南英世の 「くろねこ日記」

人生は運が7割

 

永守語録に「人生は運が7割、努力は3割」とあった。若いころに聞いたらきっと反発していたかもしれない。しかし、古希を越えてこの言葉を聞くと妙に納得する。

もちろん、本人の努力なしで運が「あちら」からやってくることはない。宝くじとは違う。しかし、人生を振り返ってみると、ほとんどが「運」に助けられたようにも感じる。

 大学に残り研究生活をしていたものの、結局、学者にはなれなかった。そんなとき高校教師の妻と出会い、自分も高校教師への道を歩むことになった。

 最初に赴任した高校がいわゆる教育困難校といわれる学校で、「自分は生活指導をするために教員になったのではない。何とか進学校で教えたい」と思っていたところ、その教育困難校の校長が進学校に転勤しすぐに私を呼び寄せてくれた。

初めて教える進学校で毎日深夜まで授業準備に追われる日々を過ごしていたところ、ある教科書出版社の方が「資料集を執筆してみないか」と声をかけてくれた。その後、そのご縁で教科書まで書かせていただくことになった。

その教科書会社にはずいぶんお世話になった。現代社会や政治・経済の教科書だけではなく、小論文の教材として「国語便覧」の執筆の機会までいただいた。

それだけではない。教科「情報」が高校で初めて導入されたとき、理系の先生だけで教科書を書いてもいいものにならないので文系の先生にも入ってほしいと声を掛けられた。計量経済学を専攻していたから、フォートランやベーシックプログラム程度の知識はあったが、コンピューター関係はずぶの素人に近い。でも、これも何かのご縁と思って引き受けた。ホームページの作り方を独学で勉強し、私の授業内容や生徒向けの記事をたくさんアップした。

ホームページの影響は大きかった。突然職場にNHKのディレクターから電話がかかってきて、ホームページにアップしていた「勉強の仕方」を番組で紹介したいと依頼され、Eテレで放映された。また、ホームページを見た出版社から政治経済の本を書かないかと声を掛けられ,生まれて初めて単行本を出版した。また、憲法研究所の伊藤真さんのサイトへの執筆を依頼されたり、毎日新聞の取材を受けたりもした。これまでのホームページのアクセス数は124万件余りに上る。

いま思えば、実力以上の仕事をさせていただいた気がする。しかし、人生はプラスマイナスゼロ。禍福は糾える縄の如し。この先どんなことが起きるかわからない。その前に、今書いている3冊目の単行本をなんとか完成させないと・・・。全7章のうち、ようやく第4章まで書き終えた。この本を書き終えたらもういつ死んでも悔いはない。

「人生、死んでも残るものは自分が得たものではなく、自分が与えたものである」と何かに書いてあった。どうだったんだろう。

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