<ミネルバ>のリビングのソファが大分傷んできたので、買い替え時かなという話になった。
というわけで、今日はインテリアショップに4人で下見に出かけた。
タロスはソファを見に来たというのに、ベッドのフロアに居ついて「キングサイズベッドはやっぱりいいねえ」と寝そべり放題。普段船室のベッドでは窮屈なんだろうなあと今日ばかりは自由にさせておくことにした。
結局ジョウとアルフィンとリッキーで見て回ることになる。
「これがいいんじゃない?ふかふかだよ」
リッキーが展示用のものに座って、スプリングを確かめる。
「あのねえ、ソファは固い方が楽なのよ。柔らかいと腰に悪いの。常識でしょ」
アルフィンがあきれ顔。
「そうなの?」
「当たり前でしょ。お値段にも出てるはずよ」
言われてリッキーは値段のプレートを確かめる。
「納得」
「でしょう?」
アルフィンはしたり顔だ。
「まあ、硬さは好みもあるからな」
ジョウがとりなす。
「兄貴はどっちが好きなんだい? 硬め?柔らかめ?」
「俺か? 俺はな」
「――あ!あのデザイン素敵」
ちょっと見てくる。そう言ってジョウの話を最後まで聞かずに、アルフィンが別のブースに駆けていく。
やれやれ。ジョウとリッキーは目を見交わした。
リッキーは、手当たり次第に展示のソファに腰を掛けていく。言ってしまえば、手前のものから順番にだ。
家族用のというよりは、私室用の二人掛けの小さめのソファに収まりながら、
「そういや、こういうタイプのソファのこと、ラブチェアっていうだろ。なんでだい?」
と訊いた。
「なんで、って。そりゃ……」
ジョウは言いづらそうに言葉を濁した。
一人で座るには大きい、でも、二人だとちょっと小さい。1.5人用というのが適切な大きさ。
そのサイズが表しているのは一つしかない。ジョウも、個人で所有したことはなかったけれど、用途はなんとなく想像がついた。
「恋人同士で座るからだろ。くっついて座るから、そう呼ぶんじゃないのか」
「へー。なるほどね」
にやり。そこで意地の悪い笑みがリッキーの面に浮かんだ。
「兄貴、このソファにすれば。<ミネルバ>でもアルフィンといちゃいちゃしたいだろ」
しかしジョウは動じなかった。
「馬鹿言え。今日はリビング用のやつを選びに来たんだろ、真面目にやれ」
と一蹴。
「はーい」
からかっても、ジョウが反応してくれないのでリッキーはつまらなさそうに口を尖らした。掛けていたラブチェアから身を起こす。
と、そこで、「ちょっと、こっちに来て。これ、いいかもしれない」と向こうでアルフィンが呼ぶ声がした。
見ると二人に向かって大きく手を振っている。
「はいはい。今、行くよ」
リッキーが呼ばれたほうへ掛けていく。
ジョウもその後を追いながら、頭では別のことを考えていた。
――こないだアルフィンと泊ったホテルで、ラブチェアの使い心地はさんざん試したから、別に買わなくてもいいんだ。
ああいうのは、日常使いじゃなくて、非日常の特別な場所で使うのがいいんだよ。
……とは、とてもリッキーには言えない。未成年にはまだ早い。
あの夜、ソファで乱れるアルフィンの艶めかしい肢体を思い出し、胸が昂ぶるジョウだった。
END
微エロですので表で大丈夫かな、と……。お題は「二次創作書きさんにたった10のお題」さまより拝借しました。
HPは→ http://atlemuria.fc2web.com/tatta10.html
というわけで、今日はインテリアショップに4人で下見に出かけた。
タロスはソファを見に来たというのに、ベッドのフロアに居ついて「キングサイズベッドはやっぱりいいねえ」と寝そべり放題。普段船室のベッドでは窮屈なんだろうなあと今日ばかりは自由にさせておくことにした。
結局ジョウとアルフィンとリッキーで見て回ることになる。
「これがいいんじゃない?ふかふかだよ」
リッキーが展示用のものに座って、スプリングを確かめる。
「あのねえ、ソファは固い方が楽なのよ。柔らかいと腰に悪いの。常識でしょ」
アルフィンがあきれ顔。
「そうなの?」
「当たり前でしょ。お値段にも出てるはずよ」
言われてリッキーは値段のプレートを確かめる。
「納得」
「でしょう?」
アルフィンはしたり顔だ。
「まあ、硬さは好みもあるからな」
ジョウがとりなす。
「兄貴はどっちが好きなんだい? 硬め?柔らかめ?」
「俺か? 俺はな」
「――あ!あのデザイン素敵」
ちょっと見てくる。そう言ってジョウの話を最後まで聞かずに、アルフィンが別のブースに駆けていく。
やれやれ。ジョウとリッキーは目を見交わした。
リッキーは、手当たり次第に展示のソファに腰を掛けていく。言ってしまえば、手前のものから順番にだ。
家族用のというよりは、私室用の二人掛けの小さめのソファに収まりながら、
「そういや、こういうタイプのソファのこと、ラブチェアっていうだろ。なんでだい?」
と訊いた。
「なんで、って。そりゃ……」
ジョウは言いづらそうに言葉を濁した。
一人で座るには大きい、でも、二人だとちょっと小さい。1.5人用というのが適切な大きさ。
そのサイズが表しているのは一つしかない。ジョウも、個人で所有したことはなかったけれど、用途はなんとなく想像がついた。
「恋人同士で座るからだろ。くっついて座るから、そう呼ぶんじゃないのか」
「へー。なるほどね」
にやり。そこで意地の悪い笑みがリッキーの面に浮かんだ。
「兄貴、このソファにすれば。<ミネルバ>でもアルフィンといちゃいちゃしたいだろ」
しかしジョウは動じなかった。
「馬鹿言え。今日はリビング用のやつを選びに来たんだろ、真面目にやれ」
と一蹴。
「はーい」
からかっても、ジョウが反応してくれないのでリッキーはつまらなさそうに口を尖らした。掛けていたラブチェアから身を起こす。
と、そこで、「ちょっと、こっちに来て。これ、いいかもしれない」と向こうでアルフィンが呼ぶ声がした。
見ると二人に向かって大きく手を振っている。
「はいはい。今、行くよ」
リッキーが呼ばれたほうへ掛けていく。
ジョウもその後を追いながら、頭では別のことを考えていた。
――こないだアルフィンと泊ったホテルで、ラブチェアの使い心地はさんざん試したから、別に買わなくてもいいんだ。
ああいうのは、日常使いじゃなくて、非日常の特別な場所で使うのがいいんだよ。
……とは、とてもリッキーには言えない。未成年にはまだ早い。
あの夜、ソファで乱れるアルフィンの艶めかしい肢体を思い出し、胸が昂ぶるジョウだった。
END
微エロですので表で大丈夫かな、と……。お題は「二次創作書きさんにたった10のお題」さまより拝借しました。
HPは→ http://atlemuria.fc2web.com/tatta10.html
⇒pixiv安達 薫
二人は、何考えているんだか。
リッキーも、早く大人になれるといいね(笑)
タロスの、それよりベッド何とかしてあげたら。
ジョウがアルフィンと結婚したら、
ミネルバの船室は、当然リフォームするから、その時まで我慢して、ついでにやってもらったら?!