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南英世の 「くろねこ日記」

白内障

黒猫が我が家にやってきて18年。

人間でいえばもう90歳くらいか。

今年になってどうやら目が見えなくなってしまったらしい。白内障のようだ。年齢的にももう手術はできない。かわいそうだがこのままにしておくしかない。

目が見えていなくてもけなげに生きている。光だけは感じることができているのはせめてもの幸いだ。時々あちこちにぶつかったりしているが、呼べばちゃんと返事はするし、すり寄っても来る。

でも、最近夜泣きがひどくなった。昼は人間が起きているから安心して眠りこけているが、夜になって人間が寝てしまうと不安をおぼえるのかもしれない。何しろ,光覚があるといっても夜になれば「暗闇」の世界だ。

時々「ぎゃおー、ぎゃおー」とけたたましい声で鳴く。仕方がないからベッドから起きだしてしばらくの間抱っこしてやる。嬉しそうに「ゴロゴロ」とのどを鳴らす。餌をやって、トイレの掃除をしてまたベッドに戻る。

考えてみれば、目も見えないのにウンコもオシッコもちゃんとトイレの中でしているのだから大したもんだ。感動さえ覚える。

目が見えなくなってからは今まで以上にいとおしい。猫の姿に自分を重ねることもある。椅子を引っかいたり廊下を走り回ったり、時々家から脱走したりすることはもうないが、今日も精いっぱい生きている。

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