【週間天気】寒気が南下し北日本は積雪のおそれ 冬の寒さに
最近、MMT(現代貨幣理論)が、マスコミでも話題になっています。MMTは米国の経済学者などが主張しているもので、「政府が借金(国債)をいくら増やしても、それを中央銀行が引き受ければ問題ない」という考え方です。
この2、30年、世界各国で弱肉強食の新自由主義がはびこり、「財政規律」の名のもとに国民生活に関わる予算を削減する「緊縮政策」が進められてきました。
しかし欧米ではこの数年、「緊縮政策」への不満が爆発し、左派政党の間で「政府は借金を増やしてでも、国民のためにお金を使え」というMMTにもとづいた主張が広がっています。
この間の国会質疑で私は、財政赤字を理由に国民をおどし、負担ばかり押し付ける安倍政権・財務省の姿勢も「緊縮政策」に他ならないと批判し、MMTを支持する人々への共感を表明しました。
ただし、MMTの「政府の借金を中央銀行に肩代わりさせる」という考え方については、過去の歴史をみても経済破たんを招かない保証はなく(拙著「カジノミクス」=好評発売中=を参照)、国民生活のための財源は税制の民主的改革によってつくるべきだと主張しました。
日本でMMTは、「反緊縮」を掲げた市民運動だけでなく、公共事業を推進したい自民党議員からも支持されています。
私が最も懸念するのは、善意から出発したMMT支持派の主張が、日本では「まだ借金はできる。新幹線をつくれ」と、大型公共事業と利権の拡大に利用されることです。(だいもん・みきし 参院議員 第2週掲載)
(大阪民主新報、2019年6月9日号より)