https://bs.tbs.co.jp/houdou1930/ ▼TBS NEWS DIG 公式サイト https://newsdig.tbs.co.jp/ ▼チャンネル登録をお願いします! http://www.youtube.com/channel/UC6AG8... ▼情報提供はこちらから「TBSインサイダーズ」 https://www.tbs.co.jp/news_sp/tbs-ins... ▼映像提供はこちらから「TBSスクープ投稿」 https://www.tbs.co.jp/news_sp/toukou....
2020年5月1日 よくある質問に答えます(Q&A) 1.治水について - 愛知県 (pref.aichi.jp)
Q 設楽ダムができると豊川は安全になるのですか?
A:
国が定めた豊川水系河川整備計画では、新城市の石田地点における戦後最大であった昭和44年8月の洪水(毎秒4,650立方メートル:30年に一度発生する規模の洪水)を低減させ大きな被害を防止することとしておりますが、その具体的な対策として、
(1)実現可能な範囲で河川の断面を広げるなどの対応で毎秒約4,100立方メートル※1の洪水を安全に流す。
(2)設楽ダムを建設することにより、洪水調節効果として、残りの毎秒約550立方メートルの洪水を低減させる。
(3)特に、霞地区においては、霞堤※2の嵩上げなどにより被害の軽減(浸水面積や浸水深の減少)を図る。
こととしています。
加えて、設楽ダムは豊川の将来に向けての目標である150年に1度発生するさらに大きな規模の洪水に対し、その洪水調節効果として、石田地点において、毎秒約1,000立方メートルの洪水を低減し、約1.0m水位を下げるよう計画されています。
※1 毎秒4,100立方メートルの洪水はナゴヤドーム(約170万立方メートル)が約7分でいっぱいになる量です。
※2 霞堤とは、河川堤の一つ。連続する堤ではなく、あらかじめ間に切れ目をいれた不連続の堤防をいいます。洪水時には洪水流の一部をここから逃がし、洪水の勢いを弱め、下流側で再び流路に取り込むといった治水技術です。豊川が増水した場合にはこれらの霞地区に水が溢れ頻繁に浸水被害も発生していますが、反面、この霞地区の遊水効果もあって、豊橋市の市街地部が豊川の氾濫から守られているというのが豊川の現状です。
洪水調節効果の試算結果
(出典:国土交通省設楽ダム工事事務所設楽ダムパンフレット)
(注)図中にある○m3/sは毎秒○立方メートルのことです
問合せ
愛知県 建設局 河川課
企画グループ
電話 052-954-6553
E-mail: kasen@pref.aichi.lg.jp