MIRAIは水素で走ります。私は、なるべく燃料は満タンにしておきたいタイプなので、普段は100キロも走らないうちに水素を充填しています。
ですが、燃料を使い切ったらどうなるのかということは、知っておいても損はありません。ということで、燃料ゲージが完全に空になるまで走ってみることにしました。
写真の状態で、燃料ゲージは残り2メモリ半。航続距離は110km。普段、1メモリも減らない状態で水素を補給していると、この状況でも結構ヒヤヒヤものです。
一番大きな数字が速度で、その下に2つ並んでいる数字の左側が航続距離、右側は満タンからの走行距離を表します。
いままで248.5km走って残り110kmですから、タンクが空になるまでには358.5km走れる計算になります。この数字についても、後で検証することにしましょう。
航続距離が70kmくらいになると、燃料残量警告灯が点灯するのは先日の京都ドライブでも確認した通りです。
いよいよここから先は未知の領域。
ゲージのメモリはついにゼロに。さらに、航続距離が7キロとなったところで、「燃料残量低下 出力制限中」のアラートが出ました。
出力制限中と表示されていますが、ガクッと力が落ちる感じはまったくなく、アクセルを床まで踏めばいつもとあまり変わらない調子で加速します。
いよいよ残り1キロとなりました。水素ステーションの近くには来ているのですが、心臓はドキドキしています。
おそるおそる走り続けると、ついに航続距離の表示が消えました。
走行上、特に変化は感じられず、このままもうしばらく走れそうではありましたが、流石にこれ以上のチャレンジは断念することにしました。そのまま水素ステーションに入ります。
この時点での総走行距離は350.3km。一番上の写真で、車が示していた総走行距離の見込みは358.5kmでした。
本気でタンクを空にする気ならもう少し走れそうですから、車の予測値にはほとんど誤差がないことになります。なかなか優秀です。
さて、ステーションで充填ノズルを車につなぐと、タンクの残圧(上のメーター)は約4MPaを示しました。ほとんど空っぽになっていることがわかります。
ここから充填をはじめていきます。空っぽから充填するのは初めて。
謳い文句通り、空の状態からでも3分くらいで満タンになりました。圧力は76MPaくらいまで上昇。このステーションは82MPa充填が可能ですが、これはあくまでも規格値なので、実際に充填できる圧力は様々な状況によって変わります。
ちなみに、下のメーターは充填機側のボンベの圧力です。水素の充填は、充填機側と車両側の圧力差によって行われます。したがって、上のメーターと下のメーターの目盛りが同じになったところで充填は終わりです。
多くのステーションでは、3段階にわけて充填する方式がとられていて、最初は60MPa程度まで一気に充填したあと、充填機側の圧力を少し高めてさらに充填、その後ダメ押しで、充填機側の圧力を少しずつ上げながら満タンにしていきます。
1段階目はどんどん入っていく感じですが、2段目は少し時間がかかり、最後のダメ押しの部分でもっと時間がかかります。全部合わせても3分くらいで終わるのですが。
入った水素の量は4.51kgでした。店員さん曰く、「ミライにこんなに入ったの見たことない」そうです。
ミライの水素タンク容量は122.4Lで、水素ステーションで充填すると約5kgの水素を入れることができます(トヨタ「1回の充填でどれくらいの水素が入りますか?」)。そう考えると、4.51kgはまずまずの充填量といえます。
タンクを空にするまで走ってみようという、今回の目的は達成できたといえそうです。表示のマージンもどのくらいなのかがよくわかりました。