にざかな酒店

仮想悪夢研究会 斎藤ジョー

というわけで、斉藤和義さんの話斎藤ジョーです。あ、しょーもないシャレ。では続きどうぞ。
仮想悪夢研究会 斉藤ジョー

「ってことで、斉藤和義さん斉藤ジョーってことで。」と、R。
「誰、「斉藤ジョー」って」即座にツッコミを入れたFであった。
「再登場とかけてるんだろ?」
と横からTが助けを入れる。
「そうそう、いろいろ使えるだろなんとかジョー」
しょーもな、とAが頭を抱えた。
「で、斉藤和義のネタってこないだ思い出せない人だったじゃないか」
「思い出せない人だったけど、これがラジオのミラクルで知らないうちにいろいろと曲ってのは染み付いてたもんだよ。歩いて帰ろう、とか青空ばかり、とか。多分、新作のアルバムマンスリーアーティストの月が終わったら買いに行くと思うな、俺」
ん?とAは紅茶をすすりながら首をかしげる。今日のお茶はアールグレイだ。
「マンスリーアーティストのうちは買わないのか?」
「だってマンスリーアーティストのうちはいろいろ過去の曲もかかるし充足してるじゃないか、枯渇してくるのは終わってから、欲しくなってくるのは終わってから、だよ。」
妙に充足した表情でRがいう。
「多分ラジオ側はその効果は狙ってないと思うぞ。流行ってるうちに買ってもらおうじゃないの?」それについて、Aと同じようなことをTもいう。
「私はなんとなくわかるなあ、それ。たくさんあるうちはまだいいやって思うの、なんでも。服とかだってシーズン外のものが意外とほこっと売れたりするでしょう?」
「で、ミステリには何を合わせるんだ?」
「それはもちろん、人間がかけてないといういっとき流行った批判と合わせて「おもちゃの国」だな!この曲のミステリな感じはなかなかすごいよ。特に「大丈夫、僕は人形痛くも痒くもないよ」の繰り返しのとこな、ちょっとゾクってくる。アルバム買いそうなのもこの曲があるからでさ」
嬉しそうなRである。人間好きなことを語るときは大体生き生きしてるものだ。仲間内で話す時には。
「なんかその痛くも痒くもないよ、のとこロボット語で話してそうな気配がする」とA。
「だろ、だろ、そうだろ。いっとき「無痛の痛覚」てのミステリ界に溢れてたじゃないか。まさにそれ。おもちゃの痛覚を歌にするその視点な。そして、ミステリ自体がおもちゃっぽいじゃん」
「なるほどなあ…」
「他の曲が割とポジティブっぽいだけにこれが効いてくるんだなあ」
「まあ、青空ばかりでミステリは無理があるわね」と、F。
「あいにくの雨で、じゃないけどな。」とT。
「うん、天候はミステリにはかなり重要だな。やっぱり現実でも雨の日の犯罪率はちょっと増えるようだし。人の出ていかない時間帯や天気ってのは危ないってことだ」
「雨の日はお家にいよう、は合理的なんだ」ちょっとFは感心した口調である。
「そうそう、どうしても外に行かなきゃいけない人はいるけどな。仕事とか待ち合わせとか」
「小川美潮の7月の雨、みたいな?あーめ、なんーか嫌いだー」
「あれは逃げられてるじゃないか…!」と愕然とAは言った。
「そんなのってないのー、よねえ」
「雨の日の待ち合わせは事前に相談を、だよなあ。今は携帯もあるし」
「よねー」
「知らぬ間に曲に侵略されてるってのもなんとなくSFっぽいが」
「そうそう、小説では誰々のなんとかってわかって入ってくるけど、ラジオだと知らない間に誰のかわからない曲が身に染み付いてるのよね、不思議と。曲にはそれができる」
「ネットの意見とかって気が付けば染み付いてる、じゃなくて同類項を探すとかだからな。それで偏って言ったりもするわけで。知らぬ間に染み付いてるものが基礎作ってたりとかするのが人間社会だ、と思うが」
そこに悪意があるか善意があるか、それがわからないが。とAは締めくくった。
少し、彼らはシンとした。
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