私がうっかり渡した白紙委任状を、こういう重要な申請で断りもなく使うことに気が引けたのか、タッケン森園は万全を期して専門家のアイリス吉村に依頼していた。そもそも「登記されていないことの証明書」と「身分証明書」はセットで必要だったのだが、私に手渡された要求書類の中には前者しか入っておらず、それは私が法務局で取って渡していた。森園も久しぶりの登録申請なのでうっかりしていたのだろう。
照井から手渡された書類一式の中に紛れ込んでいた白紙委任状は署名して(目的も聞かず)渡した。それは軽微なことでわざわざ手間を取らさないように渡していたのであって、「身分証明書」のような重要な申請に使うのではなくても一言あって然るべきで、ましてこの場合は当然私に使う(使った)旨を伝えるべきであった。
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