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南英世の 「くろねこ日記」

情報教育最前線


竹中正治教授(龍谷大学経済学部)は元銀行マンのエコノミストであり、マンション投資などにも独自の理論で成功している人物である。彼は上に紹介したFacebookの投稿で「学校教育でもっと『検証して真偽を吟味する』という手法と作業を教える必要がある」と述べているが、まったく同感である。

私は『政治・経済』の最後の授業で、マスコミなどで報道される内容の真偽を吟味する授業をやっている。受験には全く関係ないが、生徒は真剣にそして楽しそうに聞いてくれる。

メディアリテラシーと言ってしまえば薄っぺらに聞こえる。私の狙いはもっと深いところにある。マスコミが流してくる情報の真偽を見分けるだけではなく、マスコミが報道しない情報の中にも大切な情報があることを教えるのだ。たとえば、次のような問題を出されたらどう答えるか?

(問題)
テレビや新聞が絶対に報道できないことが一つある。それは何か。

少し考えればすぐわかるが、そのことに気付いている人は多くはない。正解は「スポンサー批判」である。生徒にその話をすると「なるほど」と大いに納得してくれる。たとえば、法人税を引き下げ、累進税の最高税率を引き下げ、その一方で消費税を引き上げる。これは、金持ちや企業の税金を負ける代わりに、そのツケを一般大衆に肩代わりさせる以外の何物でもない。

しかし、マスコミは決してそうした視点からは報道しない。そんな報道をすれば企業がスポンサーから降りてしまうからだ。その結果、「消費税の引き上げに賛成か反対か」などという単純な報道に終始することになる。国民から受信料を取っているNHKさえそういう態度なのだから困ったものだ。だから「犬HK」などと言われるのだ。

いつの時代でも、政府に都合の悪い情報は隠される。AMSY紙が報道する中に正解があるとは限らない。4択から選ぶという試験問題に慣れてしまって、それ以外のことを考えないという習慣がいつの間にか身についてしまっているとしたら恐ろしい。

「広い視野から考察させる」というのは学習指導要領に必ず出てくる言葉である。もっと本当の意味での「広い視野から考えさせる」教育が必要である。世の中をよくするためにも。
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