松川:杉の木なんかが見えるかと思うんですが、あの山の沢、あそこから水が、黒い濁った水が一気に押し寄せてきたという感じですね。
まさかここに山津波が来るとは誰も予想も何にもしてなかったですもんね。
NA:福島県須賀川市(すかがわし)。あの日、震度6強の揺れに襲われ、農業用ダムが決壊しました。死者・行方不明者は8人。家屋の全壊19棟など、甚大な被害をもたらしました。
NA:須賀川市で農業を営む松川美智夫さん。決壊したダムからおよそ1キロ下の滝(たき)地区にある自宅前で濁流を目にします。
松川:今、田んぼだった所が、すべて水。黒い濁流が音を立てて流れていたんですね。あぜんとして、何も言葉が出ないぐらいの水の量でしたね。
近くに何人かいたものですから、その人たちに「これどうしたの、何だろう」ということで聞いたら、「藤沼湖のダムが決壊したんだ」という話を聞きまして、これはもうだめだと思いましたね。