最近30年で、15回目の「ユーザー車検」です。
昔は電話を車検場にかけて、プッシュしながら「予約番号をもらう」形でしたが、今は、ネット予約です。
最初にIDとパスを登録しなければなりません。2段階認証で自分のスマホに10文字のパスを送ってもらいます。
前回は、ライトの上向き問題が厳しくて、全体の3割がバタバタ落選していました。
以前は「この車検場まで走ってこれた車は、基本合格」ということでしたが、平成30年改正で、「なにかケチをつけて、落としてやらないと、お上としての威厳が保てない」
というわけで、「上向き」ライト時におけるエルボー角の適正化などという難解な概念を唱えました。ところが、あまりバタバタ落ちるので、今回は緩和して「下向きライト中心の検査」という、当たり前の姿に方向を変えてきました。
ライトはすれ違い時、通常下向きです。それがまぶしくない程度の上限でロックされていればいいわけです。一方、上向きはどのみちまぶしい。短い時間で戻すべきです。
これを上向きの規制にすると、どのみちまぶしいものを、その上限といったところで、結局まぶしいわけですから、これに基準を設けること自体限界があります。
H30改正で上限調整基本を小役人が打ち出してしまったものですから、車検場の運行の流れがマヒしてしまって、いくら検査をしても、業務が終わらなくなり、
かといって、新しい検査装置を買ってしまった以上、機械が不合格を示したものをセーフとは言えず、残業、積み残しの嵐となりました。
ここで、私も現場の検査課長を呼び出してぷりぷり文句を言いました。おまけに外車や高級車では「マニュアルレベライザー」が付いていて、
いくら上限をセットしても、指先でダイアルを回せば、セットしたはずの基準値が動いてしまうのです。
検査基準を作る担当者は、カローラみたいな安物の自動車しか知らないので、安物の基準を作って「どうだ、僕の能力みたか」と威張っていましたが、なんともなさけない話になっていました。
よって、この基準は2年持たず、再改正となっていて、現場で「金払ったやつはセーフ(上向きテストはあえて省略)」というウルトラシーがあみだされました。
私は、前回片目だけ落ちて、近くの受からせ屋の帝産(通称テスター屋)で1500円で調整してもらったので、今回はヘッドライト周りのネジを一切触らず、このままいけば、合格するだろうと思って
ラインに並んだのですが、今度は両目落ちました。しかし、落ちることも予想して、午前9時の第一ステージ(1日4ステージ)に申し込んでいたので、10時に帝産に行って、すぐに調整してもらい10:20に再びラインに並んで合格しました。
2回目は下向きしか検査しませんでした。つまり、一度業者に調整してもらったならば、もう少し説明すると、天下り先である車検仲間に金を払った奴については、検査をおまけしてスコーンと合格させる、といういつものお役所の掟が稼働したというわけです。地獄の沙汰も金次第というのは、江戸時代から同じです。
車検場の隣は、鮫洲免許試験場です。
脇の海は「勝島運河」
この鮫洲免許試験場では、桜のバッチをつけた詐欺師たちが、笛をピーピー吹き流しながら、3千ほどの受験料を、日々
貧的の若者から巻き上げています。すなわち教習所で10万円払わなくても、小型2輪ぐらいなら直接試験で合格できるだろうと思わせておいて、
実は合格率は3パーセントぐらいしかないトリックだらけの試験で、「受験者はほぼ落ちる」ことになっています。チューブで聞いた情報では、1週間一人も合格しなかったという噂もあります。
落第のポイントは1本橋です。この10メートルほどの長さの幅15センチ、高さ5センチほどのコンクリートのラインを通り抜けるのですが、
1分とか時間をかけながら渡らないとなりません。現実の道路ではありえないような変な一本橋を時間をかけて通過するわけで、
これだけで、受験者の8割が落ちます。多くは早く通り抜けてしまいます。さっと通り抜ける運転のうまい若者ほど落ちます。こんな詐欺的な落としどころが4セットぐらい仕込まれていて、
受験者はほぼ不合格となることが分かっているので、試験場では125㏄の受験者には「魚屋のおっさんが乗るようなかっこ悪いバイク」を
用意します。そして、試験スタートすると、3秒でびーを吹いて落第とします。なぜなら、この魚屋バイクには、下に足が2本ついていて、普通の受験者は、1本のあしだけ跳ね上げて
スタートするので、ただちに「危険発進」として試験中止=落第とします。3秒で3千円を稼ぐぼったくり試験です。どうせこの先行っても落ちるのが分かっているので、もう3秒で落としてしまうのです。
これが鮫洲における試験管の愛情です。江戸時代から、首切り役人が「介錯を致す」といって相手を楽にしてあげることが行われてきました。
私は25歳の時、原チャリに3年乗って自信があったので、直接試験を受けたのですが、前の人が足のはね上げで落ちたので、よく足をのぞいてみて、それでスタートしたのですが、やはり落ちました。
二度受けて、二度とも足で落ちました。バイクをひっくり返してのぞかないと、斜め上から見ただけでは第2の足はわかりません。
ただ、運よく足を2本はね上げてスタートできたとしても、お化け屋敷みたいに4か所の落としどころがあって、落とすかどうかは試験管の主観なので、ほぼ全員が落ちます。
すなわち、仲間が天下っている教習所で金を払わないとダメということで、ここでも地獄の沙汰も金次第ということです。
8年ぐらい前、当ブログで『ヨハネスブルグのガイドライン』が紹介されたことがありました。
その一部はこんな感じです。
・軍人上がりの8人なら大丈夫だろうと思っていたら同じような体格の20人に襲われた
・タクシーからショッピングセンターまでの10mの間に強盗に襲われた。
・バスに乗れば安全だろうと思ったら、バスの乗客が全員強盗だった
・「そんな危険なわけがない」といって出て行った旅行者が5分後血まみれで戻ってきた
・「何も持たなければ襲われるわけがない」と手ぶらで出て行った旅行者が靴と服を盗まれ下着で戻ってきた
・中心駅から半径200mは強盗にあう確率が150%。一度襲われてまた襲われる確率が50%の意味
つまり、ヨハネスブルグという町の危険性を表現したもので、旅行者にこの町の危険性を警告するものですが、
私は『鮫洲のガイドライン』というものを作る必要があるのではないかと思っています。
この数十年の間に鮫洲で戦死した若者たちへの鎮魂歌を兼ねて、かつ、この町へ「何かの勘違いした夢を求めてやってくる若者たちへの警告」を含めた鮫洲のガイドラインです。
『鮫洲のガイドライン』
運転の腕に自信のある若者や、運転のうまい若者はほぼ全員戦死する。生き残れるかどうかは、「命のツルを牢名主様に収めたかどうか」で決められる。
鮫洲は「鮫洲試験場」ではなく、「鮫洲お化け屋敷」と読まなくてはならない。暗闇に4つの亡霊が潜んでおり、ほぼ全員がこのおんぶお化けに取りつかれ、暗闇に引き込まれる。
「一週間、一人の合格者も出なかった」という噂は否定され、「一か月、一人の合格者も出なかった」に訂正される。
桜のバッチをつけた詐欺師たちには特に注意が必要である。彼らは、右手にピーピー笛、左手にとトサツ用の釜を持っている。
彼らの前では、運転のうまい若者は、生まれて間もないひな鳥程度の存在である。
一か月もすると、たまの合格者が出ることもあるが、これは運転技術がうまかったからではなく、試験官が良心の呵責に耐えかねて息抜きをしたかった時に発生する珍現象である。
京浜島に「うどん・そば」の大衆食堂があったので、「ミニカレーとラーメンセット780円」を食べました。
そこそこおいしかったです。
すべて終わって合格ワッペンを張った後、近くの京浜島で羽田に着陸するジャンボを見ることにしました。
一機も離着陸していませんでした。
帰りは「ゴジラ橋」を通って、東京湾を見ながら帰りました。