「おろち」「洗礼」「まことちゃん」などで知られる漫画家の楳図かずおが、初となる長編映画監督を務めたホラー。自叙伝の出版が決まったのを機に怪現象に悩まされ、その裏でうごめく亡き母の怨念を知る楳図かずおと編集者の恐怖を映し出す。テレビドラマ「半沢直樹」などの片岡愛之助が、楳図を熱演。宝塚で娘役として活躍してきた舞羽美海、『ミックスマシン』などの真行寺君枝が共演する。ホラーコミックのマエストロとして知られる、楳図ならではのおぞましい描写や演出に震える。
数々のヒット作、名作を放ってきた漫画家・楳図かずお(片岡愛之助)のもとに、ある出版社から彼の半生を記した書籍の企画が舞い込んでくる。その担当編集者となって取材を重ねる若草さくら(舞羽美海)は、楳図の創作の原点が亡くなった母親イチエ(真行寺君枝)にあることを知る。やがて、別荘の窓に残された謎の手の跡、タクシーの隣席に存在しないはずの人影、楳図の周りに漂う紫煙、イチエの葬式の参列者の写真に写る彼女自身の姿と、調査を進める彼女と楳図の周囲で恐ろしい現象が頻発する。