南英世の 「くろねこ日記」

サイフを持ち歩かない韓国

今度韓国へ囲碁イベントの取材に行く。その打ち合わせのために主催者が日本にやってきた。打ち合わせといっても大半は親睦を兼ねた飲み会なのだが、私もその場に同席させていただいた。

主催者であるその方は、韓国のプロ棋士であり大学の教授兼学長であり、日本語もほぼ自由に読み書きできるスーパーウーマンである。聞けば日本に1年間住んでいたことがあるという。大変気さくな人で、大いに盛り上がった。

話していて一つ驚いたことがある。今回の来日にあたって、日本円を全く準備してこなかったという。韓国では普段サイフを持ち歩くことはなく、すべてスマホやクレジットカードで支払うのが一般的で、その感覚で日本に来たらしい。それで帰りの電車賃(380円)がなくて困っているとのことであった。千円札1枚渡すと「これでホテルまで帰られる」とすごく喜んでくれた。

また、打ち合わせの様子を手帳にメモをしていたらすごく珍しがって、「韓国で手帳を使っている人はほとんどいない。すべてスマホでメモをする」とも教えてくれた。

「そんなにスマホに頼っていて、スマホを落としたら大変でしょう?」と聞くと、「大丈夫、韓国ではスマホを忘れても誰もそれを持ち去ったりはしない。忘れたらそのままそこに置かれている」との返事だった。へー、そうなんだ。

いまや韓国の一人当たりGDPは日本より大きい。韓国はすぐ隣にあって実はよく知らない国でもある。大統領が逮捕されたり、死刑になったり、なんとも不思議なことが多い。この際、少し韓国の勉強をしてみようと思い、友人に勧められた本を購入した。

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