フランス革命5
で、革命がおこるんですが、この革命どのへんで終わるべきだったと思いますか?
それはね、立憲王政にするべきだったんですよ
まだまだ資本主義は発達していない
貴族を無力化するまではね
だから立憲王政です
では立憲王政と絶対王政はどう違うのか
絶対王政っていうのはどっちかというと感情的な言い方で(これが絶対王政)ていう基準はないんですよね
まあ、貴族とブルジョアの二つに支えられていたというのはあるかもね
立憲王政というのはたとえ国王でも法律は守らないといけないし、もし守らなければ罰を受けるというものです
つまり一番偉いのは法律であって、人間ではないという制度ですね
んで、結局ルイは処刑されるのですが、その後のフランスの体制は「共和制」となっています
この共和制というのは要するに共産主義です
(主義といういい方はおかしいですね。体制というべきです)
だからソ連が崩壊したときに(人類が経験したことのない歴史)とか言っていましたが、ロベスピエールが倒され、世の中がまた反転するのをすでにフランス革命でやってるんだから、別に人類初でもなかったんです
共和制からテルミドールのクーデターが起こり、この辺のフランスの様子を観察すれば、その後のソ連も同じところがあるということが分かると思います
で、その後のナポレオン王朝になり、王政が復活することになると、これは歴史が反転したこと、つまり反動が起こったことを表します
反動が起こったということは、歴史が進みすぎたということです
つまり王政を維持しつつ立憲王政にするのがこの時代の一番いい選択だったのに、国王を処刑した
まあ、それはいろんな事情があるにせよ、おそらく一番の理由は世の中をひっくり返したかったんじゃないのかな?
つまり今までの常識-国王は特別な存在で、神がそう定めたーという今迄の常識
国王が処刑されてしまえば、国王が特別な存在でも特別な人間でもなく、ただの一個人だと世界中が知ってしまう
当たり前のことがバレてしまうわけです
これは信長が延暦寺を攻略したのと同じくらいの衝撃です
今迄地面は平だと思っていたのに実は丸かったのと同じ衝撃です
神の加護や仏の守りなぞ実際にはない
そして、王の正当性は当時の宗教が認めていました
国王は特別な人間であり、神が定めたのだと
しかし人間の手で処刑してしまえば、王は何の神の加護もない、普通の一般的な人間だと分かってしまう
一般庶民の普通の人間と変わらないと
今の私たちには当たり前の事でも当時は当たり前の事じゃなかった
いま私たちがそれを知っているのはフランス革命がおこり、国王が処刑されたからです
もし処刑されなかったら、今でも思っていたでしょう
国王や王族は確かに人間だけど、自分たちとは少し違う変わった人間なのだと
もしガリレオが地球が丸い写真を持っていたなら、それを皆に見せたかったでしょうね
証拠を手にしているんだから
当時の彼らもその証拠を手にしています
もしルイを処刑してしまえば、世界の常識は書き換えられる
アッと驚くことになる
皆に本当のことをわからせてあげたい
その証拠の写真を手にしているわけです
だから見せてみたかったんでしょうね
実はフランスがこの後ヨーロッパ諸国を敵に回し、戦うことになるのは、今までの常識を革命政府が覆したことが問題なのです
彼らが怒ったのはほとんどの国が王政であるにもかかわらず、そして王政の正当性はカトリックが保証していたにも関わらず、彼らはその嘘を暴いまった
これはフランス以外の王政の国家の足元を崩したのと同じです
彼らの怒りは相当だったでしょうね
そんな国滅ぼしてしまって、革命そのものを歴史から消えさせてなかったことにしたいでしょう
それは例えば延暦寺が崩壊したことが宗教にとって致命的であるのならば、信長がこの後天下を取らずにせめて死んでくれれば、罰が当たったのだと、弁解できるのと同じ
だからと言って延暦寺が裏にいたとは言いませんが
というか信長が天下を取って都合の悪い集団はいくらでもいたし、裏にいた一つだということは言えるけど
彼らはルイを処刑したことを許さなかったのですが、ルイのことを思っているのではなく、単に自分たちにとって都合が悪いからです
革命政府さえ滅ぼして、フランスも滅ぼしてしまえば、神に逆らったから罰を受けたんだとでも言えますからね
きっとソドムやゴモラと同等に扱ったでしょうね