楽しむことが最優先

庭で花や野菜を育てて楽しむ北海道民です。
趣味関連を中心に日々のあれこれを、
マイペースに綴って行くつもりです。

フォローボタンが消えてしまう不具合と対処方法

2023-10-28 22:55:00 | 日記
フォローに対する大切なお知らせ


せっかくブログ始めたのに、
フォロワー増えないな……とか

積極的にフォローしてるのに、
全然フォロー返ししてもらえない‼︎

……という悩みを抱えている方、
いらっしゃいませんか?


もしかしたら

アナタのブログのフォローボタン、
消えている可能性があります‼︎

『ちゃんと表示する設定にしているよ?』

……という場合でも、
それでも消えている可能性があるのです


このブログには2種類の仕様がありまして

ザックリいうと
アプリ版PC版の、
2種類が存在しています




たとえアプリ版の設定画面で
『フォローを表示する』と設定したとしても

PC版では非表示設定に
されている可能性があるのです


『でもPC版の設定なんて弄ってないよ?』

という方もおられるでしょうが、
どうやら何かの拍子に、
勝手に書き換えられてしまうようなのです

だから
『ある日突然フォローされなくなった』
という現象になるわけですね……


どうやらアプリ版とPC版の設定ページ、
上手く連動ができていないようで
一度フォローボタンが消えてしまった場合、
両方の設定画面を確認する必要が出てきます

現時点で予防方法はわかっていません

アプリ版とPC版の設定ページの、
定期的なチェックが必要となります


なので、とりあえずPC版のページへ
ログインして確認をしてみて下さい

↓たぶん、ここから行ける


必要事項を記入して、
無事にログインが出来たなら



アプリ版とは違う、
PC版のマイページが開きます

『ブログ・ユーザー設定』
のページを開いて──……



PC版の設定ページでも、
フォローボタンを表示する設定にして下さい



最後に『変更を保存する』のを忘れずに‼︎

おそらくこれで、
フォローボタンが復活するはずです

なかなか自分では確認が難しいのですが……

心当たりがある方はぜひ一度、
ご確認をお願いいたします



ドタバタお祓いセレモニー

2023-10-27 21:54:00 | 日記
「ミルくん、明日……
 龍の怒りを鎮めに行くよ」


知らない人が聞いたら、
『お前は何を言っているんだ』状態ですが。

とりあえず大丈夫、
状況は把握できています。

納得しているかは別として

現場は龍信仰が強い土地で、
『龍にゆかりのある木を移植しようとしたら
 作業員が次々と倒れたり負傷した
 龍の祟りだと噂になっている』とのこと。

形だけでも構わないから、
お祓いや浄化をして安心したい。
要はそういう依頼です。


「お焚き上げ用の写経も書いたし、
 買い物も行ってきたし──……
 こっちの準備はできていますよ」

「当日の服装は?」

「安心感を持ってもらいたいので、
 ほどほどにカッチリとした服にしようかと
 秋だしプレッピーなファッションとか」

「面白くない」

面白さはいらないよ?


「いや、そこはムード重視で‼︎
 いかにもなファッションにしようよ‼︎
 全身に数珠を巻いて手には杖を持って、
 頭にドクロをかぶっちゃうようなやつ‼︎」

邪教かよ

「安心感を与えに行くんですよ?
 恐怖心を煽ってどうするんですか」

「セレモニー的なお祓いなんだから、
 形や見た目も大事だと思うんだよ」

「目立ちたくないし」

「それが本心だね?」

「当然です」

ただでさえ注目を浴びそうなのに、
見た目でさらに注意をひきたくはない。

「自分は極力、喋りませんから
 ギャラリーの相手はお任せします」

「はいはい」



そんなわけで、翌日

色々と不安要素はあるものの、
社長が運転する車で現場へと到着。



「懐かしいです、この場所
 のどかで良いところですね」

「ミルくんと出会った時はお互い、
 ゆっくりできる状況じゃなかったからね」

「まぁ……今もそうですけれど……」


自然豊かなこの場所で、
自分と社長は出会って……
そして彼の会社に誘われ、そして

現在に至る


「どうしてこうなった……」

目の前には龍が宿っているという低木
周囲にはお祓いの様子を見にきた住民たち

そして社長の親戚だという
お婆ちゃんに取り押さえられる、
戦闘モードのお爺さん


「お爺ちゃん、落ち着いて

「離せ‼︎
 お前らは騙されている‼︎
 こいつらは詐欺師だ、俺が追い払う‼︎」

「ごめんなさいね、すぐに黙らせますから」


…………。

いや、あの
何なの、この状況


「稲刈りが終わった後の田んぼも良いね」

「和の風景ですね
 紅葉もとても綺麗です」

「晴れてよかったよ」

「ははは……」

「ふふふ……」


目の前の光景から目を逸らし、
中身のない会話で場を繋ぐしかない2人。

心はひとつ。
早く帰りたい





「お爺ちゃん、怖がりなのよ」

「違う‼︎
 霊を信じてないだけだ‼︎」

「でも小学生の頃だって、
 肝試しに来なかったじゃない」

「う……うるさい‼︎」

お爺ちゃん……図星なんだね


「祟りなんて気のせいだ‼︎
 俺が証明してやる──……貸せ‼︎」

低木の移植作業も手伝おうと、
倉庫から持ってきたシャベル2本。

その内の1本を手に取ると。

掘りかけたまま放置されていたという、
低木に力任せに差し込み──……


ばきっ




盛大に音を立てて折れるシャベル。
カランと転がる金属音が妙に響く。


「も……もう片方、よこせ‼︎」

お爺ちゃん、頑張る。
もう後にはひけないのかもしれない。

そして──……


めきっ

今度は鈍い音を立てて、
くの字に折れ曲がるシャベル。




「ひいぃぃ……‼︎」


頭を抱えて座り込み、
そのままガタガタ震え出すお爺ちゃん。

何というか……
コントかな?

いや、恐慌状態のお爺ちゃんには
ちょっと悪いのだけれども──……

なんだかとても、
シュールな光景です


「もうだめだ……
 俺は呪われた……
 祟りだ……龍の祟りだ……」

お爺ちゃん、しっかりしろ
戻ってこい

ぶつぶつ言いながら震えるお爺ちゃんに、
とりあえず手を差しだしてみる。

振り払われるかな──……と、思いきや。


「あんた、霊能者なんだろう⁉︎
 早く……早くお祓いしてくれ‼︎」

「うおお⁉︎」


追い払われるどころか、
がっしりとホールドされてしまう自分。

ま……まぁ、攻撃的な状態よりはマシかな。

とにかく
これで当初の予定通り事が進められます。


「社長、すみませんがカバンから、
 お焚き上げ用写経と供物をお願いします」

「あ……ああ、これだね
 写経と塩と……これは君のオヤツかい?」

「いえ、それが供物です」

「…………」

腑に落ちない、という表情の社長。
しかし、そんな顔をされても困る。


「事前に接触を試みたのですが……
 龍というより犬や猫といったペットが、
 その木を依代にしているみたいなんです
 おそらく昔、この辺りで飼われていて、
 家が無くなった後も留まっているようで」

「そう言われてもねぇ……
 この辺りは雑木林だったのよ?
 開発の話があがったのも、ここ最近だし」

「霊媒で供物のリクエストを聞いてみたら、
 栗と甘酒に思い入れがあると言われました
 なので、用意してきたのですが……」

「犬や猫が甘酒なんか欲しがるのかい?」


社長の手には、甘栗のパックと甘酒の缶。

困惑するのもわかる。
でも、聞いたからには用意しないと。


「少なくとも野生動物ではなさそうでしょ?
 だからペットかな、って思ったのですが」

「ああ……‼︎
 秘密基地だ‼︎」

「え」

突然、声を上げたお爺ちゃん。
なにやら心当たりがあるらしい。


「ここらは昔から、俺たちの遊び場だった
 トタンやブルーシートを拾ってきて、
 秘密基地を作って皆で集まったものだ」

「ああ……そういえば野良犬を拾ったわ
 ちょうど今頃ね、秘密基地で飼ってたの」

「神社裏に栗の木があって、
 拾って帰ると婆様が茹でてくれたんだ
 それを秘密基地に持って行って、
 俺たちのオヤツにしていた……」

「甘酒もよく飲んだわ
 ちょうど新米の季節でしょ?
 水加減を失敗したご飯で作ってくれるのよ
 鍋ごと持っていって秘密基地で飲んだわ」


小学生の頃からの付き合いらしい、
お爺ちゃんとお婆ちゃん。

当時の記憶がよみがえったのか、
思い出話の勢いが止まらない。

2人の瞳の輝きは小学生に戻ったかのよう。

まぁ……
なんというか

楽しそうでなによりです。


「あの犬、どうしたんだったか……」

「秘密基地では冬を越せないって、
 お米屋の兄さんが引き取ってくれたの」

「ああ……そうだったか……」

しんみりとした空気で、
思い出話が終了した。


「今の時期なら栗、まだ拾えるだろ
 ちょっと神社までいってくる」

「それなら私は甘酒を作ってくるわ」

どうせなら当時の味を再現しよう、と。
やたらと乗り気なお爺ちゃんとお婆ちゃん。

とんとん拍子に話が進んで、
置き去りにされるギャラリーたち。

ええと、この場合、自分たちは──……


「それじゃあ、手伝いましょうか」

「そうだね」

お爺ちゃんから軍手をかりて、
神社裏にあるという栗の木へ。


「それにしても、よく信じましたね
 最初の攻撃的な姿とは大違いです」

「60年以上も前の、
 それも一部の者しか知らない話だ
 それを知っていた時点でな……」

「しかもミルくん、
 その話を犬から聞いたんだね……」

「霊能者ってのは、犬とも会話できるのか」

んなわけあるか


「言葉ではなく感情でのやり取りです
 会話は出来なくても気持ちはわかるでしょ
 お腹空いてるな、とか不機嫌だな、とか
 ペットを飼ったことがあるなら、
 なんとなく覚えがあると思います」

「ああ、わかるよ
 なるほど……そんな感じか」

「供物に関しては、
 霊媒をしてから店を訪れて……
 自分の体経由で手に取ってもらいます」

「へぇ……」


そんな会話をしている内に、
目的の神社に到着。

小さいながらも綺麗に手入れされた神社です


「ほら、これが栗の木だ
 さっさと拾って茹でるぞ」

「はい」

3人で手分けして栗拾い。
こんな形で秋を満喫するとは思わなかった。




丸くてツヤツヤの栗をたくさん拾い、
鍋で煮ることしばし──……

湯気に混じって甘い香りが漂ってきます。


「よし、そろそろか」

茹でたての栗を包丁で真っ二つ。
シンプルかつ豪快な秋の味覚です。

栗を手に現場に戻ると、
甘酒の鍋と湯呑みを用意した
お婆ちゃんが手を振ってくれていました。

よし
準備は整いました。


ここからは自分の役目。

引き受けたからには、
しっかりとこなしましょう──……


「当時、秘密基地で飼われていた犬……
 その子にとっても、ここでの思い出は
 とても大切なものだったのでしょうね
 今でもこの低木を依代として、
 番犬として秘密基地を守っています」

「はい」

「今からお焚き上げをして、
 犬の魂を天国まで誘導します
 お2人はその犬に対して、
 『もういいよ、お疲れさま』と
 労いとお別れを告げてあげてください」

「はい」


黒魔術は悪魔の力を借りる魔術ですが、
自分が使う白魔術は土地神や精霊、
自然界のエネルギーなどを借りて行います。

供物を並べて、皆で手を合わせて。

火を灯した写経用紙はフワリと浮き上がり、
白い灰となって天高く昇って行きました。



その後

シャベル2本、折れたのが嘘みたいに、
すんなりと掘り起こされた低木は移植され。

低木の周囲には季節の花が
植えられる予定だそうです。



「龍の祟りではなかったんだねぇ……」

「とある一匹の忠犬が、
 長い務めを果たし終えたんですよ」

「まぁ、俺としては、
 龍だのなんだの言われるより、
 犬の方がずっと信憑性があるけどな」

「お爺ちゃんたら……
 あんなに怯えていたのに」

ギャラリーたちが去った後、
茹で栗を頬張りながら甘酒で乾杯。

一仕事終えた後の体に、
程よい甘さが沁み渡ります。


「それにしても……
 あのイタズラボウズが、
 今では社長だなんて驚きね」

このお婆ちゃん、
社長の親戚なだけあってパワフルです。

たぶん、この場で1番強い。


「ミルくん、だっけ?
 こんな社長で大変でしょ」

「はい」

「ミルくん‼︎
 そこは否定してよ‼︎」

だって事実だし

今回だって社長の無茶振りで、
ここに連れてこられたからね……


「この子、面白くて良いわ
 もし50年前に出会っていたら──……」

お婆ちゃん……

50年前は自分、
生まれてすらいません……


「それにしても……お前さん、
 本当に謝礼金は受け取らないのか?」

「ミルくんは基本的に、
 霊能関連で現金は受け取らないよ」

そもそも自分、
霊能者を名乗っていません

社長が勝手に言ってるだけなんですよ……


「それじゃあ畑の野菜を後日、
 送らせてもらうよ」

「ありがとうございます」

「そうだ2人とも、
 この飲み物を受け取ってちょうだい
 甘酒を作ったから出しそびれちゃった」

お婆ちゃんがいつの間にか、
ペットボトルを手にしています。

 
「お茶とコーヒー、
 どっちが好きかわからなかったから……
 混ぜたのを用意したの

なぜ混ぜた⁉︎

「野菜の詰め合わせも、
 楽しみに待っていてね」

急に不安になってきました


「そ、それじゃあ……
 日も暮れてきたし、そろそろ帰ろうか」

「そっ……そうですね‼︎
 早く帰りましょう……‼︎」

これ以上、変わったものが出てくる前に、
逃げるように車に乗り込む社長と自分。

夕焼けに染まる田んぼの風景が、
やけに目に沁みました……


とりあえず

セレモニー的なお祓いとはいえ、
なんとか形にはなりました。

住民たちも安心してくれたようで、
こちらとしても一安心。

最終的にお婆ちゃんが持ってきた、
謎のコーヒーに全て持っていかれたけれど。



抹茶×コーヒーだってさ
こんなのあるんだね……


秋風の悪戯

2023-10-20 11:51:00 | 日記
「ミルくん、現場付近で熊が出たんだって

「え─……
 最近、多いですね……」


そんなわけで、
本日のお仕事は休みになりました。

安全が確保されるまでは、
ここの現場は後回しかな……


「さて……どうするか……」


突然の休日。
やることは色々とあるけれど。

そう言えば中山峠に雪が降ったそうです。

季節は秋から冬へと、
着実に移り変わっているようで……


さすがにもう、
半袖の服は着ないな、と。

半袖や薄手の衣類を春まで収納すべく、
今日は衣替えをすることに。

仕舞い込む前に洗濯し、2階のベランダへ。
ここは周囲から死角になっているので、
洗濯物を干すのにはピッタリです。



天気予報では一日中、
雨予報だったけれど──……

実際に降ったのは朝方だけで。
多少の雲はあるものの、
空はよく晴れています。

うーん

ときどき強めの風が吹くな……
でも、そのおかげで早く乾きそう。

洗濯物が、びっしりと並んで
干されている光景は壮観です。

その中には、下着の類もありまして……


無骨なボクサーパンツが並ぶ中、
ひときわ異彩を放つのは
ガーターベルト。


にわかハマショーから
勝負下着として贈られたという、
謎の経緯で今、ここにあるのだけれども

うぅーん……
悪い意味で目立ってる……

まぁ、今後も身につけることはなく
タンスの肥やしとなるのだろうけれど。



とにかく、たくさん洗濯をして疲れました。

コーヒーでも淹れて一休みしよう。
やっぱり豆からひくと香りが良いね。




コーヒー片手に庭を眺めていると、
風に乗って落ち葉が1枚、
窓にはりつきました。

秋風の悪戯か、
それとも贈り物か。

ゆったりと流れる時間。
こんな休日の過ごし方も悪くない。


せっかくだし、
お客さんから貰った柿も剥こうかな。

いつも食べなれている柿と、
どう違うのか、ちょっと楽しみ──……



黒っ‼︎

え?
なんかこの柿、黒くない?

闇堕ちしてる⁉︎


いや、でも、味は良いな……

見た目のインパクトも凄いけど、
甘さもかなりのものです。

さすがは高級柿……
スーパーで買うものとは違うな……


一休みして体力も回復したことだし。
ついでに部屋の片付けに着手する事しばし。

部屋にあるものを、

普段使い用、
特別な日用、
封印用

の3つに分類して整理します。

ちなみにガーターベルトも、
封印用のカテゴリーに分類されます。

決して誰も触れないように



ふと気がついたら、空が暗い。

今更ながらに雨予報が的中?
一雨来る前に洗濯物を取り込まないと。


「おっ……もう乾いてる」

秋風のおかげかな。
薄手の衣類は、すっかり乾いています。

手際よく衣類を取り込んでカゴの中へ。

夏用の下着も春までクローゼット行き。
通気性は良いけど、その分寒いんだ……


パチン、パチンと。

洗濯バサミを外していたら、
運悪く、その中のひとつが砕け散り。

そのタイミングで吹き抜ける、
わりと強めな秋風くん。

するり、ひらりと優雅に宙を舞う、
勝負下着(封印予定)


悲報。
勝負下着、風に飛ばされる。

『ああ、「さよなら」の意味さえも知らないで』

……というのは確か、
ハマショーの『路地裏の少年』だったかな

──……って、のんびり見てる場合じゃねぇ


誰かに見られたら終わる

幸いにして、この場所は死角だけれども

洗濯物が風に乗って、
道路まで行ってしまう可能性だってあるんだ

玄関近くにゴミステーションがあるせいで、
意外と人通りが多いんだよ……っ……‼︎

ご近所さんに見られる前に、
なんとしても回収しなくては……‼︎



「うおお……‼︎」

全力疾走。
時間との勝負です。

どうか外に誰もいませんように……‼︎

勢いよく飛び出すと、目の前には
近所のおばちゃん

…………。


え?
なんで?

なんで、近所のおばちゃんが、
我が家の玄関先にいるの?

この最悪なタイミングで


「こんにちは、ミルくん」

「あ、どうも……こんにちは……」


いや

のんびり挨拶してる場合じゃねえ……
一刻も早く、下着を探して回収しないと‼︎

ブツはどこだ!?

見られたら大変だ
見られたら終わるぞ──……


「これ、いま飛んできたわよ」

終わったぁぁ──……ッ‼︎‼︎


おばちゃんの手には、
ヒラヒラのガーターベルト。

どうすりゃいいんだ、この、
言い逃れできねぇ状況


「あぁ、ぁ……ども……」

蚊の鳴くような声とはこの事か

我ながら、とんでもなくか細い声が出た。
まさに今の心境が現れている。

その場に崩れ落ちそうになるのを、
ギリギリのところで耐えながらブツを回収。


頑張れ、ミル。
落ち着け、ミル。

こういう時こそ平常心だ。
笑顔で対応すれば流せる……かも‼︎


「ははは……
 どうもありがとうございます
 今日は風が強いですからね、
 飛ばされちゃいました」

「恋人がいたのね
 それはミルくんの趣味?

断じて違う

なんか誤解されてる‼︎

さすがに否定しておかないと、
後々悲しい事になる


「いません‼︎
 これは自分用です‼︎

まずい‼︎

勢い余って、
墓穴掘った‼︎


違う‼︎
違うんだ……‼︎

おばちゃん、お願い
そんな目で見ないで

急募
この状況を打開する方法
 

「いや、あの、えっと……」

「あらあらミルくんってば
 でも、まぁ……お似合いよ

似合っても困る


「そうよね、今はそういう時代よね
 大丈夫、おばちゃんはミルくんの味方よ
 隠さずにもっと堂々としていなさい‼︎」

どうしよう

話がどんどん進んで行く
しかも明後日方向に


ねえ、おばちゃん
その理解力が逆に辛いよ

どうすれば良いんだ……

イマジナリーの恋人相手に、
派手な下着を贈っていると思われていた方が
まだ傷は浅かったのでしょうか……?



「あらやだ、雨が降ってきたわ」

そっか
降り出したか

まるで自分の心中のようだ……


「そうそう、これを渡しにきたのよ
 畑で採れたミョウガなんだけどね
 花が咲いてきちゃったから急いで食べて」

「あ、どうも……」


ミョウガ……
そっか、ミョウガか……

ミョウガをたくさん食べると、
物忘れするっていう迷信があるけれど。

今日の記憶も忘れられるかな


忘れたい……
忘れさせてくれ……

むしろ、おばちゃんの口に全部突っ込んで、
全て忘却の彼方に消し去りたい

ミョウガを受け取り、
笑顔でおばちゃんを見送って。

心の中で大発狂


しばらく打ち震えた後で、
ミョウガは美味しくいただきました。

おばちゃん、どうもありがとう……




オマケ

クローゼットの奥深くに眠る、
封印された収納箱がこちらになります。



この度、勝負下着も追加されました。

さあ
安らかにお眠り……


秋の彩りを取り入れて

2023-10-17 20:13:00 | 日記
悪い予感ほど良く当たると言いますが……


先日、会ったばかりだというのに、
何故か母親が訪ねてきました。

長年の経験が、警鐘を鳴らします。


「お裾分けの柿、友だちとも楽しんだの
 とっても好評だったわ、ありがとうね」


にこやかな母の姿。
嬉しそうで何よりです。


しかし──……

ただ礼を伝えるだけなら、
LINEで十分に事足りるはず。

わざわざ我が家に来訪する理由とは?
嫌な予感しかしません。



「……それで、用件は……?」

「話が早くて助かるわ
 実は友だちの1人が手芸教室に通い出して
 秋をテーマに作ったっていう、
 ブローチを見せてくれたのよ」

「へえ」

「素敵だねーって褒めたら、
 『作り方を教えるから皆でやろう』って
 そんな流れになってしまって……
 その勢いで材料まで買ってしまったの」
 
話を聞く分には、
とても楽しそうなのですが。

どこに悲観する要素が……?


「土台となるパーツは
 先生役の友だちが持っているから、
 私たちはブローチに使う素材を用意したの
 ビーズとかレースとか──……
 100円ショップで全部そろったわ」

「安上がりで良いじゃないか
 それのどこに問題があるの?」

「ときめきが足りないの」

「!?」

まさかの理由


「え、どういうこと?」

「パーツを並べてみても、
 いまいちパッとしないの
 友だちはみんなノリノリだから、
 ひとり取り残されている気分になって」

あー……

設計の段階で不満要素があると、
制作にモチベーションがわかないよね……
完成しても満足できないのがわかってるし。

その気持ちは理解できる。


「頭の中のイメージが、
 上手く形にできなくて」

「どんなデザインをイメージしてるの?」

「メインは紅葉で……
 色が変わってゆく様子を表現したいの
 あと色鮮やかな木の実とお花も欲しいな
 秋の自然をボリュームたっぷりに
 詰め込んだコサージュ風がいいのよ」

「おお……」


聞いてるだけで楽しそうです。

葉が色づく様子を塗る作業なんて、
想像するだけで創作意欲がわきます。

緑から黄色、オレンジ……
鮮やかなグラデーションの葉っぱに、
豊かに実る果実、匂い立つ花々──……



「いいじゃない
 それ、作ろうよ
 材料はあるんでしょ?」

先生役の友だちが、どういうタイプの
ブローチを作るのかは知りませんが……

シャワータイプのパーツなら、
幸いなことに手元にあります。


「でも、パーツがイマイチで……
 これをどんなに組み合わせても、
 あまり素敵なものは作れないわ」

「ちょうど先日、
 似たような縛りのお題で創作したんだ
 同じ機能と素材を使って絵を描いたの
 創作環境が同じでも作者が違うと、
 完成品の雰囲気が違って面白いよ」


母親が持参したパーツを広げてみる。

ふんふん、なるほど。
樹脂粘土とはお目が高い。

これを使えば欲しい形のパーツが、
自由自在に形成できます。




「メインの紅葉は、樹脂粘土で作ろうか」

「でも、お花のビーズが、
 なんだかチープな感じがして……」


花と葉のビーズを並べて、
重ための溜め息を吐く母親。

脳内に描いた理想と現実に、
想像以上のギャップがあるらしい。





「塗れば良いじゃない
 前に小物入れを塗って高見えさせたでしょ
 あれと同じことをビーズでもやるんだよ」

「高見え……
 ビーズでもできるの?」

透明感が出たり、色合いを変えたり……
 とりあえずプラスチック感は薄れるよ」

そんなわけで、花のパーツを塗り塗り。
比較してみると雰囲気の違いがわかります。



葉っぱのパーツは、
紅葉のグラデーションを意識。



樹脂粘土は葉っぱの形を作って、
下の方に穴を開けておきます。

ドライヤーの風を当てると、
わりと早く乾燥するのでオススメ。



穴に針金を通して──……



グラデーションになるよう塗っていきます。

紅葉っぽさを意識しながら、
下から緑、黄色、赤──……


すべてのパーツが完成したら、
シャワーブローチの穴に針金を通して
パーツを固定すれば出来上がりです。

うん
すごく簡単。




「ほら、できたよ
 紅葉をメインモチーフにした、
 コサージュ風のボリューミーなブローチ」

ピンク色のビーズを木の実に見立てて、
端の方には花のビーズを添えてみた。

とりあえずリクエストには沿っているはず。


「あら、もう完成したの
 100円ショップの素材には見えないね」

でも土台のパーツ以外は、
100円ショップで揃うんだよ……


「まだ材料はたくさんあるから、
 アレンジやリメイクして楽しんで
 素材が気に入るようになれば、
 モチベーションも上がるでしょ」

今回は素材縛りで大変だったけれど、
手持ちの素材を、どうアレンジするか。

この試行錯誤も楽しみ方のひとつです。


「ねえ、ミルや」

「なにかな?」

「当日、これを完成品として
 友だちに見せたらダメかな?」

ダメに決まってんだろ

ちゃんと自分で作りなさい。



「まぁ、自分が持っていても困るし
 これは母さんにあげるから使ってよ
 帽子やストールにつけても良いしね」

「自分で使わないの?」

「自分には……
 ちょっと派手かな……」


とは言え。

紅葉をモチーフにしたアクセサリー、
今の季節にはピッタリです。

自分用に、もう少しシンプルなやつを
作ってみるのも良いかもしれません。

こういう秋の楽しみ方もまた一興かな……


柿が赤くなると医者が青くなると言うけれど

2023-10-16 14:19:00 | 日記
お客さんから柿が届きました。

会社宛てではなく、
直接我が家に届いたから驚きました……

まぁ、果物は大好物です。
旬の味覚を楽しむことにしましょう。



高級なんだ……

箱からして普段から食べ慣れている、
スーパーの柿とは違うオーラを感じます。



わー……おっきい……

さすがに1人では食べきれないので、
実家にお裾分けを持って行くことに。



「まぁ、立派な柿ね」

「お客さんからもらったんだ」

母親に柿を渡し。
まぁ、お茶でも──……と、誘われて。


『ちょうど今、お汁粉を作っていたの
 たくさんあるから食べていきなさい』

そういわれた自分は今、
窮地に立たされています。


「あ、あの、母さん……」

「なぁに?
 もうすぐお餅が煮えるわよ」

「いや、あの」


お汁粉……

母さんが作っているのは、
お汁粉なんだよね?

ええと……

そのお汁粉、
なぜ緑色なの?




「草餅を使ったのよ
 良い香りがしそうでしょ?」

「いや、あの、でも」

汁まで緑にはならんだろ


「カボチャも入れたの
 少しでも栄養を多くとりたいでしょ?」

うん
そうだね
カボチャも入ってるね

ほんのりと緑に染まってるけど


「アズキの缶詰め、少し量が足りなくて
 ずんだ餡を一袋入れてみたの
 そうしたら甘くなりすぎちゃって
 だから味をマイルドにしようと、
 牛乳を入れてみたら、こんな色に……」

「あ、うん、そっか……」


我が家の母上様。

料理をすること自体は、
そう嫌いではなさそうなのですが……

キッチンが時々、魔女の実験室と化します。

そのせいで、と申しますか
そのおかげで……と、申しますか

一人暮らしをするまでは、
自分が我が家の料理担当でした。


料理を始めた切っ掛け?

緑や紫に染まった弁当を広げて、
クラスで話題になるのを避けたかったからだね

自分、目立つことが苦手だから……



「ミルや、最近……仕事はどう?」

「同僚の家で手伝いをしたり、
 社員同士の仲が良くて楽しいよ」

「あら、よかったじゃない」

「仕事先の稲刈りが終わったら、
 龍の相手もしなきゃならないんだ」

正直言って、この仕事は気が進まないけれど


「龍か……なるほどねぇ……
 やっぱり、そういう縁があるのかもね」

「縁って?」

「龍女、龍男って知ってる?
 解釈は色々とあるのだけれど、
 龍が憑いている人のことを指すの」

「いや、初めて聞いた」

カーチャン……
いきなり、何を語りだすんだ


「お前が生まれた後に、
 神社でお参りをしたんだけどね
 その時に神主さんにいわれたのよ
 『この子から龍の気配がする、
  鱗のアザが体にありませんか?』って」

「いや、さすがにウロコなんてないよ⁉︎」

「生まれつきアザがあるでしょ?
 楕円形のやつが右足に3つも
 それのことを言ってるみたいなの」


正確に言えば4つです。

4つ目は消えたり現れたりを、
不定期に繰り返しているのですが……
 
どちらにしろ、単なる偶然でしょうに。


「龍女、龍男の特徴について調べてみたの
 そうしたら意外と当てはまったわよ?」

「そう言われても困るよ?」

「でも雨男や雨女で、
 1人で行動することが好きで、
 霊感があってお酒好きでしょ?
 あと目力があってトラブル慣れしてる」

言い掛かりだ


「まぁ、使えるものは何でも使いなさいよ
 龍ってのはエネルギー体のことらしいの
 上手く取り込めばプラスに働くわ」

「取り込むって……」

「龍にも好みがあってね
 まぁ、要するに波長が合って、
 エネルギーを得やすい特徴──……
 ってことなのだろうけど」

急に冷静だね

「龍はザックリというと、
 綺麗好きな髪フェチ面食いのヤンデレで」

唐突な暴言


「あと友だちとの距離感に気をつけて
 龍女、龍男の近くにいる人間は、
 突然スピリチュアル体験をしたり、
 霊能力に目覚めることがあるらしいから」

なんて迷惑な

「龍女、龍男は龍から力を得るけれど、
 龍女や龍男から力を吸うタイプの
 人間も存在するから気をつけてね」

世知辛いな……


「龍の力は浄化能力が高いらしいから、
 ヒーリングと組み合わせると、
 相乗効果が狙えて更にパワーアップ」

「あー……
 そう言えば昔、通りすがりの白魔術師から
 『弟子にならないか』って、
 突然スカウトされたことがあるよ」

「龍の力を持った白魔術師なんて、
 まさに天職のヒーラーだものね」


まぁ、自分は職人志望だったから、
ヒーラーの道には進まなかったけれども

それでも土地の浄化やお祓いを頼まれたり、
それっぽい依頼が時々来るのは何故なのか




「あ、あの─……」


背後から遠慮がちな声がかけられる

振り返ると、
ドアの隙間から顔を覗かせる父親の姿


「父さん、そんなところで何してるの?」

「ちょっと、ひとことだけ、
 ツッコミを入れたくなって」

わざわざ突っ込む前に、
断りを入れるという律義さ


「どうぞ?」

「ありがとね」

促すと気合いを入れているのか、
深呼吸を始める父

スーッと大きく息を吸い込むと──……


「どんな会話してるんだ‼︎
 しかも何を食ってるんだ‼︎
 見ていて凄く怖いんだよ‼︎」

怖かったんだ……


親子が親しげに語らうリビングルーム

2人が囲んでいるのは、
緑色の鍋(お汁粉)

交わす言葉の内容は、
龍について(我が子は龍憑き)


ああ
うん

父の目線で見ると、
確かにちょっとしたホラーかもね

でも、まぁ

事実は小説よりも奇なり
……って言うからね、うん



「この柿、立派でしょ?
 ミルがお客さんから貢がれたの」

貢がれた言うな

感謝の思いが、
なんだか俗っぽく感じちゃうよ⁉︎


「どんなことでも感謝されることは、
 とても良いことだからね
 迷わずに、どんどんやりなさい」

「ちなみに柿をくれたお客さんには、
 どんな内容の仕事をしたの?
 かなり気に入られてるみたいだけど」

「あまり大きな声では言えないんだけど……
 お客さんの子供が最近元気ないって聞いて
 じゃあ自分と年齢が近いし様子見がてら、
 話し相手になってこようかな、って」

「へえ……」

「それで、彼のアパートに行って
 様子を見に行ったんだけど……」

「うん」

「結論から言うと、
 天井から吊り下がってた


いわゆる第一発見者。

大家さんが隣にいなかったら、
そのまま悲鳴をあげて逃げ出したと思う。


「頭の中、真っ白になってさ
 結局自分は何も出来ずに終わったんだ
 通報や手続きも全部、大家さんがやったし
 だからお礼って言われてもねぇ……」

「でも……まぁ……
 お前が見に行くって申し出たからこそ、
 彼を発見できたわけだから……」

「最初はお金を包まれたんだけど、
 流石にそれは受け取れなくってさ
 そうしたら、かわりに果物を
 送ってくれたみたいなんだよ」

「へえ……
 それで、柿ねぇ……ふぅん……」


指先で柿を突きながら、
どこか含みを持った物言いの母。

なんだか嫌な予感……


「柿の花言葉って知ってる?
 一般的には『恵み』とか『優美』とか、
 素敵な意味合いのものが多いんだけど」

「うん?」

「その中のひとつにね、
 『広大な自然の中で私を永遠に眠らせて』
 ……っていう穏やかじゃないものがあるの
 彼、ちゃんと成仏できてるのかしら?」


母さん……
唐突にホラー要素を入れないでくれ……

ホラー耐性がゼロどころか、
マイナスの父さんが涙目になってるよ?


「だからさぁ……
 2人とも──……
 話の内容が怖いんだよッ‼︎

うん
魂の叫びっぽいね


「あなた──……どんまい♪」

ホラーやサスペンスが大好きな妻と、
オカルト事件に巻き込まれがちな我が子。

この2人に挟まれる、
ホラー耐性マイナスの父──……

うん
なんと言うか


……頑張れ、父さん……